ラウンド1・宿題論争!!
あたしは日高飛鳥。二年のころから同じクラスの中原圭太に片思い中の小学五年の女子です。
あたしには不思議な力があります。それは人のコンプレックスを見抜くことができること。あんましいい能力ではないし、力も少ししかないからあんまりわからないけど、好きな人―圭太のことを知ることができるから、まあよしとするけどね。
圭太はスポーツ万能、勉強もトップクラス。文句なしの万能人間だけど、圭太には大きなコンプレックスがあるみたいなんだ。大きすぎて、あたしには全部はわからない。
けど、少しだけならわからないこともない。圭太は昔ある大きな傷を負って、ある感情が無くなってしまったみたいなんだけど、その大きな傷と、ある感情が何なのかはわからないんだ・・・
ある日のこと。あたしは圭太を探して廊下→教室→廊下→教室・・・・を100往復ぐらいして、その後ずっとうろうろしていた。(20分間の中休みの間に100往復・・・ある意味すごい!?)
でも圭太はいなかった。宿題忘れてたからやんなきゃいけないのになあ・・・(圭太は勉強はできるけど宿題は基本的にやらない主義)。
圭太がやるべきことをやらないはずはないと思うけど・・・・? と思ったときに圭太発見!!!
「けぇぇぇぇいぃぃぃぃぃたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!どぉこぉぉぉにぃぃいってぇぇたぁぁぁのぉぉぉおぉぉぉ!!!!!」
「図書室。辞書借りに。」
あたしの思いっきり怒りをこめた言葉をあっさり無視して冷静にいった圭太はあたしの横をすり抜けて教室に戻っていった。その圭太の背中に向かって、あたしは皮肉をこめて言った。
「中原さぁ〜ん?あと休み時間3分しかございませんがどーするおつもりでしょーかあ?
(怒)」
「しらね」
「しらねじゃないやい!!ちゃんとやりやがれこのヤロー!!あとお前図書室にこもって17分間ナニやってやがった」
「献花」
「・・・・・?!」
オイオイ献花ってどういうことだよ 図書室の中で誰かがポックリご愁傷様な運命になったんだったら分かるけどよオイ そんな簡単にご愁傷様になるわけないだろうがオイ
あっそうか字が間違ってんだ・・・・ケンカ!?
お前本読みながらケンカすんのか高度だなオイ すげぇなオイ・・・・・・はっ!!!
ついつい突っ込んじまったよオイ 読者の皆さんスイマセン。後オイオイ連呼してスイマセン。以後気をつけますので。
「おーい日高ぁ?お前一人でなに突っ込んでんの?全部丸聞こえだし。誰に謝ってんだよお前頭おかしくなったか?まぁ元からおかしいが」
「圭太ぁ?ぜぇぇぇぇぇぇんぶきこえてますがぁぁぁぁぁぁ?」「やべっ」
「やべっじゃなーい!ちゃんと宿題やりやがれぇぇ!あたし学習係なんだから強制的にやらさせるわよ!!」
「あれぇ?今月の学習係(うちのクラスは毎月係が変わる)お前だったっけ??」
「そうよ!!忘れてもらっちゃ困るわね・・・・・あれ??」
「「今月って・・・・ (高島)ゆずぽんと赤那ちゃん(川島さん)だ!」」
ゆずぽん―――高島柚菜と赤那ちゃん(圭太が呼んでる)―川島赤那とは、クラスの美少女コンビで、しかも川島さんに圭太がデレデレ状態。だから、彼女はあたしの敵なのである。
「あれぇ?おかしいなあ・・・・?じゃああたしは・・・・?」
「お前一学期に学習係やっただろ」
「あっ!!!」
そうだった!あたしは一学期最後―七月の係決めに、学習係に立候補したんだ。そして、十数人の立候補者の中で、じゃんけんで圧勝し、学習係になったんだった!
(それにしても何であんなに立候補したんだろー?しかも男子圭太一人だけだったし、後みんな女子だった。しかもみんなすんごい目つきしてた。なんか
「あたしが学習係になれなかったらなった人をヤッテヤル」
みたいなオーラ出してたし。なんでだろー?)
にぶいね飛鳥は。みんな圭太狙いに決まってるでしょうが。
「なんか作者の声きこえたけどきにしないでおこーっと」
気にしろ。
「お〜い日高またナニひとりでしゃべってんだぁ?しかも今度は作者とか言ってたし。マジで頭狂ったあ?」
「圭太ぁ?そんなことよりさあ?はやく宿題やったらぁぁ?そーしないと学習係の前で放課後宿題やらされますよぉ??」
「いーもん!いーもん!赤那チャンに教えてもらうんだからいーもん♪うるせえオンナの前で宿題しなくていいからいーーもん♪♪」
うるせえオンナで悪かったね。それはそうと・・・・
「圭太、今日川島さん休み。」
「はひ?」
「ということで五年三組法律により(というか先生の言いつけにより)、一学期最後の学習係、すなわちあたしとゆずぽんで教えまーす!!」
「なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
「それが嫌なら」
あたしは圭太の後ろに回りこみ、耳元でニコニコした表情からは想像できないような声でこうささやいた。
「早く宿題やってしまえ」
「は、い」
これだけ言った圭太は、すぐに教室に入った。しかし。
キーーーーーンコーーーーーーーンカーーーーーーーンコーーーーーーン
運悪くチャイムがなり、掃除になった。
圭太の宿題は、放課後に持ち越しになった。圭太は、
「もう俺は生きている価値がない」
ていう顔して掃除に行った。むひひ、ざまあみろ。
ちなみに放課後、あたし達―飛鳥&ゆずぽん(あたしら親友)が連合軍つくり、圭太をイジったのは言うまでもない。
さて飛鳥は圭太に、どんな声で「早く宿題やってしまえ」といったのでしょうね?
ここは・・・ご想像にお任せします。