第26話 アベルの夏休み③
トワ視点振り返り編!!
お兄ちゃんが帰ってきて川に遊びに行って、すってん転ぶミレーユちゃんを救おうとして私はミレーユちゃんと盛大に川に突っ込んだ。
びしょ濡れになりながら怪我がないか確認してるとアベルがやれやれと言うような感じでタオルを持ってきてくれていた。
ミレーユちゃんは、私に抱きつきながら半べそをかいている!!美少女が泣いている!!これは一大事とアベルが持っているタオルを受け取ると私は素早くミレーユちゃんを拭きたくった。
(うん。怪我はない。うむむ。髪がぬれておるな。)
なんとなく古い口調が頭によぎる。
(あ、そいえば前世で読んだ小説で魔法でドライヤー変わり作ってたなぁ〜)
頭の中でポンッと手を打つとミレーユちゃんを椅子代わりの川辺の岩に座らせると出力の低い火と風をイメージする。
(うん!いけそう。)
「温かい 風を此処に 暖風」
風が出てきた瞬間ビクッとするミレーユちゃんはすぐにその暖かな風に心地よくなったのか泣き止んでくれた。
魔法を操作していない手ではミレーユちゃんの髪を梳かす。
(女の子は綺麗にしとかんとねぇ〜やばっ!なんね!この柔かでスベスベの髪質は!)
つい九州っぽい方言を挟んでしまった!前世、別に九州出身ってわけでもないのに!
変な事を考えてる間にミレーユちゃんの髪をあらかた乾かし終わると私の身体を拭き終わったアベルと目が合う。
自分にこの魔法を使うには、某アニメのゴ◯人間みたいにならないと無理だ!とするとそこは!
いい感じの岩に腰掛けるとアベルに視線を送る。
(アベルさん分かってるよね!アンタ適正あるの知ってんだからね!ちゃちゃっとやっちゃってよね!学校行ってんだからこれくらいできるでしょ)
トワは、気づかない新たに作る魔法が如何に難しく初級魔法を2つ組み合わせる二重詠唱が中級上位の魔法でありさらに難易度を上げていた事に。
トワに待っていたの雑に振り解かれ乱雑にタオルでごしごしされる未来だった。
「「なんでやねん!」」
※関西人と、言う訳でもありません。
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そして、私が不機嫌になって3日目それは現れたリアルゾンビ!
顔には擦り傷があり血色が酷く悪い。
服は砂ぼこりで汚れ所々破れていた。
「ト、ワ」
ゾンビ(アベル)が名前を呼びながらズリズリと近寄ってくる。
余りの驚きで走る事もできず1歩近寄ってくるたびに私も1歩づつ下がる事しか出来なかった。
バンッ。
追い詰められた私は咄嗟に水の呪文を紡ぐ。
「水よ 来たれ 水玉」
撃退成功…うん…お兄ちゃんだね。
わかってたよ!!
でもね汚いのに抱きつくのは違うよね、ね。ね!
綺麗にしてあげたんだよ…!
うん。気絶してる??うん、ま、しょうがないよね♡
可愛く言ってもダメだって?うん。そのごめんね‥。
自問自答の末私はため息を吐く。
「はははは。はぁ」
取り敢えず私はびちゃびちゃになった床を拭いてママンに怒られるのをどうにか回避したのだった。
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後日、夜お風呂から上がるとアベルが櫛を持って待っていた。
(やるの?やっちゃうの?)
アベルの顔をみると何やら自信ありげな佇まいである。
期待できそうなのでピョンと椅子に飛び乗る。
「温かい 風を此処に 暖風」
私の髪が暖かな風に包まれる。
(中々心地良いではないか〜ぬくぬく〜ほわほわ〜)
なんか前世のドライヤーより気持ちいい気がするぞ!なんでだろう?まっいっか。
アベルお兄ちゃんもやればできるじゃん!さすがお兄ちゃんだけあるよね〜
あ、そうだ!
「いい事思いついた!!」
そっと私は、アベルに「新しい魔法覚えとく?」と囁くのだった?
視点変えるだけで同じ話で申し訳〜
かといって続きをすぐ書けない〜
思いついていないわけじゃ〜うん。ま、ぼちぼちするよ。うん。