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Extended Universe   作者: ぽこ
最初の街 - ファスティアン -
20/31

挑戦の行方 - 再挑戦 -2


かなり削れたアトラクシオンのHPをみて、まだ半分切れていないことを嘆くべきか、それとも、よくここまで削ったと自分を褒めるべきかと悩みながら苦笑する。


アトラクシオンが岩を動かしたのを確認して、”ストーンシールド”の準備をする。飛んできた岩を上手く弾いて”ウィンド ”でアトラクシオンめがけて吹き飛ばせば綺麗に命中した。


ゴリっと削れる理由は恐らく魔法判定ではなく物理判定だからだろう。


こうして戦っていると、時間をかなりかけたとはいえ、初戦でよくHPを半分ほど減らしたなと自画自賛したい気持ちが沸き上がる。

流石に2戦目となると攻撃パターンもつかめてくるし、回避にも攻撃にも余裕がでる。そのおかげで、大きく時間をかけずにここまで削ることができた。


インベントリから【MPポーション改(魔力強化型01)】と【HPポーション改(継続型01)】を一つずつ取り出して使用する。


さて、次はどんな攻撃でくる?


にやりと笑えば、アトラクシオンは光の魔力を溜め始める。


「それは、一番無駄!」


nullがダッシュで攻撃範囲から逃げれば、固定砲台のごとく、先ほどまで居た位置に範囲型の光線が発射された。その隙に攻撃へと転じる。


「”グラビティ・ボム”、”ウィンド・ブレード”」


相手の動きを鈍くしてやれば、きっとあれが来る。


アトラクシオンは、グオォォォと怒りの声で、やはり岩を飛ばしてきてくれる。それをお約束の”ストーンシールド”と”ウィンド”で対応して見せれば、漸く半分まで削れたらしい。


奴の目が開いた。


「きたきたきたーー!!」


待っていましたとばかりに、”エア・ダッシュ”を使って大きく距離をとる。止まった場所からでもじりじりと引き寄せられるが、持っていた杖を地面に突き刺して何とか堪える。


すると、すぐにアトラクシオンの後ろに魔法陣のような大きな文様が浮かび上がった。すぐに、あれか。と納得した。


その陣の正面にあたらない位置まで退避すれば、思った通り身体は動く。アトラクシオンは両の腕を大きく上げてから地面へと叩きおろし、衝撃波を飛ばしてきた。


あぁ、止めの攻撃はあれだったのかと、小さく納得した。

これがアトラクシオンの一連の流れなのだと理解して、そして随分と満足した。


やはり初回では倒せなかった。

どう頑張っても削りきる威力が足りなかった。

――でも、今なら、倒せる。

そう確信する。


「”シャドウ・マント”、”クイック・チャージ”」


「ねぇ、アトラクシオンくん。やっぱり君は強いね。最高だよ!

―――だから、もう私の負けでいいや。

魔法だけで勝つ!って、思っていたけどやっぱ無理!こっからは全力で行くよ。」


ニッと口角を上げたnullは走り出す。アトラクシオンの元へたどり着いた時には、既にあの陣は消えていて丁度いいと思った。


「”抜刀 神速・光の一閃”」


唱えた瞬間、レイピアを引き抜いてその斬撃が前方へ光の刃となって飛んでいく。それでもnullの攻撃は止まらず、次々と唱えながらレイピアをふるう。たまらずアトラクシオンが腕をぶんぶん大振りで振り回すものだから、それを躱しながら攻撃を丁寧に当てていく。


「”光速斬”、”閃光の乱舞”、”神聖・光の舞”」


レイピアを振りぬけば、高速の光の刃が飛んでいき、アトラクシオンの動きが僅かに鈍る。そこへ、レイピアを振り回して、何度も何度も高速に切り付けては光属性のダメージが蓄積していく。その度に、敵の防御力は下がり、手ごたえを感じ始めた。そこへ、”神聖・光の舞”で光の渦を展開させてダメージと共に、「光の印」を付与した。


