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学年で1番のイケメンに彼女を寝取られた。そしたら、イケメンの美少女友達が縁を切った  作者: 白金豪


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第33話 朝ご飯

 ジュゥゥゥ~~。


 キッチンからフライパンで、ベーコンと卵を焼く音が、豪快に響き渡る。同時に、キッチンの換気扇が、稼働する音も聞こえる。


 食卓のイスに腰掛けながら、颯はキッチンで、手際よく料理を進める遥希を眺める。


 換気扇は元気よく回っているが、ベーコンの風味は、颯の鼻腔をくすぐる。匂いを嗅ぐだけで、お腹が空き、口内からは、よだれが溢れる。


「流石に料理を全て任せるのは申し訳ないから。何か俺が出来る手助けは無いかな? 」


 食卓から、キッチンに身を置く遥希に、颯は声を掛ける。換気扇の音で声が伝わりにくいと予測し、大きめの声を出した。


「う~ん。料理の上では手助けは必要ないな。そうだな——」


 キッチン内での騒がしい音に囲まれながら、空いた左手を顎に添え、遥希は考える素振りを形成する。


 遥希は、フライパンと片手鍋を、IHの火に当て、調理に取り組む。同時に2つの料理を作っている。フライパンと片手鍋からは、共にモクモクと煙が立ち上る。それらの煙は、集中的に換気扇に吸い込まれる。


「ご飯の器の準備をしてもらえないか? そうだな、大皿1つと味噌汁椀1つを頼む」


 右手を用いて、お玉を掻き混ぜながら、遥希は要望を出す。換気扇とフライパンから生じる音を考慮し、遥希も普段よりも大きめの声を出す。


「分かった。すぐに準備するね。大皿と味噌汁椀は、どこに置けばいい? 」


 キッチン越しから、遥希の声は、きちんと颯の耳に届いた。そのため、聞き返す必要は無かった。


「そうだな。私の近くに置いてくれればいい。IHのすぐ隣でいい」


 右手から、お玉を放し、分かりやすく、遥希はIHの隣の空いたスペースを指差す。


「オッケー」


 テーブルから腰を上げ、キッチンに、颯は場所を変える。よりベーコンの風味が強くなる。


「ちょっと、後ろ失礼するよ~」


「おう! 了解」


 短い言葉を交わし、遥希の背後に居を構える、木製の食器棚から、適当に大皿と味噌汁椀を取り出す。大皿と味噌汁椀は、颯の両手に収まるサイズだった。


「はい! 大皿と味噌汁椀1つずつね」


 遥希の指示した場所に、颯は大皿と味噌汁椀を重ねて置く。置いた直後、フライパンと片手鍋の中身を覗き込む。


 フライパンには、ベーコンと目玉焼きが合体しており、片手鍋には、かまぼこ、豆腐、にんじん、大根などが、混ざった具だくさんの味噌汁が入っていた。


(美味しそう~~)


 遥希の手料理を目にした瞬間、つ~っと口から、よだれが垂れそうになる。反射的に、顎に流れそうになった、よだれを飲み込む。あと少し遅ければ、垂れていただろう。


「おっ! もしかして食い付いてるか? 後は味噌汁を煮込むだけだから、もう少し待っててくれ」


 フライパンに当てる日を止める。


 ピーーっと、甲高いスイッチの切れる音が、キッチン全体に行き渡る。結構なボリュームのある音だった。


 予め用意していたベラを使って、フライパンから大皿へ、ベーコンと目玉焼きの合体した料理を、流すように移す。1つの料理は完成したようだ。


「後2、3分で完成するから、お箸や飲み物を準備しても構わないぞ」


 お玉を掻き混ぜながら、味噌汁の状態を確認し、遥希は、颯に食事の準備を促す。遥希は既に、片手鍋に味噌の素も投入していたようだ。その証拠に、味噌汁の色は、薄い茶色だ。


 すぐに着手し、プラスチックのコップに、冷蔵庫で冷やしたお茶を注ぎ、箸も準備し、食卓に置く。ヨーグルトとスプーンも忘れない。ヨーグルトと小型のスプーンはセットである。


「よし! もうオッケーだな」


 片手鍋側のIHのスイッチも切り、遥希は、お玉で味噌汁椀に味噌汁を盛る。温かい出来立てホクホクの味噌汁からは、熱々の湯気が漂う。


「お待たせだな。朝ご飯だぞ~」


 まず大皿を持って食卓に置く。再びキッチンに戻って、味噌汁を食卓に移す遥希。味噌汁を溢さないための対策だろう。


「ありがとう!! うわぁ~。美味しそう~~」


 目の前の料理に、颯は釘付けだ。


「ベーコンエッグと味噌汁だ。炭水化物も用意したいのは、本音だが。生憎、米は大量にあったが、食パンは無かった。流石に米を炊く時間は無いしな」


「そんなの気にしなくていいよ。十分すぎるくらい贅沢だよ。本当にありがとう~」


 心底嬉しそうに、遥希の前で、颯は満面の笑みを浮かべる。こんな生き生きした表情を、遥希に見せるのは、初めてだろう。


「お、…おう。喜んでくれたなら、良かった」


 照れ臭そうに、颯から視線を逸らし、遥希は頬を赤く染める。満更でもなさそうだ。


「食べていいかな? 」


 小さな子供のように、ウキウキしながら、箸を右手で掴み、颯太は尋ねる。待ちきれない様子だ。


「あ、ああ。構わないぞ。天音のペースで召し上がってくれ」


 視線を逸らしたまま、遥希は許可を下す。


「やった! いただきま~す!! 」


 許しをもらった颯太は、両手を合わせ、食事の挨拶を声高々に行った。


 まずは、メインのベーコンエッグから手を付ける。


 箸を上手く使い、ベーコンエッグを小さくカットすると、大皿から口に運ぶ。


 出来立て特有の熱さと同時に、カリカリしたベーコンと卵の濃厚な味が、颯の口内全体に拡大した。


「お、美味しい~。美味しすぎるよ~」


 大袈裟に感想を紡ぎ、箸をテーブルに一旦置き、次は具だくさんの味噌汁の詰まった味噌汁椀を手に取る。


 そして、自身の息を吹き掛け、味噌汁をある程度冷まし、ズズッと音を立てて啜った。

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