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第七十話「妖精からの贈り物」

「水、保存食、薬、ナイフの予備、手記、ペン、あとキレイな石と…」


『ねぇ?お菓子の棚さぁ、開かなくなってるんだけどぉ?』


「ふむ、対妖精用施錠魔術も動作していると」


『ちょっとぉ!』



旅に出ると決心してから、一ヶ月後。


ワタシは掃除や片付け、物資の調達などの準備を終えて、旅に出るまでの最終確認をしていました。



『なんでそんな事すんのよー』


「そうしないとワタシが旅に出るまでに食べてしまうでしょう」


『そしたら、また作れば良いじゃない』


「そう思って三回は作り直しましたからねワタシ。魔術は時限式にしてありますから、順番に蓋が開くようになってるので後でゆっくり食べて下さい」


『えー?いーまーたーべーたーいー』


「駄目です」



お菓子の棚とは、ワタシが妖精さん用に作り置きしたお菓子を保存しておく為の棚の事です。

以前に紹介した“食料が腐らない棚”の内の一つを利用しています。


日持ちしないお菓子を大量に作っても駄目にせずに済んだので、大変重宝しました。


まぁ、お菓子を摘み食いされないようにするのは、大変苦労しましたけどね。


妖精さん達は、特殊な素材で出来た物を除いて、殆どの場合は“壁抜け“が出来てしまいますからねぇ。


いくら普通の鍵で施錠しようとも意味なんて無いに等しかったので、いつの間にかお菓子が全て消えている、なんて事はよくありました。



「拡張魔術付き鞄の動作も良し、服に描き込んだ魔術も問題無さそうですね。あと、埃除けに雑草抑制…は、後にならないとわかりませんね」


『おーいキミドリー』


「おや、ミッさん」



名前を呼ばれ窓の方を見てみれば、ミッさんが窓の外から顔を出していました。



『今日旅に出ると聞いたでなぁ、見送りに来てやったわい』


「それはそれは、ありがとうございます。あ、もう外に出るのでもう少し待っていて下さいね」



最後の確認を終えて、鞄を背負い、玄関に向かい、一度だけ後ろを振りかった後、扉に手をかけ、外に出ました。



「!」


『おー出てきおったか』


『待っとったぞー』


「皆さん」



そこで待っていたのは、ミッさん、メェさん、ネムッさんの御三方と、沢山の妖精さん達。


どうやら、待ち伏せをされていたようでした。



『出てくってマジー?』


『流石にちょっと寂しいかも〜』


『あ、てかもうジャム食べれなくね?』


『え、もうちょいここに居なよ』


『ジャムは置いていけし』



最初にワタシの元に飛んで来たのは、風の妖精さん達でした。



「ハハハッ、沢山作ってありますから、まだしばらくは食べられますよ」


『マジで?めっちゃ有能』


『さんきゅう』


『あ、そだキミドリ。ちょっとこっち向いてみ?』


「なんですか?」


『ウチらさ、アンタの事“祝福”するわ』



風の妖精さんがそう言うと、その瞬間、キラキラとした柔らかな風が、ワタシを包むようにフワリと吹きました。


“名付け“の時ともまた違う、魔力を伴った風。


何かを貰ったような、そんな感覚がありました。



「今のは?」


『お祝い的な?』


『キミドリに良い巡りがありますようにー、みたいな?』


『まぁ、あんま気にしないでいーから』


『んじゃ、アンタの噂が流れてくんの、楽しみにしてるわぁ』


『じゃーねー』


「あの」


『じゃあ、次はあたし達なのぉ』



ワタシが詳しく聞く前に、さっさとワタシから離れていく風の妖精さん達と、その後に続くようにこちらへと寄ってきた花の妖精さん達。



『お菓子いっぱい作ってくれてありがとー♪』


『ワガママいっぱい言って、ごめんね?』


『全部、とってもおいしかったよ!』


『あのね、えっとね、キミドリちゃん、元気でね?』


『またね!絶対ね!』


『キミドリちゃんの事、“祝福”するね!』



とたん、ワタシの足元に咲き乱れる小さな花々。


彼女達がワタシを想ってくれている事が、ひしひしと伝わってきました。



「…えぇ、そうですね。またいつか、会いたいですね」


『ね!会いたいね!会おうね!』


『これね、お花の冠ね』


『全部食べれるから、オヤツにしていーよ♪』


「ハハッ、ありがとうございます」



離れていく花の妖精さん達。


その次にやってきたのは、虫の妖精のお二人。



『やぁ噂の君(あらた)め、キミドリ君』


「そう呼ばれるのは久しぶりですね」


『君に名前が付いて以来だからね』


『アタクシ達からもお祝いをさせて貰うわね、キミドリちゃん』


『さぁハニー、キミドリ君に聴かせてあげようじゃないか、ボクらの“祝福”を!』


『そうねダーリン、アタクシ達の“祝福”は歌ってこそよね!』


「前から思ってたんですけど、ロミオスさんとジュリエーヌさんってトンボですよね?」


『虫の妖精はみーんな歌が好きなのさっ!』


『では、お二人の後は(わたくし)からも“祝福“を』


「おや、月の妖精さん」



その後も入れ替わり立ち替わり、様々な妖精さんがワタシに祝福してくださいました。



『じゃあ、最後はワシらかの』



最後にワタシの元にやってきたのは、ノームのお三方。

ミッさん、メェさん、ネムッさんでした。


皆さま、新年明けましておめでとうございます。

今年もマイペースに更新していきますので、今後ともよろしくお願いします。



※1月5日追記

諸事情により、8日と15日はお休みさせていただきます。

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