第6話 1歳になりました。
1歳になりました。
異世界の言葉をある程度理解できるようになり、少しだけしゃべるようになってきた。
今しゃべれるのは「マー」とか「アー」とかアレ?たいして進歩がない。
でも、ま、前世で赤点だらけだったテストの事を思い出すと異世界の言語を1年足らずで理解できるのはすごいのではないか。いやもしかして自分は天才なのではないかとか、この赤ちゃんの脳が前世の私より賢いだけなんじゃ~とかアホなことを考えなら最近できるようになったハイハイで部屋を歩きまわる。
その様子を椅子に座って微笑んでる美女もとい今世のママンがいた。
目があうと手を広げ「おいで~」というのでハイハイよろしくママンの胸めがけ突撃する。
自分が思っているよりもスピードが出ていないので簡単に抱きかかえられた。
捕獲された私はママンに抱っこされゆらゆら左右にリズミカルに振られる。
すごく安心するトクトクと鳴るママンの心臓音も睡眠欲を刺激する。
意識が途切れとぎれになりそうになる私。
ママンは私が眠りそうなを察知し、そっと寝具に寝かせ、私に「おやすみなさいトワ」といってママンは部屋を後にする。
数十分後目覚めた私は、あたりを見回す。
誰もいない。
私は寝具からの脱出を試みる。
自分より高い柵に阻まれている私。
ここは牢獄か!とかまたバカな思考にいたり寝具の柵に手かけた私は(ここから出してくれ~)と囚人遊びをする。
何度かそんなことをしたせいかぽこっと音がしたと思うと掴んでいた柵が外側に倒れていった。
うわ~っと汗が吹き出る。
なんてこったい。
やったものは仕方がない直すこともできないしとりあえず寝具からの脱出を試みる。
少し高さがあるので頭から落ちないように足の方からズルズルと降りていく。
ズルっ「あ」足が着くまでもう少しと言うところで手で掴んでいた手がほどけてしまう。
その勢いのまま尻餅をつき後ろに転がり後頭部を打ってしまう。
(痛いッ)目を潤ませながら思考する。
ここで泣いたらママンが来てしまうと思いぐっとこらえる。
徐々に痛みが引いてく中、私はあたりを見回す。
あ、扉が空いている。
新しい世界への探求心が『さぁいくのだ』と頭のなかで囁いている。
テイテイテイと扉の外へとハイハイを遂行する。
扉からでて廊下に出ると目があった。
「あ、トワ駄目じゃないか」
とアベルもといお兄ちゃんに捕まる。
私は兄に抱えられながら自室にドナドナされるのであった。
これが後に語れる「トワライト大脱出事件」である。
そんなものは存在しない。
冗談はさておき連行された私は今絵本を読んでもらっている。
読んでいるのはもちろんアベルだ。
私を自室に連行した後本棚から数本絵本を出してくれたのだ。
それを見て私は嬉しくなって目を輝かせながら「アベりゅ」と呟いた。
アベルは驚いたのか呆然としいるがその顔が徐々に喜色満面になっていく。
私は持ち上げられ抱きしめられる。
「トワ可愛いな」と言われるがまま私は抱きしめられる。
力が強く苦しくて、私は「アー」と鳴いて抗議するのだった。
シスコン