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『タブーゲーム』(2)
このゲームにおいてコミュニケーションを取るということは『タブー』を破るリスクが上がるということ、つまりコミュニケーションは自分の首を絞めると同時に相手に『タブー』を破らせるチャンスを得られるということ。
「とりあえず、僕から。僕は藤原亮太。23歳の大学生です。還元祭に参加してお小遣いでも稼ぎたと思って参加しました。まさかこんな大きな額とは思いませんでしたが」
今やることはこいつら全員の不安を煽ること。人間は不安になると冷静な判断能力を失う。さらに俺がその不安状態にあることを相手に知らせることで相手の不安をおもてに出させることができる。
俺に続いて11人が次々に自己紹介を始めた。自己紹介の合間合間に借金の可能性があることを教えることで全員の不安を煽った。
その後俺たちはゲーム開始まで解散することとなり、部屋に入った。部屋はこの広間を囲むように12個設置されており、特に部屋の指定はなかったため俺は一番近い部屋へと入った。