第一昼 親友達
「いってきまーす!」
「あら、もう行くの?いってらっしゃい」
おれは、早く三ツ葉に話が聞きたくて、いつもより30分も早く家を出て、学校まで走っていった。
「おっはよーーー!って誰もいない……」
おれが1番に教室に着いた。
1時間目の準備をしてたら、百崎 千が来た。
「あれ?晴流、今日来るの早いねー?おはよ」
「今日はちょっとね、早く起きちゃってー」
「へー。あ、そーいえばさ、プレゼントなんだった?」
「おれねー、アベヒー3だったー!」
言いながら、ピースサインをする。
「おー!よかったじゃん!」
「千は?」
「俺?俺はー、ピコピコハンマー!」
「え」
それ、ドヤ顔で言う?普通。てゆーかそれ欲しかったの?ピコピコハンマー欲しかったの?
「う、嬉しい…?」
「嬉しい!めっちゃ!」
「マジかよ」
「え、晴流ピコピコハンマー嬉しくないの?」
「嬉しくないよ普通!逆になんで嬉しいの!?」
「兄ちゃんを!」
「兄ちゃんを?」
「ぶっ叩ける!」
「兄ちゃんをぶっ叩くの!?ピコピコハンマーで!?あんま痛くなさそう……」
「痛くすると母ちゃんに素手でぶっ叩かれるからな!」
「千の母ちゃん素手でぶっ叩くのかよ」
「往復ビンタだぜ!」
「自慢するとこじゃねえよ!」
そんなやりとりをしていると、みんながきた。
「おい千〜、晴流〜、朝からうるさいぞ〜!」
「ふふっ、会話のっ、内容っ、ふっ、やばっ、いっ」
「なんの話してたら『往復ビンタ』って単語が出てくるんだよ。奈々、笑いすぎっ、ちょ、うつった、笑いがっ、うつったっ、ふっ」
「ふっ、だっ、ふふっ、て、おもしっ、んふっ、ろいんだっ、もんっ、あははっ!」
さっきからめちゃくちゃ笑ってんのは、波河 奈々。
顔は可愛い。性格はサイコパス気味。たまに本気のサイコ野郎になる。とにかくヤバい人間。
サイコのところとかがちょっと怖くて、女子の友達はいない。ほんのちょっと、ほぉーんのちょっとだけ可哀想だと思う。
あんまり関わりたくないけど、めっちゃ絡んでくる。あっちから来られたらもう何もできない。
おれは、喋れる犬だと思って接している。そう思わないとおれの精神が死ぬ。
奈々の笑いがうつったのは、猪江 一輝。
絶対的ツッコミ担当。イケメン。頭めっちゃいい。走るの速い。これぞ文武両道。ハイスペック。
低学年から高学年、男女問わずヤバい人気。
おれは人間の姿をしている神様だと思って接している。そう思わないとおれの精神が死ぬ。
千の説明もしておこう。
百崎 千。
体力馬鹿。『漢なら泣くんじゃねえ!』とかしょっちゅう言ってる人間。イケメン。
行動がウザイ。視界をチラつくたびに何故かイラッとする。
おれは『漢』の精霊だと思っている。そう思わないとおれの精神が死ぬ。
まとめ
波川 奈々と猪江 一輝と百崎 千はヤバい。おれの精神が死ぬ可能性がある。
全員親友。奈々は自分から親友宣言してきた。
そんなこんなで三ツ葉が来た。
「おはよ…」
三ツ葉があくびをしながら、眠そうに教室に入ってくる。
「三ツ葉おはよー」
おれが言うと、三ツ葉に気づいた奈々、一輝、千が言った。
「おっはっよー!」
「おはよう」
「お!は!よ!う!」
「千、変な『おはよう』だねえ」
三ツ葉が目に手を当てながら言った。
「三ツ葉、なんか眠そうだな!」
千が言うと、奈々が答える。
「たーしかにー」
「奈々も変な『たしかに』だね」
「昨日眠れなかったの?」
一輝が聞く。
「うん、ちょっとねえ、色々あって」
「おれと逆だな。おれは今日めっちゃはやく起きたから」
「え、珍しい。この4人の中じゃいっつも3番目か4番目の晴流が?明日は雪降るんじゃない?」
「三ツ葉お前、ひっでえ!」
「あはは、ごめんって〜」
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