夏があつい理由
雨がいーっぱいのつゆが明けて、あついあつい夏がやってきました。
「あーーーーーーーっ!!」
「まーた、やってる。あぶないって…」
ランニングシャツをきたひよりくんは、せんぷうきの前にじんどって声を出してあそんでます。
「だって、あついんだもん。」
外では、たくさんのセミが、元気いっぱいにないています。
とおくに見える真っ白なにゅうどうぐも。夏休みに入って、まだいちども雨がふりません。
「ねぇ、マーマー。雨、いつふるのー?」
と聞いてもママは、わらうばかり。あれだけ、雨がいや!いや!と言っては、ママやパパをこまらせてたひよりくん。
「まだ、ふらないみたいねー。」
ママは、お空を見ながらこたえてくれた。
「あついから、スイカたべよっか!」
ママといっしょにつめたくなったスイカをわって、おにわにたねをとばしながら、お空をちらちらながめてた。
「おなか、いっぱーい。」
ひよりくんは、ふくをめくっておなかを出しました。
「スイカみたいねー。」
ぽっこりと出たおなか。ママの手が、ちょっぴりくすぐったかったひよりくん。
「ママ、おかいもの行ってくるけど…」
「あついから、行かなーい。」
タオルケットにくるまりながら、こたえたひよりくんは、いつしかねむってしまいました。
「あっ!ここ、しってる!」
それは、前にゆめでみたかみなりさまのおうちでした。
『ふふ…。ねっ、どう?』
『うん。すごく元気にうごいてるよ。』
「あれー?前にみたのは、おこられてるとこだったのにな。」
すがたが見えないのをいいことに、ひよりくんは、もっとちかづいて行きました。
すると、どうでしょう…
前に見たかみなりさまのおくさんのおなかが、ちょっとまーるくなってました。
「スイカまるまるいっこ食べたのかなー?ぼくとおんなじ。」
ちょっとうれしくなったひよりくん。
「ママのおばちゃんもそうだ。」
『どっちかなー?パパは、どっちがいい?』
『どっちでも…』
「パパ?ママ?あかちゃんは、どこ?いないよ?」
おへやのアチコチを見て回ったけど、あかちゃんはどこにもいませんでした。
「デパートでかってくるのかな?」
ふたりは、ほんとうに楽しそうにわらって、おなかをさすってました。
「いいよね?見えないし…。ちょっとだけ…」
かみなりさまのおくさんのぽっこりと出たおなかにそっと手を当てたひよりくん。
「あったかーい。」
やさしくなでなですると、おなかがグルンとうごいて、手をひっこめたひよりくん。
「だいじょーぶ。こわくないもん。」
そう言って、またさわりはじめて、中に入ってるのが、赤ちゃんだとわかった。
「元気だねー。男の子?」
ひよりくんが、そう聞くと、グルンて動きました。
「女の子?」
そう聞いても、グルンて動きました。
「あれー?二人いるのかな?」
また、グルングルンて動きました。
「良かったねー。二人だって、おばさん!」
ひよりくんは、ニコニコして言いました。
「こんどは、どんなゆめを見てるのかしら?」
かいものからかえってきたママが、ひよりくんのかみをやさしくなでると、目をさましました。
「夏があついのは、きっとかみなりさまとおくさんが、なかよしなんだよね。」
「そうね。」
ママにだっこされて、まどから外をながめると、ぽつりぽつりと雨がふってきました。