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 1-3章 先

荒いです。

すみません

~王立鎧技学園・カグヤ視点~


あれからの一週間はあっという間だった。


俺は技術の再確認に時間を費やし


シルヴィは入学試験のトレーニングらしきものを行っていた。


試験日当日


戦技科と技巧科は試験会場が別なため


シルヴィと一端別れて


自分の試験会場に入る。


定員50名に対して


俺が付いた時には既に100名を超えているように見えた。


その後も続々と受験者は来始め


最終的には300名を超えていた。


試験開始時間


直前まで教えられなかった試験内容は


とても初歩的なもの


俺のいた世界では基本的な者


それであって情景の良し悪しを決める


重要なものであった。


これならば…と丁寧に


そして手早くきれいに仕上げていく


そうして試験時間は過ぎていった。



~試験会場・シルヴィ視点~


…これは一体どういう事でしょうか


戦技科の試験内容は実践方式


肉体ダメージが精神疲労に変換される特別なフィールドで


1対1の模擬戦を行え、というもので


但し、武器の使用は禁止


純粋な身体の動かし方や素質を見たいということでした。


私の相手は私よりも年上の方で


この入学試験のために十分な鍛錬を積んできたことが一目でわかりました。


試験の合否に勝ち負けは関係ないと言う事でしたが


勝負以前の問題で


私はなにかできるのか


という疑問が浮かんできました。


そして審判の開始の合図とともに


私の相手の方は駆けました。


周りから見たらその方は早かったのでしょう。


後から聞いた話ですが


その方は生まれた地方では神童と呼ばれるような方で


特待生は確実だろうと言われていたそうです。


周りからは


さすが


やっぱりすごいね


という声が聞こえてきます。


素人の私から見ても


その人の動きは


鍛錬の上に積み重なっているんだなって


分かりました。


でも、どういう訳か


私にはその動きが見えるのです。


時間を細長く引き伸ばしたような


まるでスローモーションのような


その様な感覚


私は突き出された腕を躱して


すれ違いざまに


右手で顎を打ち抜きました。


こうだと頭で考えたわけではなく


体が勝手に動いたのです。


一瞬の交錯のあと


私は立っていて、その人は倒れていました。


審判の終了の合図とともに


周りから悲鳴に近い歓声が上がりました


信じられないという声も聞こえてきます


あいつは一体誰だと喧々諤々だった


だけれども私にはその声は届いていなくて


さっきの


時間を引き延ばしたような感覚


あれは何だったのか


その事だけで頭がいっぱいでした。



~王立鎧学園入学式会場~


試験結果から言えばこうだった。


シルヴィは戦技科で総合三位


俺は技巧科で総合一位


どちらも晴れて特待生入りが決まった。


というわけで特待生寮に入る事が決まったのだが


俺たちが住んでいたあの場所もこの学園の設備に負けず劣らずということで


シルヴィと話し合った結果


学園がある日は特待生寮


次が休みの日はその家に戻る、ということにした。


学園にも学園外に工房を持っていることを説明すると


快く許可をくれた。


一般生には認められないが、特待生なら話は別との事だった。


そしてその特待生寮だが


俺に対しては警戒の眼差し


シルヴィには敵意の眼差しという


なんというか剣呑な感じがしていた。


どうやら俺の試験結果がどこから流れたらしく


俺の成績が学生のレベルをはるかに超えるものだった


と言う事から他の特待生から警戒されているようだった


シルヴィに関しては鬼の子


なぜあんなやつが


脅したんじゃないの


みたいな声がシルヴィと歩いていると聞こえてきた。


ワザと聞こえる声量でしゃべっているのが余計にたちが悪い。


隣で震えているシルヴィの手を握って


そっと「大丈夫」と言ったら


シルヴィは俺を見て


涙目ながら「はい」と笑顔で言って来てくれた。


そんな感じでこの学園の第一印象はかなり悪い


悪いというか最低だ


いる人の印象は悪いわ


個人情報はダダ漏れだわ


とにかく印象が悪い。


が、そんなことも言っていられないほど忙しくなった


入学式までに技巧科の新入生代表のスピーチの準備やら


工房からいくつかの道具を運び出したり掃除をしていたりしていたら


時間はあっという間に過ぎて行ってしまった。


そして入学式当日


美人でまだ若いだろう学園長のあいさつが終わった後


進行担当の先生に呼ばれて戦技科の新入生代表が壇上に上がる


なんというか、典型的なお嬢様タイプ


金髪縦ロール、モデル体型に誰が見ても美人と言える顔立ち


なんか俺のいた世界にこんなやつが登場する漫画があったような気がする。


「皆さん、御機嫌よう


 私は戦技科の新入生代表特待生一位のレスティアと言います。

 

 特待生に選ばれた以上は特待生一位の名に恥じぬように頑張りますわ。


 これからの三年間よろしくお願いしたしますわ」


優雅にお辞儀をして壇上を後にする。


会場からは大きな拍手が沸き起こる。


どうやらうけはかなり良かったらしい。


さて、次は俺の番だ。


進行担当の先生に呼ばれて壇上へと上がる。


考えてきたスピーチを話そうとしたその時だった。


なぜか再び学園長が壇上に上がってくる。


俺はまだ何もしゃべっていないぞ、と困惑していると。


学園長がマイクを取りしゃべりだす。


「学園長のステラだ


 全学園生徒に技巧科新入生代表について話しておきたいことがある。


 技巧科新入生代表カグヤだが


 学園の教師全員でカグヤの試験結果を協議した結果


 彼は既にこの学園の一定以上の基準を満たしているものとして


 異例だがこの時点で


 『第一級技巧師』の称号を与える事にした!」


学園長のその言葉と同時に一斉に湧き上がる会場


歓声やら罵声やら罵りやら悲鳴やらが重なり合って何を言っているかわからない


1人状況が分からず俺は固まっていた。

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