表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
white child  作者: ハル
始まり
32/43

~No.32~

激痛に呻く折れた手首を治そうと治療色を発動させようとした。が、セヴィルがそれを許さなかった。


(うずくま)ったwhiteの両太腿、両肩に弾丸をぶち込む。弾が貫通する感覚を感じた時には自分の身体は仰向けに倒れ四肢に空いた小さな銃創からは血が止め度もなく溢れ出していた。


「アッ…ウグッ………」

「心配するな、殺しはしない。お前にはまだ死なれては困るんだ。答えてもらう事が山程あるんでな」


倒れたwhiteの目は自分に向ける殺意で満ち満ちていた。悔しさを噛み締めながらセヴィルを見ていた。


「…ヘッ、ハハッ…アハハハハハハッ!!まいったな、こんなことになるならもっと早くにあんたを始末しとくんだったよ」

「そうだな、そうすべきだった。だがもう遅い。今は俺の質問に答える事のみ集中しろ」

「……グハッ!」


胸ぐらを掴まれ一気に壁に押し付けられる。


「あまり時間がないんでな、手間を取らせるな。…お前は誰だ」


その獰猛な目つきは変わらない。

しかししばらくするとこの状況から逃げられないと判断したのか重々しい口を開き始めた。


「…俺はあんたの息子の細胞から造り出されたクローン兵器"white"。製造者の名はモスキート・バング。奴に指示されたのはあんたとその息子の殺害…これでいいだろ?」

「…………」


黒幕がモスキートである事は既に見当がついていた。驚いたのは目の前にいるwhiteの正体だ。


この男はヴィルの小さな細胞から生まれたもう一人の子…自分の子だったのだ。培養器の中で育っていようが薬品の力で成長しようがヴィルがいなければ生まれなかった存在。つまり自分とシャイナが交わっていなければ存在すらしてしない者なのだ。


「……ゲホッゲホッ!」


突如咳き込むwhiteの首を絞めていた腕を離す。支えを失った身体は前のめりに倒れた。苦し紛れな声がセヴィルの耳に響く。whiteにはもはや戦う力も残っていなかった。セヴィルは拳銃をベルトに戻すと壁に寄りかかり座った。whiteの身体の下は血だまりになり始めた。


「……やっぱりお前はヴィルと繋がってたんだな。

他人にしては似すぎていると思ってたよ」

「…ゲホッ……ハッ…少しは気付け……なぁ…ヴィルって…あいつの名前か?」


whiteはゆっくり仰向けになるとそこから見えるヴィルの寝顔に視線を移した。


「ヴィル・ベルへルク・スグナ。シャイナが俺の名から取ってつけたんだ。いい名だろ(笑)」


セヴィルの言葉に血が垂れている口がニヤリと笑う。


「ゲホッ…いいんじゃねぇか。"兵器"にしては間の抜けた名だがな…アイツには似合いだ………ハァ…だが奴は自分の事を何も分かっちゃいない。俺達に名なんて必要ない…永久に殺し闘い続ける…誰かの為ではなく己の為に、殺す。…これが、俺達が存在する意義…理由なんだよ」


「……誰が何も分かってないだって?」

「!?」「!?」


寝息を立てていた身体が起き上がった。が、未だ眠いのか目は開かず重い頭が左右に揺れている。ヴィルはwhiteの驚いた顔を見ながら気だるい口調で話し始めた。


「僕は戦争で敵を殺す為に造られた"兵器white"。この能力は普通の人間より殺傷能力を高めるため。撃たれても刺されても即座に自分で治して闘い続けるため……だけどね、モスキートが作った存在意義に何で従わなくちゃいけないの?」

「…………」

「瞬時に移動して敵を仕留める力があるなら馬に踏み潰されそうな子供を助けるのに使えばいい。敵にやられた傷を癒す力があるなら腹を引き裂かれた女の人の傷跡を無くすのに使えばいい……僕の言いたい事が分かるか?」















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