第32話 壁のち意識の彼方
とりあえず王子は置いときます〜
前前回から
壁に手を当てたトワは機械音と共に意識を失い目を覚した時には〜です。
パチパチ。
目を開けると何だか見知った場所だった。
(靄がかかったこの感じ覚えがある。)
コツコツと音が鳴る道を歩いて行くと辺が晴れていく。
「ふふ。こんにちわ。久しぶりね。」
着いた先には机と椅子そして美人。
机の上にはティーセットが並んでいる。
「えーっとどなたでしたっけ。」
「ほら私よ私!!」
「私私詐欺の人ですね!私騙されませんよ!!」
「なんでそうなるのよ。」
「やだな冗談ですよ〜。」
目と目が合う沈黙。気まずい。。。
「いやほんと美人さんですよね〜。」
取り敢えずよいしょを決め込むトワ。
「そうね私は女神だもの美しいに決まってるじゃない。」
うん。ありがとうございます。あ、なんとか様だよね。うん。
女神様だってちゃんと分かってたかって?だって前見た時はめちゃめちゃでかかったんだよ!
今の女神様大人ぐらいの大きさだし分かんないよ!
名前ちゃんと覚えてるかって?
そんなのでてくるわけないじゃん何年前だと思ってるの?
「そうですよね。め‥女神‥様ですもんね!ね!」
「なんでそんなにたどたどしいのよ。」
慌てながらトワは返しその言葉、身振り、不振ぶりに呆れ気味のジト目で見てくる女神様。
そして目と目が合い沈黙。。。
「ま、いいわ。それでどうかしら異世界生活は?」
「あ、おかげ様でなんとかやってますよ。」
「そうよね〜ここにいるって事はまぁそれなりに魔力があるってことだしね。それで何か不便の事とかないかしら?」
「…特にはないかなー。あ、でも……なぁ。」
顎に指を当てながら悩む。
「そんなに悩まれると気になるわね。」
「えっとその…。」
「何よはっきり言いなさいよ。」
「えーそれでは、ゴホンッ、プ、プリンが食べたいです!」
またしても呆きれる女神様。
「何よここにきて何かと思ったら食い気なわけ〜ちょっと女神様馬鹿にしてないかしら。」
なにやら怒っていらっしゃる、てか自分に様づけしちゃうだね女神様。
「だって前いた時プリン買った帰り道だったし、女神様だって好物取り上げられたら辛いでしょ。」
「どうかしらね…。でもそうね。ちょっと後ろ向いて頂戴。」
少し考えてから胸の前にパンッと手を叩いて「いい事思いついた」っといったような顔でニヤリと笑う女神様。
嫌な予感が漂う中ちょいちょいと後ろに向かされるトワ。
「ちょっと何するんですか!!」
「いいから〜いいから〜」
「嫌な予感しかしないんですけど。」
女神様が何もない所から本を取り出すと。
「やっぱりこうゆうの無いと不便よね〜。」
パラパラと本をめくりそう呟くとウンウンと頷いている。
(怖いんですけど。すごく怖いんですけど!)
心の中で思っていると女神様が持っている分厚い本を掲げる。
テイッ。
そのままトワの後頭部目掛けて本を振り下ろした。
ボコッ。
ヒッ。
頭から踵にかけるまでビリっと痛みが走り涙がでそうになる。
「痛ッーい!!ちょ何するんですか!!殺す気ですか!!」
「大袈裟ねぇ〜冒険するには良いものプレゼントしたわよ。」
「私冒険するなんて一言もいってないんですけど!」
「でもプリン食べたいんでしょ。」
「えっプリン?異世界にもプリンあるんですか!!」
「…。」
「なんで無言なんですか!」
「答は自分で見つけなきゃおもしろくないでしょ。そろそろ帰る時間だわ。」
「なんか上手くあしらわれてる気がする。」
「あと戻ったらどこでもドアじゃなかった。オープンボックスとかアイテムボックスとか古の異次元ゲートとか三次元ポケットとかetc叫んでみてよ。」
「全部似たようなワードですけどちょっと中二病臭いですね女神様。」
「うっさいわね!とっとと帰りなさい。」
いつの間にか女神様が神々《こうごう》しい杖を手に持ち地面に叩きつける。
すると私の回りが輝きだし魔術の文字とは異なる文字が浮かびだし幾重にも重なり浮かびあがり私の意識は再びプツリと途切れた。
暗い話にしようとおもったけどやめました(笑)
ト
女神様ひどいです。
女
なにがよ。
ト
たんこぶできちゃったじゃないですか!
女
いたいの痛いの飛んでけ〜。
ト
そんなんで治るわけないじゃないですか!
女
触ってみてよ。
ト
痛くないッ?!
女
そうでしょ。女神様ですからね。
ト
南無南無〜。
女
私は仏様じゃないんだけどなぁ〜。