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最弱魔王の鬼畜世界放浪記  作者: からころから
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四話 忍び寄る恐怖

 また頭が真っ白になる。


 10分ほどアホづらかました後、ようやく意識が戻ってきた


 何だこれは!一体どうなっている!!


 一回目と全く同じことを言ったので割愛


 「あ"あ"あ"あ"ーーー‼︎

 一体何だ?我そんなに悪いことしたかぁー?

 チックショー!ふざけんじゃねーぞー!

 わかった!あの殺した勇者の呪いか?

 確かにちょっとひどかったかもしれん、頼む〜許してくれ〜!

 お家に返してくれ〜!」


 コホン(*´ー`*)見苦しい所を見せてしまった。

 こんな所を誰かに見られたらおしまいだ…


 ガサガサっ‼︎


「うひょう⁉︎」


 あまりの驚きに変な声が出てしまった。


 若干頬を赤らめつつ振り返ってみるとカエルがいた。


 見たことのないカエルだった小さな棘やどくどくしい色、体の部分部分を覆う小さな甲殻らしき物を除けば我の元いた世界のジャイアントフロッグに似ている。


 確かジャイアントフロッグは世界に入ってきた超序盤のプレイヤーが倒すゴブリン、スライムに並ぶ弱さを誇っている…


 己の内側からふつふつと怒りが湧いてくる。

 我はこんな雑魚に「うひょう⁉︎」と言わされたのか……


「良くも我に恥をかかせてくれたな、このカエルめ…楽に死ねると思うなよ!

 貴様が二度とお目にかかれない超高位魔法で消し飛ばしてくれるわぁ‼︎」


 「《邪怨滅槍(じゃおんめっそう)》」

バエルの広げた手のひらに漆黒の球体が出現する。


 それは空間を侵食する様に大きくなり、槍の形を取って己の力の矛先をカエルへと定める。


 禍々しい光を放つ槍が黒き軌跡を残して対象の胸を貫き呪怨の炎で焼き尽くさんと飛来し、着弾

ポフン………

 静かに目詰め合う魔王とカエルと言う何ともシュールな時間が流れた。


 「フハハハ!極稀に魔法抵抗力がなくとも無効化する事があるのだ。

 つまり次が本当に貴様の最後だ‼︎死ねい‼︎」


 「《地獄の火渦ヘルファイアーストーム》」


 地獄の業火が対象の魂を燃やし尽くそうと激しく燃え上がる!


 そしてその炎はカエルを包み込み、その魂を貪り喰おうとさらに熱くなる。


 そしてその炎に全てを呑まれカエルは灰すら残らずこの世界から消滅させーなかった、カエルは何もなかったかのように大きな鼻を引くつかせていた。


 またカエルと魔王が無言で見つめ合うシュールな時間が流れる…


 「何なのだ貴様は、もしやこの世界の猛者の王なのか?」


 「くそっ《審判(ジャッジメント)》!」


ボスジャイアントフロッグ

Lv584

HP 60256 MP 2064 AGI 4066 

INT 1244 DEF 18795 AGI4066

スキル一覧

毒吐きLv1 毒属性強化Lv1 大食いLv2 

生命力上昇Lv3 防御力上昇Lv2

称号 

なし

備考 この世界で生き残るため進化したジャイアントフロッグ。

 現在では変異種が生き残り通常種は絶滅した。高いHPと防御力が特徴。

 特にこの個体はその性質が強くでている。

 肉や脂肪が多く身も美味しいので家庭の定番料理として名高い。

 ボスとあるがジャイアントフロッグは弱いもの同士で徒党を組むため、強い個体は仲間がいない悲しい存在。


ハイ?Lv584?HP60256?

何じゃこりぁー⁉︎


 いや、落ち着くんだジャイアントフロッグが口をもごつかせている。


 「【毒吐き】か!」


 ジャイアントフロッグの口から毒の水球が吐かれた。


 まずい…もし『状態異常無効』が破損になっている今これを食らったら最悪死ぬ可能性もある。


 (てか、カエルに殺された魔王って何なの?)


 迫り来る毒球を華麗に避ける。


 後方に飛んでいった毒球は射線上にあった木に着弾、毒が付着した。


 一瞬にして木が溶かされ支えを失った木が音を立てながら倒れた。


 続けてジャイアントフロッグはまたも毒吐きをした。


 そして、毒球は回避して体勢を崩した魔王を正確に捉えた……


 魔王の上半身は瞬く間に溶かされ、わずかに残された下半身が地面に転がった。








 とある場所で、


 「あれっ?どういうことだコレ?」


 薄暗く寂れて埃っぽい小さな酒場の中に驚いたような声が響き渡る。


 バーカウンターの前に1人の人影が座っている。


 「へい、マスター!お酒ちょうだーい!面白いことがあったんだ〜。」


 その注文を聞き入れる者は誰もいない。

 弾むような声がまた静けさを強調する。


「おーい、マスター。

 客の要望には素早く答えるべきでしょうが!      

 ねえ娘ちゃん?

 全くこーんな無愛想なマスターのお手伝いしてるとか……

 娘ちゃんいい子過ぎるよ〜」


 どこか楽しんだような声がこだまする。


 「……あー、もう死んでたかー」


 バーカウンターの奥にもう動かなくなった店主が見える。

 そして娘の亡骸も。

 店主が娘だけでも守ろうと覆い被さって死んでいた。


 長剣で娘もろとも貫かれ、まだ幼い娘が先に逝って、苦痛と無念で顔をぐしゃぐしゃにして息絶えていた。

 

 他にも従業員や店主の妻と見られる女もいたが、こちらは見るに耐えないほど人間とはかけ離れた肉塊になっていた。

 

 声の持ち主はそんなことは全く気にも止めずバーカウンターを漁っている。

 

「マスター聞いてくれよー。

 誰かがここに入ってきたらしいんだ……

 だけど正攻法で入ってきたってわけじゃ無いらしいんだ。気になるけどいやらしいことにオーラが弱すぎて感知出来ないんだよ。

 でも待ってれば現れると思うんだ!

 もしそいつが現れた時、期待はずれだったら速攻退場になるね!

 だけどもし面白かったら……

 おっ!酒瓶はっけーん」

 その者は今にもスキップをしそうな雰囲気で血の海を歩く

「マスター、酒貰ってくね〜」

 籠った声が酒場の最後の来客となった。

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