伝説の生き物だって恋はしたい。
*こちらは『なろうラジオ大賞2』参加作品です
私の名前はジャック
ジャック・オ・ランタン。
死んで天国にも地獄にも行けない伝説の妖怪だ。
そして、その暇を持て余し現在は小説家をしている。
だが、最近困った事に書くネタが無い。
というわけで、友人であるワイルドハントのギースを(強制的に)引き連れてジパングに旅行に行く事にした。
「俺の迷惑を考えねぇのか」
「しらんぺったんごーりら」
さて、美しいジパングをあちこち観光していたら山奥でとんでもねぇー美女に出会った。
彼女はお紺という化け狐。お淑やかで少し抜けてる可愛らしい子だ。
「いーなぁ、あの子嫁に欲しい」
「お前女だろ」
「良いじゃん、好きに性別は関係ないよ」
「だとしても、駄目だ」
「え」
「あれは俺の嫁にする」
「え?!」
ギース即落ちである。
マジかギース…ちょっとショック…?なんでショックなんだろ?
そんなわけでギースの全力アタックが始まる。
が、
「出来ません」
「なんでだ」
「私、もうすぐ結婚するんです」
「「なんだって」」
彼女は竹蔵という男に嫁入りする事が決まっていた。
「それなら仕方ねぇな」
「いいの?」
「あぁ」
「でも相手見てみたくない?」
「お前、なんでそんな乗り気?」
「いや、私あんたのこと大好きだから、不完燃焼で後悔してほしくない。」
「…」
村に行ってみる事に。
すると、実はその祝言は嘘でお紺を捕まえ、雨乞いのために龍神の生贄にしようとしてることが発覚。
どうにかお紺を助けてやって欲しいと寧ろ竹蔵に頼まれた2人。
「は?誰も幸せになれない結婚?処す。」
「やけにキレてんな」
「だって、こんなの竹蔵もお紺ちゃんも、ギースも、幸せなれないもん」
「…」
ブチギレな私は全力でその結婚を滅茶苦茶にする事に。結果、村を滅亡させた私は竹蔵とお紺の為に祝言をあげた。
次に書く小説のネタは恋愛ものにしよう。
幸せそうな2人を見ながらそういえばネタ探しの旅だったなこれと思い出す。
「そういえば、良かったのギース?」
「なにが?」
「あの2人結婚したから失恋確定だけど」
「いいんだよ、好いた女が笑顔なら」
「ふーん」
「それに、俺にはお前がいるし」
「ん?なんで私?」
「…おまえ、ほんと、そういうところな?」
ちなみにこの数ヶ月後。
新婚旅行と評して4人でハワイに行くがそこでナイトマーチャーズの王に私が求婚され、ギースがブチギレるのまだ知らない。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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