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くだらないおはなし

Gとの戦い.結局は発生源を断つのがよい

作者: プルプル山

動きがもっとモタモタしてて,かつ触覚がもっと短かったらまだ許せるのですが...

 ご近所にゴミ屋敷がある場合,どんなに対策をしても奴らは必ずやってくる.

 僕のアパートの斜め下の部屋には以前,生活保護をもらって生活するおじいちゃんが住んでいた.入居の挨拶に伺った際「おれぁ生活保護受給者で,朝から晩まで家にいるからこのアパートの防犯はバッチリだよ」とドヤ顔で言われたのを思い出す.

 おじいちゃんのおかげかどうかは知らんが確かにアパート付近で怪しい人物を目撃したことはない.その代わりキッチンや居間にたびたび怪しい小さな影が数ヶ月おきに現れるようになった.おじいちゃんが退居された後に聞いた話だが,おじいちゃんの部屋はそれなりのゴミ屋敷だったらしい.



 自慢じゃないが僕はGが大の苦手である.高校生の頃,近所に住む友人をG退治のために家に呼びつけたこともある.

 そんな人間がGを退治するにあたって,殺虫スプレーはなくてはならない代物だ.まず自分の足元にスプレーで線を引く.Gは線を越えることができない(たぶん)ので,安全地帯が2秒もかからずに出来上がる.あとはもう安全地帯から薄目を頑張って開けて,スプレーでGを囲うように直径1mほどの円を描いてやればよい.Gが線を避ける場合は円になんかいい感じで線を引いてあげればよい.

 Gが飛ぶ場合???そんなん考えたくもないです!!!!!やめてください!!!!!!!!なんてことを言うんだ!!!!!!!!!!



 問題は後始末である.なかなかいい方法が思いつかない.

 いつもはなるべく大きい紙に御遺体を載せトイレに流すのだが,御遺体がたまに動いたりする(僕の手が震えている場合がほとんど)ので,その度にビクつき,半泣きになりながらなんとかトイレに流している.何かいいアイデアをお持ちの方がいらっしゃったら教えてほしいです.



 これまでの話は全てある程度小さいサイズのGが出た時の話である.

 想像もしたくないが3cmを超えるものが出現した場合,僕は何もできない.

 思い出したくもないが,過去に一度3cmを超えるおっきなやつがキッチンの壁に張り付いていた時,僕はフリーズした.立冬に近い涼しい時期だったせいか,動きが非常にノロノロしていて,こいつ実はカブトムシのメスなんじゃないかと思ったが,視界の端にぼんやりと写るアレが(詳述すると震えてくるのでやめる),カブトムシ,クワガタ,カナブンの可能性を全否定しやがった.

 ブレーカーの装置の内部が外とつながっていて,そこから僕の家に入ってきたらしい.僕がちょっとでも動いたら,Gがびっくりして暴れまわるんじゃないかと思い,僕は1mmも動けなかった.


 Gも僕に警戒していたのか(入る部屋を間違えて戸惑っていたのかもしれない,下の階にもっといい部屋がありますよ!),鈍い動きしか見せず,両者睨み合いのまま時間だけが過ぎていった(1時間半くらいずっと睨み合っていた,睨み合うというか,僕は視界の中心に絶対にGを入れたくないので,ギリギリ視界の端っこにGが映る程度の顔の向きをキープしていた).Gは10分おきに,5cm動いて止まる,5cm動いてまた止まるという謎アルゴリズムを繰り返し,最終的にブレーカーの穴から外へと帰っていった.



 それを確認した僕はGの如く俊敏な動きで殺虫スプレーを居間の定位置から持ち出し,ブレーカー付近にこれでもかとばかりにスプレーを撒き散らした.そしてブレーカーの穴付近をラップとマステで塞ぎ,どんな生き物であろうと絶対に通れないブレーカーが完成した.

 ちなみにこの処置のおかげで翌年の春,スズメバチの侵入を防ぐことができた.サランラップに何度も体当たりを仕掛けるスズメバチを見て,僕はかなりビビった.ビビりながらも,ラップが蜂に破られて僕が刺されたら,メーカーに慰謝料もらえるのかなぁと呑気なことを考えていた.


 ブラックキャップは設置していたが,それでも数ヶ月おきに襲来があった.

 生活保護のおじいちゃんが退居してからはや2年,この間一度もGは姿を見せなくなった.G対策で一番有効なのは,近所のゴミ屋敷を行政サービスか何かで綺麗にすることだと思った.

おじいちゃんが抜けたことにより,アパートの汚部屋ランキングの1位が僕になりました.発生源にならぬよう,ゴミは毎週捨てるようにしています.

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