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「世界」とせかい、なかとそと。

短めの詩 せかいのそとは

作者: カタタン

回答。単独でも。






何も見えない

何も見たくない

こんな恐ろしい世界なんて

「世界」に閉じ(こも)って固まる自分

誰も、何にも触れたくも

触れられたくもなかった



光。


唐突にそれを感じた

最初はちっぽけなものだった

それでも私は驚いた

私を見ようとした人がいたなんて

こんな、道端にすら居場所がない氷のことを

私は理解出来なかった

世界にいるのを諦めた塊に

わざわざ近づくことが


光は何度も私を見に来た

声を掛けてきた

なんで

なんで

私には恐怖が芽生えた

光を避けて来たのに

溶けるのが嫌なのに

なんでそんな酷いことするの

そう「世界」の中で叫んでも

光にはもちろん聞こえない


そして、

固まっていた身体が動いていく

凍っていた心が震えていく

光の「お陰」で


光は笑った

もう、大丈夫だよ

一人じゃないよ

初めて声が聞き取れた

私は何故か、泣いていた


そこに光があると分かったから

そこで求められていると知ったから

私は光を見ようと目を開いた



でも、

見えなかった。



見えたのは無機質な世界で

見上げた前には無機質な人がいて

私は解ってしまった

幻を見せられていたことに

幻に魅せられていたことに




(ひび)だらけの心が砕け散った

虚無の中に沈んでいった



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