第9話 お散歩。
たまには、外に出ないとですね。
ぶっ倒れた翌日。
少しの倦怠感からだらだらと立ち上がろうと辺りを見回すとママンと目があう。
バレてませんよね〜。
私の不安を他所に椅子から立ち上がったママンが私に近づいきて「おはよう。よく眠ってたわね。もうお昼よ」と笑顔をくれ胸に抱きかかえてくれる。
バレてないバレてない。
私は安心しながら倦怠感と戦う。
「今日はお外に行きましょうね〜」っとママンは言うと私を抱き抱えたまま階段を降りていく。
初めて自分の部屋以外の世界に胸が高鳴る。
階段を降りた先には、洋式的なイメージの家具が広がる。
机、椅子、キッチン、時計、カレンダー的な物。
キョロキョロ辺りを見回していると奥にあるベビーカーに乗せられた。
ママンは、「おでかけよ。」と私に微笑みかける。
私はきゃっきゃっと喜びをあらわす。
普通に嬉しい。
家を出て最初に飛び込んできたのは中世時代の建物を思わせる住宅街であった。
住宅街の細道を抜けると、大通りに出る。
光が眩しい。
住宅街は、日陰が多かったのに対して大通りにはよく日が当たる。
露天が所狭しと並び、売り買いする人たちの声で賑わっている。
ベビーカーを押しながらママンはとある果物屋に立ち止まる。
「安いよー安いよー」と私達と反対方向に叫んでいたおじさんと目が合うと「いらっしゃいませ、何をお求めで。」
と話しかけてきた。
ママンは「アレとアレを1つずつ」と言い指を指し。お金を出すと。
「毎度あり、お譲ちゃんには、サービスだ」といって大きな桃を渡された。
ママンは「ありがとう」といい私は「あーと」と言ってその店をあとにする。
次に向かったのは十字架を飾ってある建物で前世の記憶から協会の建物が連想される。
近くの庭には、お墓らしきものがひっそりと佇んでいる。
当たりのようだ。
ママンは「おじちゃんおばちゃんに挨拶するわよ〜」と言ってお墓の前に来るとしゃがみ胸の前で十字を切る仕草をし手を合わせる。
私も真似をし、わちゃわちゃさせる。
終わると先程買った果物をだしてお供えする。
帰り際、前方から同じようにベビーカーを押している人がいる。
近づくにつれて姿がはっきりしてくる。
髪は腰までのロングで緑。
耳は尖っている。
そして美人だ!とても若く見える。
うん!間違いなくエルフだ!初エルフ!!
ママンは声をかける。
「こんにちはその子も2歳になるの?」
エルフママ「ええそうですよ〜」
ママ話が始まり放置される娘二人。
エルフの子を見る。
ちっちゃい。
髪は緑。
耳もちょこっと尖ってる。
目はジト目、瞳の色はエメラルドグリーン。
可愛いです。家に持って帰りたい!
と思うもエルフの子は顔を背けてしまう。
そうこうしているうちにママン達の話しが終わりママン達は「「ではまた」」
と言って家に帰る運びとなりました。
エルフちゃんカームバーーっク!!!
ちびエルフ絶対可愛いです。
零れ話
エルフちび視点。
小さくて可愛い子がこっちを見て凝視してるよー。
照れるよ。
ぷいっ