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どうやら娘(愛人)はモテるらしい

「ねえ、パパ。最近の私はモテモテなのよ。」


 彼女の瑞々しい肉体を貪った後に、私の養女(愛人)からいつものように自慢話を聞かされた。


「シレネは可愛いからね。それは当然のことじゃないか。」


 三十代後半に差し掛かったアラフォーの私は彼女のことを誰よりも愛している。ちなみに、私の戸籍上の妻は若い男と駆け落ちしたので、今どこにいるのかすら分からない。


 駆け落ちされた当初は戸籍上の妻と一発くらいはやっておけばよかったと思ったが、今となってはどうでもよいことだ。


「でも、婚約者のいる男性ばかりが私に声をかけてくるの。」


 私の娘は金髪碧眼の聖女のような美少女だ。人気があっても全然不思議ではない。


「ふーん。人妻の色気にやられたのかな?」

 

 私は彼女のたわわな双丘に手を伸ばした。モチモチの素晴らしい感触は何度揉んでも飽きない。


「ねえ、パパ!私は本当に困ってるの!」


 彼女が私の手を払いのけた。これは怒っているサインだ。


「随分と気が立っているじゃないか。パパはお前が金持ちの貴族の家に嫁ぐのなら反対しないよ。相手は誰だい?」


 無論、嫁ぐ前に私の子を孕ませてやるけどね。


「それがこの国の第一王子を筆頭に王族や大貴族の子息が私に求婚してきているの!」


 え、マジで!やば!俺の嫁、じゃなかった娘がそんなやんごとなき身分の方々にそこまでモテるだなんて。嬉しさ半分、戸惑い半分といったところだろうか。


「あらま、大変だ。パパはしばらくの間は国外に旅行に行くから処女検査をもし受けることになってもオナニーでやっちゃったと誤魔化してね。」


 これは大変だ。王族や大貴族は処女厨の集まりだからな。娘よ、お前はもう詰んだな。パパはお前がここまで調子に乗るとは思わなかったよ。


「てめえ、私が筆下ろしさせてやった恩を仇で返すのかよ!私の処女を返せ!」


「お金をその代わりにたんまり渡したじゃん!ほら、お前の家族も喜んでいたし、ウィンウィンの関係だったじゃん!」


 というか、処女云々はどうにもならないし、現状においてかなり些細な問題だ。それよりもさらに重要なことがある。


「ふざけるのはこの位にして、私たちの子供はどうするの?」


 そう、俺は彼女との間に子供を一人作ってしまった。1歳の男の子で、名前はグレイ。とても可愛らしくて見ていて癒される天使のような子供だ。どれくらい可愛いかと言うとそれまで私のことを可愛いと言っていた娘が私のことをぞんざいに扱うくらい、子供の可愛さのレベルはずば抜けている。


 本来なら、グレイは娘の子供なので戸籍上は私の孫ということになるが、そうなると色々と不都合なので、私の養子にしてある。つまり、シレネとグレイは戸籍上は姉弟だ。ややこしい。


「私はこの家から離れたくない。」


 シレネは目を伏せて悲しそうにしていた。


「そうか、それほどまでに私のことを……」


 娘から右ストレートが私の顔に飛んできた。反抗期かな?もしくはツンデレ?


「てめえがの垂れ死のうと知ったことじゃねえ。息子のグレイに会えなくなるのが嫌なんだよ。」


 ふん、そのくらい分かってるよ。でも、私と離れたくないと冗談でも言って欲しかったね。


「そんなに嫌なら、なんでそんな貴族のお坊っちゃまにお前は見初められたんだ?話さなきゃ良かったじゃないか。無視しろよ。」


 私がシレネを貴族の学校に通わせているのも彼女に教養を身につけてもらって私の領地運営に協力させるためだ。経理や法律について学んでくれたらとても助かるから学校に行かせていたのであって、男を引っかけることは予定にはない。


「知らん!毎回、向こうから話しかけてきて、私は適当に相づちを打っているだけだ!それに、私の立場じゃ無視なんてできるか!」


「悪い。」


「なんだったら私がお前に手籠めにされているとでも言った方が良かったか?」


 いや、それはまずいでしょ。


「それはお互いにとって良くないと思う。」


 子爵家でおっさんの私が大貴族のお坊ちゃまたちが懸想する女性の貞操を奪ったと知られたら貴族社会の中で爪弾きにされるのは目に見えている。さらには、シレネは悪女扱いされることになり、どんな目に遭わされるか分かったものではない。下手すると二人ともギロチンだ。ヤバい。想像したら血の気が引いたわ。


「話を戻すけど、私は困っているの。助けて、マーク。」


 大事な話をするときには彼女は私を本名で呼ぶ。そのしおらしい態度に何度、絆されたことか。


「自分で何とかして。もし結婚することになったら結婚前夜にお前のことを孕ますからよろしく。」


 シレネが私の腹の肉をつねってきたが、こんなことをされても私の意思は変わらない。強い者には媚びて、弱いやつには強く出る。所詮は雑魚狩りに過ぎないのだよ、私は。


「まあ、貴方の言う通りね。忘れて頂戴。」


 シレネがあからさまに落ち込んでしまい、今晩は二回戦がなかった。私は先ほど彼女を突き放したが、頭の中ではどうしようかと非常に悩んでいた。


 悩むこと一分。私は結論を出した。


(学校で働こう。)


 幸いなことに、私は教員免許を持っているし、歴史の先生になることもできる。もし駄目なら用務員になろう。こんな中途半端な時期に教員を採用するとは思えないが、幸運なことにあの学校の校長は私の大叔父だから、縁故採用をしてもらえばよい。学生時代は目の上のたんこぶだった大叔父がここまで役に立つ日が来るとは思わなかった。


(あれ、考えれば考えるほどナイスアイディアじゃん!)


 領地の仕事は執事や部下に押し付ければ良いのだ。私は学校で教員をやりつつ、女子生徒と禁断の関係になる。


 休日にしかシレネと寝れなくてずっと欲求不満だったが、私が教師になれば万事解決だ。


 放課後の教室でシレネとパコパコするのが楽しみだぜ。







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