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外へ

 メラニーのあとをついて、外へ出た。風がつめたい。あたりは雪でおおわれている。真っ白い雪がぼくのひざのところまで積もっていた。はしりまわりたいけど、そんなことをしたらまた、メラニーに子ども扱いされるだろうからぐっとがまんした。

 スノーボードカーのメラニーの横にすわった。

「いくよ」

 そういうとすぐに雪の上をはしる。なめらかでそりにのっているみたいだ。真っ白い雪におおわれている街の中を走る。見慣れた風景のはずなのに、別の世界にいるみたいだった。

「ここ、ほんとにぼくのうちの近所?」

と言っていた。

「そうよ、草も木も人間もすべて眠っているの」

「白くてきれい」


「そうね。ねえ、昔の人は冬眠しなかったって知ってる? 冬でも仕事をしたり、学校へ行ってたって」

 ああ、本で読んだことがあった。昔の人は寒い中、いっぱい着こんで働いたりしていたって。

「昔の人ってずっと働きづめだったから、病気になる人も多かったの。冬眠すれば自己治癒ができて、たいていの病気もなおってしまうのに。ストレスなんかひと月も眠れば解消されるのにね」

 リアナはそう誰となしにそう語っていた。

 そうだ、勉強だってすいみん学習のほうが効率的だ。まあ、ぼくは中途半端だから、ぼちぼち毎日寝ながら勉強しなきゃいけなくなったけど。


「多いのよ、冬眠して三か月くらいでめざめちゃう子供。今週はティジェイで三人目」

「へえ」

 みんな泣いていたのかとそのことが気になった。

「わたし、冬がすきなの」


「えっ、冬が好き?」

「そう、雪が好き。ドカ雪は家をこわしたり、悪さもするけど、こうして眺めていると世の中の汚れを全部かくしてくれる気がするから」

 それはわからなくもない。雪はぼくも好きだ。寒いけど遊べるし。

「メラニーはあっち側の人?」

「そう、今、あっちは夏、でも私はこっちの冬で仕事」

「みんな、夏のところで働きたいんだっておもってた」


 この惑星では冬になる地域に住む人は冬眠をし、夏になる地域に住む人は仕事をしたり、勉強をしたりしている。メラニーは今、夏の地域に住んでいる人。でもぼくたちの冬の地域で仕事をしている。ぼくたちが安全に冬眠できるようにパトロールや保護をしてくれるんだ。

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