もう少し、と油断したのが悪かった。

右側から飛んできたアトラクシオンの拳を視界の端で見た。「まずい」と思ったのと同時に、アトラクシオンを見上げて思わず発動させてしまった。


「”エア・ダッシュ”」


気づいた時には、アトラクシオンの拳からは逃げることに成功していたが、それでも奴の頭上の遥か上。空中に飛んでいた。


あれ、”エア・ダッシュ”ってこんな事できたんだっけ?なんて思いながらも、好機だと全身で感じる。


「”光槍”」


レイピアをアトラクシオンへ向けてスキル名を唱える。そうすれば、どこからともなく光が集まり収縮していく。どんな攻撃が出るかは、イメージができていた。


ぐっとレイピアを強く握りしめれば、一気に前方へ強力な光の槍を発射する。その反動で、身体が大きく後ろへ反れる。そこへ、アトラクシオンの最後の攻撃が飛んできた。


大きな拳が向かってくる。でももう逃げる手段はない。空中から体制を崩して落下しているのだ。それでも、真下では”光槍”が直撃して既に奴の身体は崩れ始めている。


HPバーも0まで下がっている、のに。目の前の奴の拳だったものはゆっくりと、でも確実にこちらに向かってきている。


どうする?

当たっても、HPはもつか?

――分からない。


でも、正真正銘奴の最後の一撃だ。

あれに当たってはいけない。

――完全に勝つために!!


nullは「おりゃああ」と叫びながら無理やり身体をねじる。ねじったことで奴の拳だった岩を正面にとらえた。これならば、とすかさずスキルを唱えた。


「”聖なる裁き”」


レイピアを素早く前方へ振り抜き、光属性の強力な一撃を放つ。その反動で今度は真っ逆さまに落ちていく。

幸い目の前の拳だった腕は砕け散った。そして、その一部がこちらへゆっくりと向かってくる。丁度いい足場になりそうだ、と両足で踏み込めば、身体をぐるりと反転させて、態勢を戻す。


「”神威の収束(しんいのしゅうそく)”」


空中で落下しながらレイピアを鞘へ戻す。

シャキンッと高い音が響き、その間すべてがスローモーションのように遅くなる。いや、なったような気がした。

落ちる背後では、バラバラとアトラクシオンが崩れていく音が聞こえている。ようやく終わったと一安心しながら、ちらりと視線を向ければ、もう殆ど形は保たれていなかった。


「よっ…と。」


膝をバネに、綺麗に着地して振り返る。


「魔法だけじゃ無理だったけど、一応私の勝ちだよね」


杖に戻った武器を地面に突き刺して、もたれかかる。


「はー、疲れた」


言い終わったあたりで、気づく。


――あれ?システム音は?


まだ鳴っていない。


「…?」


まさか、まだ何かあるのか、と警戒して杖を構える。

アトラクシオンの居た場所には黒い渦の様なものが残っていた。そしてそこから発される声にnullは驚きと共に耳を澄ます。



「光の使徒か…。

私の力が…今、また一つ、目覚めたというのか…。


――だが、お前はまだ、試練の半ばに過ぎない。


私が封じた力、そして、この遺跡の謎が、お前を待っている。

覚えておけ、光の使徒。


お前が進むべき道は、明るいだけではない。

その先に何が待ち受けているのか、お前自身の目で見、そして選ぶがよい。


私は、もう一度お前に試練を与えるだろう。


――その時、お前がどれほど進化し、どれほど変わることができるか、楽しみにしている…。」



闇の様に黒い渦が小さく、小さくなって、やがて消えてなくなった。


「…え?なに、今の」


アトラクシオンさんの言葉?なんかフラグたった?

