異世界召喚されたけど、テンプレと違うぅ…
オッス、オラ平凡人。
どこにでもいる、なろう小説とかが大好きな、ちょっと陰キャな男子高校生だ。
取り立てて変わった事が無い、ある日、学校の帰り道で、足元に白く輝く魔法陣が出現。
よっしゃテンプレキタワァとwktkしたのは、仕方がないと言えるだろう。
一瞬だけ、全力で逃げても面白いかと思ったけれど、こんなチャンス二度とは無いかもしれないので、情況に流されてみた。
そしたら、お約束の白い空間に到着。
麗しい女神様がチートをくれるに違いない、と周囲をキョロキョロ。
…人間って、見たくない物や、信じたくない物は見えないってホントだね。
暫く現実逃避したあと、目の前にある筋肉を受け入れるしかなかった。
いや、芸術的なキレっキレの筋肉だと思うし、めっちゃ彫りの深いローマ彫刻のような超美形だってのも判る。
でもさ、やっぱり男神より女神が見たいと思うのは、健全な男子として、しょうがないと思わないか?
ローマ彫刻の様な男神は、まるで珍獣でも前にしたかのような、生ぬるい笑みを浮かべて俺を見ていたが、ようやく俺が現実を認識したところで、声を掛けてきた。
「オッス、オマエ勇者召喚されたみたいだな。最近多いんだけど、どうせこっちも人間余ってるし、良いかなって。じゃあなっ」
俺の足元に、再び魔法陣が輝く。
イイ笑顔でお見送り。
「あれっ、チートは?」
即座にツッコむ。チート大事!
魔法陣の形に床が消え、俺は底が見えない暗い穴に、スッポーンと落ちる。
「上位世界から下位世界への墜落召還だからな、向こうで勝手に生える。安心しろ」
男神の声が、遠ざかりながら聞こえた。
「選べないって、ユニークスキル系かー!?」
俺は、ひゅるりらー、と落ちて、落ちて、落ちて、どすん、と魔法陣と同じ形の召還円の上に到着した。
周囲には、大神官っぽい老人と、神官っぽいオッサンと神官っぽいオッサンとその他多数。
ないわー、美少女姫とか用意しとけっての。
大神官っぽい老人は、威厳たっぷりの声で言った。
「勇者よ、世界を救ってほしい」
せめて、美少女姫の一人でも居れば、リップサービスの一つもしたけれど、まずはジャブを一発投げてみよう。
「だが、断る。誘拐犯には協力できねぇぜ」
意に沿わない勇者召喚されたら言ってみたいセリフの俺内堂々1位を言ってみた。
ここからの条件闘争とか、情報収集とか、まあテンプレだよね。
すると、大神官っぽい老人は、表情を変えず、威厳たっぷりの声で言った。
「残念だ、送還」
びよよよーん
と逆バンジーのように引っ張られて、再び白い空間へ逆戻りする俺。
白い謎空間で一旦停止。
男神は
「あれ、断ったのか。異世界召喚より、俺の世界、現世で死ぬことを選ぶとは、感心感心」
とニッコニコ笑顔で俺を迎えた。
「え?」
あまりの急展開に、マヌケな声が漏れる。
「今回の勇者召喚は、避けられぬ死の運命に囚われ、失われてもこの世界に害のない魂限定の召喚でな。しかも拒否されたら、帰りの術式も完備と言う極めて良心的な召喚だったんだけど…何が不満だったんだい?」
男神は、少しだけ不思議そうに俺を見た。
「え?」
何か、聞き逃せない事を言われた気がする。
「ああ、お約束ね。分かった、分かった」
男神はキラッキラのイイ笑顔で微笑んだ。
ひゅるりらー、と白い空間から再び離れ、現世、地上へと戻っていく。
そして、魔法陣の出現した下校路に到着…と同時に、腐った玉ねぎのようなプロパンの臭いと、爆風、少し遅れて爆発音。
どうやら、ガス爆発に巻き込まれたらしい。
「テ、テンプレと違うぅ…」
こうして、俺の人生は終わった。
主人公は平家の血筋で偽乳を憎む、おっぱい星人です。
日本人形の様な一歳下の美少女妹が居るのですが、平の呪いによって、胸が絶壁なので、妹(極厚パッド3枚装備)と不仲という設定がありますが、特に意味はありません。
余談ではありますが、全力で魔法陣から逃げた場合、運命が変わって重体だけど一命を取り留め、頭を強く打った拍子に性癖が変わっておっぱい星人を止め、妹と和解する世界線が微レ存。(誰得)
超余談。筋肉男神は、心の表層イメージを読むことができます。主人公が戻って来たあと、即座にイイ笑顔でリリースしたのは、主人公がアホだったので秒で興味を失った為です。この男神、興味の無い相手には、百パーセントの作り笑顔で対応する性格なので。