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転生者 勇者の妹  作者: 凪又姫
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第21話 裏庭のアレコレ

中々進まなかった。

ズドンっ


茂みがゴソゴソ音を立てている。


何!魔物ッ!?


私は慌てて裏庭から家へ飛び込むように逃げ込む。

ドアを少しだけ開けて覗き込むようにして茂みをうかがう。


ガサゴソガサゴソ。

バサッ


手と足が出てきた。


黒いロング手袋。

ヒールの高い黒い靴。

黒いニーソックス。


どうやら人のようだ。

どこかに引っかかったのか(もがーもがー)と喚いてるみたいだ。


とりあえず人だと分かったので救出してみる事にした。

納屋にあるロープを持ってきて輪っかを作り西部劇よろしくな感じでブンブン回して投げる。


無闇に近付いて引き込まれても恐いしね。


何度かのトライで怪しい手にロープを握らせ事に成功したのでロープを木に括りつける。

うがーうがーと這いずって出きたのは、髪が黒と紫のツートンカラーの魅惑的な女性だった。


「あーヒドイ目にあった。助かったよ?あれ?」

木の後ろに隠れているので女性の目では私が、見えなかった。

「‥…‥、おばさんだれ?」

木の後ろで私は、問いかける。

キョトンとしている女性。

めんどくさいので姿を見せてあげることにした。

「どっから降ってきたの?」

女性は首を傾げ顔を引きつらせながら、答えた。

わらわはおばさんじゃなくてお姉さんね!ちょっと大きな魔力を感じたからちょっと跳躍してきてみたんだけど、、、。」


不穏の間。


「へっ?へぇ〜」

「あれ?ここってもっと驚く所じゃないのかなぁ〜」

「わー。すごーい」

「なんで棒読みなのかな?」

「え?結構驚いてますよー起伏激しくないだけですよーやだなーじゃ私帰りますね。」


跳躍して藪に突っこむドジっ子を指摘せず。

きびすを返し家に帰ろうとする私。


「待て!待て!妾が探しているのはどうやら貴様のようじゃし幼女の貴様に妾は助けてもらったしな。どうじゃ弟子にしてやるぞ。」

「お断りします。」

「なぜじゃ!!」

「知らない人を簡単に信用しないようママンに言われてるので!じゃ」

(うん。関わってはいけないオーラあるよね。)

女性の方を見ながら手を顔の前で敬礼し、帰ろうとするがまだ話は終わってないという感じでこちらを睨みつけている。

「妾は元王都宮殿魔道士のエリウス・リ・サウルじゃ王都で知らぬ者などいないぞ!!魔道士をこころざすすものならば知っておろう。」

「いいえ知りませんが志してないので、、、もういいですか?」

「じゃあれはなんじゃ!」

女性が指を指したのは、私が詠唱の練習で燃えて黒ずんだ地面だった。

「あっ」

咄嗟に口を抑えたがその挙動をみたエリウスはにやにやとこっちを見て嫌らしい笑みで私を見ていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


話し合いの結果?勝負する事になった。

勝負と言っても幼女と成人女性では力の差があるだろうと言って私に3回攻撃をさせ一撃でもダメージを与えられなければ、弟子に一撃でも与えれば帰ってもらう事になった。

私も結構練習したし何だかんだイケるんじゃないかと自信をたぎらせる。

エリウスは屈伸運動や伸びをしリラックスムードで向きあっている。


いざ勝負!私は静かに詠唱の呪文を詠む。


「女神よ 私に 光りを 輝け ライト」

「火の精霊よ 業火の力を 私の 手に ファイヤボール」


エリウスの目の前に直径3mの光が顕現し、直径1mの火の玉2個が左右から迫る。

エリウスは片手を目の前にかざし、後方に片手でバク転しかわす。

火の玉はエリウスの居た地点でぶつかり合いボンッとぜ消え、光の玉も効力を失い徐々に消え去っていく。


「っぱないの〜」

「あっさり躱しますね」


余裕の顔で立つ両者。

はなからみたら幼女と大人女性がたわむれているようにしか見えないだろうが幼女が放つ火の玉にはそれなりの殺傷能力があり普通は、30cmの火の玉が約3倍のサイズになっているし、さらに一回の詠唱で2個の玉を出せる者はそういない。

ライトに限っていえば通常の10倍はあり、戦闘で使うという発想はこの世界にはない。

そんな事は、関係ないとばかりにニヒルに微笑むエリウス。

エリウスは正面に手を向けるとクイクイと指を曲げて挑発する。


うん。むかつく。


「水の精霊よ 大いなる 水の力を ウォターボール」

「風の精霊よ 風の息吹を ウインドカッター」


エリウスの頭上に水の塊が落ちていき、前方から風の刃が迫る。

エリウスは頭上の水の塊を全中からのかかとで蹴り飛ばし風の刃は上半身をひねるだけでかわす。


サーーパラパラパラ。


蹴り飛ばした水の塊が雨のようにエリウスの周りに落ちてくる。


「かっかっかっこの程度か。ま、幼女でここまで派手に魔法使う者などそうそうおらんがな。しっかり楽しませてくれよ。かっかっかっ」


さすが王宮魔道士、てか魔法使ってないよね〜。

てか、このままじゃ弟子になんなくちゃなんないのか〜、、、。

うーん。と、考えてると怪訝けげんな顔をした私を見たエリウスはにやにやした顔でこっちを見ている。


「降参か??」

「ウザイ」

思考を切り替えて詠唱する。


「さめざめと凍れ ひらひら燃えろ ちりじりと舞踊れ  凝縮 摩擦 」


エリウスは膨大な魔力の奔流を感じながらも聞いたことのない詠唱に?を浮かべながらじっとこちらを見ている。

エリウスの上には黒い雲が浮かんでいる。


「圧縮 加工 必滅 サンダーボルト」


詠唱を唱え終わると雲がピカッと光、次の瞬間には、ドゴンッと落雷が落ちる。


「あ、ゔぁ、ゔぁ、ゔぁ、ゔぁ、ゔぁ」


エリウスはぷしゅ〜と音を立てながら倒れた。

私は恐る恐る近づきそのへんに落ちていた枝で倒れたエリウスをツンツンする。


ボフンっ

白い煙と共に体が消える、と後ろから「かっかっかっ」と嫌な笑い声が聞こえてくる。

紛うことなきエリウスだった。


戦闘は難しいね〜。

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