第二昼 みつば死す(?)
「なあ、今日1時間目なに?」
おれが誰にというわけでもなく聞くと、
「体育だよ」
一輝が答える。
「体育かぁ。千よかったな」
「おう!俺は体育大好きだからな!」
「私も体育好きー!」
奈々がはいはーいと手を挙げながら言う。
「体育…体育…?死ぬ。これは間違いなく死ぬ。ぼく今日全然寝てないんだけど。それで1時間目が体育?何?今日ぼく暗殺でもされんの?怖」
三ツ葉が1人、机に突っ伏しながらブツブツ言っている。
「三ツ葉…今日なんか変だな」
おれが言うと、千が言う。
「なんつーか…元気がねぇ?のか?」
千に奈々が答える。
「寝不足だからじゃない?」
奈々の考えに、一輝が同意する。
「多分そうだね……」
「死にたいならわたしが殺してあげるけど?」
「三ツ葉は死にたがってないよ」
(サイコだ……)
おれは心の中でため息をついた。
「2時間目は?」
またしてもおれが聞く。
「算数のテストだよ」
すると、またしても一輝が答える。
「「「「うーっわ」」」」
千、奈々、(いつの間にか復活した)三ツ葉、おれが、一斉に声を上げる。
「え、そんなに嫌だ?」
「「「「嫌に決まってんじゃん!」」」」
「だってテストだよ?体育の後のテスト!しかも算数!もしかしてぼくを暗殺しようとしてるのは先生達?怖。ぼく何かしたかな?何もしてないけど。ていうかぼく今日全然寝てないよ?死ぬ死ぬ」
「やっぱり今日の三ツ葉なーんか変だよなぁ」
「『死ぬ』とかばっかり言ってるもんね。そんなに死にたいならわたしが殺してあげるのに」
「だから死にたいわけじゃないって言ってんでしょ奈々」
ガラッと教室のドアが開いて、担任の先生である潮ノ見静希が入ってきた。
「あ、せんせーおはよーございまっす!」
奈々が言うと、潮ノ見先生が答える。
「ん、おはよう」
「先生がぼくを殺そうと……」
「三ツ葉、それ絶対違うから」
先生が教卓の後ろに立ち、みんなに声をかける。
「はい!みんなおはようございます!1時間目は体育だから、朝礼後に体操服に着替えるように!」
そして朝礼が終わり、着替えて体育が始まった。
「なぁんで今日に限って持久走なのぉ〜!」
「しょうがないよ、三ツ葉。頑張ろ」
「しょうがなくないよぉ!この前、次の授業は鉄棒だって言ってたもん〜!」
「え、そうだったっけ?」
「そーだよ!センセーの嘘つきぃ〜!」
「…頑張れ。おれ先行ってるかんな」
「うわあぁ、待って置いてかないでよ晴流ぅ〜!」
「テスト始め!」
先生の声に合わせて、教室中にカリカリという鉛筆が机にぶつかる音が響く。
「テスト終了!」
「うあ〜、あんま自信ないなぁ〜」
「わたし結構出来たよ〜」
「え、まじで!?」
「うん」
「あ、三ツ葉…死んでる…」
「いや死んでないけど!?」
「あ、死んでなかった」
「ひどぉ!」
「ごめんごめん」
テスト返却後ー
奈々 「ねーねーみんなテスト何点だった〜?」
一輝 「俺は100点」
晴流 「おれは…65…」
三ツ葉 「ぼく45…」
千 「俺80点」
一輝 「晴流、三ツ葉、頑張れ…」
晴流・三ツ葉 「奈々はどーだったんだよ!」
奈々 「98点だけど?」
晴流・三ツ葉・千「「「ガーン!」」」
晴流・三ツ葉・千(((サイコ野郎にっ…!)))