首を傾げるとともに、ピロリンと小さなシステム音が鳴り響いた。


==

【忘れ去られた遺跡:アトラクシオン討伐完了!】

 アトラクシオン(Atraxion)

 タイプ: 神性 / 古代の支配者

 HP:8000

 弱点::光属性(+15%ダメージ)

 状態異常耐性:石化(完全耐性)、魔法(高耐性)


概要:

アトラクシオンは「忘れ去られた遺跡」の本来の支配者であり、かつて遺跡を創造し、その力を持って世界を支配しようとした存在。封印された後もその力を保持しており、遺跡内部ではその魔力を周囲に及ぼし、崩壊した遺跡の中で静かにその力を眠らせていた。

 アトラクシオンは「神性」を持ち、光と影の力を使いこなす存在。強力な魔法攻撃と支配能力を持つ。彼の体内にある巨大なクリスタルが、膨大な魔力を宿している。

==


==

【忘れ去られた遺跡:コンプリート報酬 ★初踏破★】

おめでとうございます!あなたがはじめての踏破者です。

以下は、「忘れ去られた遺跡」をはじめてコンプリートしたプレイヤーへ送られる報酬です!


「光輝く聖印のメダル」(U)

 - 概要: アトラクシオン討伐後に得られる神聖な証。入手することで、主人公の称号が「聖なる使者」に進化します。

 - 新スキル解放: 「神の裁き」などの新しい光属性スキルが解放される。


「光輝の守護者のローブ」(LEG)

 - 概要: アトラクシオンの魔力が宿ったローブ。光と闇の攻撃に強力な耐性を持ち、光の使徒としての能力をさらに強化します。


「アトラクシオンの神秘のクリスタル」(UR)

 - 概要: アトラクシオンの体内から取り出された強力なクリスタル。光属性の武器を作るための素材として使用できる。


「アトラクシオンの祝福のリング」(SR)

- 概要: アトラクシオンの力が宿ったリング。光の力を強化し、回復魔法やサポート系魔法の効果を向上させます。


==


「うわーー。」


nullの顔が引きつる。


確かに、強かったけど…。


これは、序盤で手に入っていいアイテムか?


おまけ

==

【忘れ去られた遺跡:コンプリート報酬】


「光輝く聖印のメダル」(U)

 - 概要: アトラクシオン討伐後に得られる神聖な証。入手することで、主人公の称号が「聖なる使者」に進化します。

 - 称号進化: 主人公の称号が「聖なる使者」にランクアップ。

 - 光属性スキル強化: 光属性魔法や回復系スキルが強化される。

 - 新スキル解放: 「神の裁き」などの新しい光属性スキルが解放される。


「光輝の守護者のローブ」(LEG)

 - 概要: アトラクシオンの魔力が宿ったローブ。光と闇の攻撃に強力な耐性を持ち、光の使徒としての能力をさらに強化します。

 - 光属性耐性 +30%: 光属性の攻撃に対するダメージを軽減。

 - 闇属性耐性 +30%: 闇属性の攻撃に対するダメージを軽減。

 - 「神の庇護」 (シールド効果): 30秒間、受けるダメージの50%を軽減するシールドが自動で発生。

 - 「魔力の反射」: 物理ダメージを受けた際、一定確率で反射ダメージを敵に与える。

 - 「光の加護」: 光属性の攻撃時に与えるダメージが10%増加。周囲の味方にも10%のダメージ軽減効果がかかる。

 - 回避能力 +15%: 回避能力が向上し、物理攻撃や魔法攻撃を回避する確率が増加。


「アトラクシオンの神秘のクリスタル」(UR)

 - 概要: アトラクシオンの体内から取り出された強力なクリスタル。光属性の武器を作るための素材として使用できる。

 - 光属性魔法の威力 +20%: 光属性の魔法のダメージを増加。

 - 「神聖なる力」: 光属性の素材。


「アトラクシオンの祝福のリング」(SR)

- 概要: アトラクシオンの力が宿ったリング。光の力を強化し、回復魔法やサポート系魔法の効果を向上させます。

- 「神聖な回復」: 回復魔法の効果 +15%

- 「光の守護」: 光属性魔法の効果 +20%

- 「神の加護」: 一定時間ごとにHPが回復。


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