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駅を離れてしばらくの間、カガリと他愛もない会話をした。都会の学校生活はどんな感じなのか、両親の遺跡発掘でどれほどの発見をしたのかなど。
「さすが、考古学会からでも一目置かれていることはあるよね先生たちは。今までの業績もさることながら、今回の大発見。」
「全くだよ。君の故郷の近くにあるんだろ?」
「本当だね。わたしですら気がつかなかったんだから。」
「でも、両親が発見したものってドレークシティの遺跡にある遺物としては、ちょっと僕的に疑問なことがあるんだ。」
「どういう意味」
「今回両親が発掘した遺跡には、祭壇らしき所に宝石がはめられた石版が発見されたんだ。僕も写真だけで実物を見てないから、詳しくは分からないけど、それぞれ異なる宝石がはめられた石版なんて大昔の遺物に信じられるかな?」
さすがにカガリも、そこまでは聞かされていなかったらしく、僕の話しに急に一人の研究家のような顔立ちに変わった。
実は彼女は、両親同士の付き合いが長いこともあり助手をしているのだが、僕の両親のように遺跡に赴いて発掘こそはしないものの、助手としれは両親の信頼できる腕前なので、だからこそ両親が遺跡に出勤している夏休みの間、僕を彼女に託したらしい。
しかし、遺跡の大発見の件の詳細は、まだ学会の上層部にしか知られておらず、学会から直接カガリへは、伝えられていなかった。
「変な話だね。そんな石版が、見つかっただけで確かに大発見だけど。どうやって宝石を種類の異なる宝石を見つけたんだろうね。」
「シルクロードから渡ってきた品物っていうのはどうかな、当時の貿易路を考えればありえない事じゃないよ。」
「確かにそうだね。でも、祭壇に飾られていたのなら、当時の信仰している神様に向けて加工されている可能性もあるね。」
「そういう意味も含めて大発見なんだな。」
カガリと色々口論をしている内に、スーパーに着いた。確か十年前はこんな所には、スーパーなど無かったはずだが、僕が都会に行っている間色々新しい建物が出来たのかもしれない、そう考えている内にスーパーの入口に止まった。
「ちょっとここで買い物しようか。ライヤも、これからの生活の必需品くらいは揃えておきなよ。」
「いや。僕こっちに来る前に、一応下着や生活用品を揃えといて、それを運んでもらうよう引越し屋に頼んどいたから、特に買う必要な物はないけど…」
「じゃ、お菓子とか買っておけば。」
「別に買う物はないけど、せっかくなのでスーパーに立ち寄ろう。どんな物が置いてあるか気になるし。」
スーパーの中は、食品、生活用品、下着のコーナーに分かれていてる、都会で僕がよく利用していたスーパーと大して変わらない。まぁ言うならば、物価が都会の物より安いということだ。品物の価格は、50~100円は違う。
カガリは洗剤を切らしてしまったから詰め替え用を買ってくるといって、生活用品コーナーに行く。レジ付近に残された僕は、そのまま突っ立ているのもなんなので、食品コーナーへ足を運びお菓子を二袋購入した。