~No.36~
«ガチャ…»「…っ?white…whiteかっ?」
現れたのは布でくるんだ死体を肩に担いだwhiteだ。
片方の手にもボール程の大きさの何かをくるんだ布袋を持っている。袋の下から黒ずんだ液がポタポタと滴り落ちている。その袋をまるでゴミを捨てるかのようにポイッと投げ捨てた。
「あれがセヴィルの首。そしてコイツがもう一人の俺…自分と同じ顔の奴の首を切るのは気分が悪いから持って帰った。死んでりゃいいだろ」
担いでいた死体は近くのソファの上にゆっくりと寝かせた。
「いや結構、よくやった!これで私は約束の物と一緒に北南へ亡命できる」
「亡命?」
モスキートはうっかり口を滑らしたかのような顔をすると咳払いをした。
「ところで…お前は怪我などしていないか?部下の報告によるとセヴィルに足と肩を撃たれたとか」
「治療色で治した」
「ほぅ、そうか。ならいい。今日はこの部屋に泊まるといい。明日にはお前の部屋を用意しよう」
そう言うとモスキートは机の引き出しに鍵をかけ、
部屋を出ていった。ガチャリと頑丈にドアを閉め遠のいていく足音を最後に辺りは静かになった。
「……ハァー、緊張したよー。バレるかと思った」
先程と口調が全く違うwhite…に扮したヴィルはホッと一息つくとポケットから鍵を取り出しモスキートの机の引き出しを開けた。
中にはたくさんの書類が積み上げられていて、1枚1枚手に取ってみるものの何を書いてあるのかさっぱり分からない。それもそのはず…何故なら
「あっ!……僕、字が読めないんだった……」




