レンジャーがきた
ぼくは一人ですごすって、もっとわくわくすることだと思っていた。けど、いざそうなってみると、ただ、静かなだけでつまらなかった。いつもぼくの邪魔をしてくるリアナでさえ、ここにいてくれたらいいななんて考えていた。それにぼくは冬眠中に夢プログラムで、八歳用の学習をやるはずだった。それがすべて終わっていない。今度はその続きを本部でべんきょうしなきゃいけなくなった。せっかく宇宙船で旅をするアプリを選んだのに、それも途中で終わっていた。なんだか気が重くなってきた。しかたないけどね。
ぼくがホットチョコレートを飲み干した時、外に誰かがあらわれた。
「冬眠レンジャーです。失礼します」
そう声がかかってドアが開いた。
ぼくはうれしくなってソファから飛び降りて出迎えた。中へ入ってきたのは、十四歳くらいの少女だった。ぼくを見るとにっこり笑った。
「メラニーです。ええと、ティジェイくんかな?」
こっくりとうなづいた。
レンジャーっていうから、ごっつい大人が来るんだとばかり思っていたから、ちょっと面喰っていた。
メラニーはもっているモニター画面とぼくをてらしあわせて言った。
「よかった。ワンワン泣いてたらどうしようって思ってたの」
そうちゃかすように言われて、ぼくはちょっとむっとした。だから、口をとがらせてこうぎした。
「ぼくはかんたんに泣くような赤ちゃんじゃないよっ」
メラニーはキャラキャラ笑った。やっぱりからかわれたみたいだ。
「ごめんね」
ごめんっていってくれたけど、全く悪かったと思っていないのがわかる。ぼくはもっと何か言ってやろうと思った。けど、メラニーのかぶっているヘルメットの通信機がなった。
「はい、こちらメラニー」
急におとなびた表情で話し始めた。ぼくも口をつぐむ。
メラニーはちらりとぼくをみて
「了解。これからむかいます」
と返事をした。
メラニーはぼくにわらいかける。
「ねえ、本当はあなたを本部の保護センターまで送りとどけなきゃいけないんだけど、この帰り道にもう一件、他の子供がめざめちゃってるんだって。途中、寄ってもいいかな」
他の子供? ああ、めざめちゃったのはぼくだけじゃなかったんだ。
「いいよ。べつに」
というと、メラニーはクシャってわらった。美人なのに、そんな笑い顔、だいなし。
「オッケー、ありがと。じゃ、さっそくウィンタースーツにきがえてね。そしてこれをかぶるの」
ぼくの頭に、メラニーと同じヘルメットをかぶせてくれる。
「ここの耳んとこ、スイッチがあるでしょ。これを押すとわたしたち、離れていても話ができるの」
へ~え、べんり。かっこいい。なんか、ぼくもレンジャーになった気分だった。




