表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱魔王の鬼畜世界放浪記  作者: からころから
7/18

六話 嵐の前触れ

 ドスン!ドスン!と大きな足音を立ててまっすぐ盗賊に向かって行くジャイアントフロッグ。


 「さあ、ここで我らの力を見せつけてこの世界をカエルの恐怖に陥れるのだ!」


 魔王は5体めの囮を殺し視界に映った盗賊の元に向かって行くジャイアントフロッグを激励する。


 「ククク、カエルに襲われる絶望した我の気持ちを100分の1でも体感して死ぬがよい薄汚い盗賊ども! 

 そしてカエルよ……

 奴らを虐殺した暁には我が魔王軍(現在0名)の幹部の座をくれてやろう。

 そしてカエル使いの魔王として世界の頂点に君臨するのだ!」


 などとバカなことを言っているうちにカエルが盗賊たちに接敵する。


 「あっちゃー、ジャイアントフロッグ、ありゃボスですかい。どうしますお頭ー?」


 「あ"〜ん、んだよ間が悪いなぁ〜」


 毛むくじゃらの手で眼帯をかけた盗賊のボスが頭を掻く。


 「おい!馬車ぁ〜見張っとけぇ〜。

 ジャイアントフロッグは俺が処理〜するからなぁ〜」


 盗賊のボスは武器の双剣の内、一本を抜き取る…


 盗賊ボスが一気に走り出す!


 ジャイアントフロッグは近付かせまいと舌を鞭のように振るう。  


 盗賊ボスは迫り来る舌をバラバラに切り飛ばす!


 風を切り裂くような速さで間合いに入り込む

「【疾風切り】」


 カエルの体がみるみる小さくなっていく。

 やがて肉団子へと姿を変えた。


 「ふい〜、やっぱぁ〜雑魚を殺すのはぁ〜、気分が良いなぁ〜」


 そこに息を切らした子分の盗賊が駆け寄る。


 「大変です、お頭!騎士の奴らが向かって来やがります!」


 「んだとぉ〜、ちくしょう。後少しで任務を遂行出来たのによぉ〜。

 ジャイアントフロッグのせいでぇ〜!」


 盗賊ボスは怒りに任せて地面を蹴り上げる。

 地面がえぐれ、土煙が舞う。


 「やっぱりおかしいですぜお頭。

 こいつは自分より強い奴は刺激しない限り襲わないくらいの知性はありますぜ?

 もしかしたら誰か邪魔したのかも知れません」


 「何だとぉ〜!どこのどいつだ!俺がぶっ殺してやるぅ〜‼︎

 テメェら、ずらかるぞぉ〜」




 魔王バエル=オルゾビュート・デメキシスは全力で走る。


 息が切れることはないがあまりの絶望に胃の中の物が這いあがろうとして酷い嗚咽感に苛まれる。


 気付けばカエルを誘導する時に使った道から大きく外れているようでここがどこなのかもわからない。


 バエルは先ほどのことを思い出す、カエルの体を切り刻んだ膂力、カエルの舌を切り落としたあの動体視力……絶望がまた一気に押し寄せてバエルを呑み込もうとする。


ピロリン『【不屈の闘志】が発動しました』


前に我の中で野心が燃える。


 その炎は絶望の波を燃やし尽くし対象者を炎の様に燃え上がらせる。


 そうだ、我はこの世界の王になる存在こんなところでたたらを踏んでいるわけにはいかないのだ!!


 だが、そんな中にも一抹の不安が胸をよぎる。

 

 我の呟いた声は響くことなく風に流されていった


「コレが『ヘル』の世界か…」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