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最弱魔王の鬼畜世界放浪記  作者: からころから
11/18

十話 躙り寄る捕食者

 ゴブリンの集落を観察して3日が経った。


 丘の上に生えた茂みに隠れて様子を伺う。

 観察して分かった事があった。


 あの集落には男ゴブリンが18匹、女ゴブリンが11匹、子ゴブリンが9匹いるようだ。

 毎日同じ時間に狩班が巡回して狩や森に異変がないかを確認している。


 それともう一つ気づいた事がある。


 戦士や魔法使いは狩班にいないから、村にもいないと踏んでいたが戦士を修めているゴブリンの他にも魔法使いや僧侶を修めたゴブリンまで発見されたのだ。


 もとより集落を陥すのは難しいと考えていたが、これでもしかしたらは否定された。だが気がかりなことがある……


 なぜ戦士ゴブリンたちは狩にでていないのだろうか?


 そっちの方が狩りが効率的になるし、リスクも下がる。

 ないとは思いたいが我の気配を察知して伏せていたのか?


 もう少し観察続けてみるか……



腹が減ってきた。 



 辺りを散策がてら食えるものでも無いか探すか。


 ふと下を見ると5メートルくらい先の地面に赤く小さな果実の様なものが見つかった。


 何やらここからでもいい匂いもす。

 こんなに美味そうな匂いだし食べれるだろう。


 一応、一応念のため鑑定をしてみる。


デスベリー

耐久値 102

 この辺りではそれなりに強い毒を持っている。

 知性のある生物がよく狩りをする時に武器に塗る。

 しかも、肌からも毒が浸透するので注意が必要。

 即効性の毒で果実を食べた者を殺して養分にする。

 ちなみにLv100以下の生物は触れただけで即死する。

 即死しなくても体が麻痺していって、やがては心臓も止めてしまう。



 あっぶねえええええええ!!


 我危うく即死するとこだったんですけど!


 確かに、赤くてみずみずしい果実が見つけやすいところに生えているのに、鳥も動物も手をつけていない。


 これは我の様な初心者を殺すためにある果実なのだな……

 鑑定がなかったらここでゲームオーバーというやつだっただろう。


 ありがとうございます鑑定様。

 神とはあなたのことだったのですねー。


 ひとしきり鑑定を崇めた後、他に食べるものが無いか再度鑑定する。


 次はこの木になっている小さな実を調べよう。


コミコミの実

耐久値47

 味はほとんど無いが、豊富な栄養を蓄えている。

 塩茹でしてふやかすと美味。

 どうやらこれは食べられる様だ。

 木から実を何個か取って口に入れる。

 説明通り、薄味の豆の様な味がする。




 探知が何かをとらえた。


 魔力はそれほど無い様だが油断はできない。

 気配を消しながらその気配に近づく。


 どうやらウサギの様だ。


 盗賊の時は逃げるのに必死で鑑定を忘れたが今回は違う。


ジャンピングラビット 

Lv73

野獣種 職業 無し

HP 4004 MP 730 STR 1900 

INT 500 DEF 1005 AGI 4091

スキル一覧 

脱兎Lv1

称号 なし

備考 

 2日前に生まれた。

 これを狩れなかったらこの世界で生きる価値ナシ!

 大人になると3メートルほどになり、巣穴を巡ってジャイアントフロッグと縄張り争いをする。

 味の筋肉は脂肪がなく、保存に適している。




 なんと!我ながら運がいい。


 まだ幼体だからえげつないレベルまで上がっていない。


風精霊の加護プロビデンスオブウィンディーネ


隠密の魔法を使い、攻撃魔法を構築する。


 「《氷結針撃フローズンニードルショット》」


 創り出された氷の槍が螺旋状に回転し、ジャンピングラビットの心臓に飛び込んで行く。


 「ピッ!」


 氷の槍がジャンピングラビットの胸を正確に貫く、貫いたところから冷気が広がりさらにダメージを与える。


 そのままうさぎは動かなくなった。


 まだ微かに息がある。


 【脱兎】は敵から逃走する時のスタミナ消費を軽減するのと、素早さ、防御力及び各種耐性が短時間上昇するスキルである。


 それにより急所を避けて耐性によりバエルの一撃に耐えたのだ。


 バエルは瀕死のジャンピングラビットに近づく。


 「《空間調和(ハーモニカルエア)》!!」 


 自分が持つ最高位の隠密系魔法を発動させた。

 探知によって頭に浮かぶレーダーに反応はないが、それは近づいていた。


 ずるずると思い何かを引きずる様な音をバエルが捕えていたのは奇跡だった。

 辺りはすでに暗く、バエルは草むらに隠れて様子を伺う。


 ついにそれは現れた……


 この世の不浄を無理やり詰め込んだ様な漆黒の粘体に包まれている。

 その姿はスライムの様にも見えるが、周囲に撒き散らす生への憎悪は、スライムとは違う生物であると本能が訴えてくる。


すぐさま鑑定を発動。


デッドイーター 

Lv1923 種族 不浄種  職業 なし

HP 5006908 MP 299305 STR 500421 DEF 395020 AGI180051 INT 365041

スキル一覧

隠密Lv3 怨念の衣Lv9 大食いLv11 

魔法構築速度上昇Lv4 亡者の無念Lv10 

粘体変化Lv15 再生Lv6 

称号一覧

不滅の亡者 大罪を犯す者 死者食い 

魂汚す蒼炎 不浄の体 大食い 特異個体

封印体



用語説明

HP=体力 MP=魔力量 

STR=物理攻撃力 INT=魔法攻撃力 

DEF=防御力 AGI=素早さ



 この小説では魔法は《》、スキルは【】を使っています。

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