表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/19

魔人との戦闘そして・・・

魔人と対峙する、少し前。


「サトウコウイチ魔人と対峙したときに、勇者は俺だと言ってから戦ってくれ。」


ガロさんが魔人のところに向かおうとした俺にそう言って来た。


「どうしてですか?」


「お前が勇者じゃないと分かれば、お前を無視して勇者をあぶり出そうとするかもしれないからだ。」


「わかりましたよ」


そう言って俺は歩き出す。まったくやってられない。


「遊撃部隊・後衛部隊は怪我人を救助!救護部隊に至急連絡!全軍撤退する!」


ガロさんから各部隊に指示が飛んだ。


ガロさんの声は聞こえているはずの魔人は、にやにやしながらその様子を眺めていた。


そして俺と目が合う。魔人に向かって歩く俺の姿を見つけたからだろう。周りが撤退作業に入っているのに無視である。


「アマノ!今後のことで指示がある聞いてくれ。」


「はい!」


ガロさんが天野を近くに呼び寄せた。近くで話しているせいか話し声は聞こえなかった。


そして魔人と対峙した。特に威圧をされていないのに、冷や汗が止まらない。膝が笑っている。手が震える。


こんなこと死んでも嫌だった。やりたくなかった。この世界に来て俺は自分のことを一番に考えると決めていたのに、こんな事は勇者がやることだ。


なのに今俺の目の前には


「お前が勇者か?」


「俺が勇者だ!」


魔人と、たった一人で戦闘を開始しようとしていた。




「お前ほんとうに勇者か?見た目はレベル低そうだし、装備もそこらへんのやつより悪いし、俺の足止めのつもりか?そこらへんの雑魚で足止めされると思ったら大間違いだけどな!!」


そう言って、持っていた剣を横に振った。


もし始めの攻撃を見ていなかったら、この攻撃で死んでいただろう。魔人が剣を振った瞬間に地面をころがって、残撃を避けた。


攻撃を避けてすぐに、先読みスキルを発動。すると上から攻撃が来るのが分かった。転がっている状態から横に飛んで避ける。

すぐに”先読み”を発動。今度は攻撃がこないことを確認。盾を構えながら立って魔人と対峙した。


味方の方に目線を一瞬向けると、魔人の攻撃の二次災害でていた。さっきの攻撃による被害者が出たようだ。ガロさんが早く魔人から離れるように指示を出している。なぜか天野も手伝っていた。怪我人も大事だが、こっちは俺が何とかできなくなった瞬間終わりなんだぞ。


味方のことも気になったが、はきりいって魔人と対峙しているこの状況で、味方を気にする余裕がなかった。早く応援が来てくれることを祈っていた。”早く来いよ天野!!”


「味方を気にしている余裕なんてあるのかな? くくく」


そうですよ。ありませんよ。いいですね。魔人さんは余裕で。


「とりあえず雑魚ではないことは分かった。だがそれだけだ。まあ俺を楽しませてくれればそれだいいよ。」


魔人がそう言うと再び戦闘が始まった。


魔人が攻撃してくる。それに合わせて攻撃の軌道をそらす。そらした軌道にできた隙間に体を入れる。攻撃されているときに”先読み”を使って次の攻撃を理解する。その攻撃に合わせ、盾・剣を使って攻撃の軌道をそらす。魔人の攻撃はまともに食らった。一発で死んでしまう。はきり言って今回なんとか魔人の攻撃を避け続けている。理由があった。本来であれば、魔人と俺のレベル・能力値・スキルどれをとっても魔人の足元にも及ばないだろう。天野でさえまともにやりあえないだろう。だが俺は魔人の攻撃をなんとか避け続けている。


一つ目に魔人がまだ本気を出していないこと。


二つ目に俺が先読みスキルを持っていたこと。


三つ目に魔人の攻撃が大振りだった。攻撃が単調で雑だったこと。


四つ目は速さで到底かなわないはずだが、先読みスキルを使い。魔人の攻撃を”最小限の動き”で

かわしていることによって速さでかなわないところを補っていた。


五つ目は五行結界を天野にかけてもらっていること。残撃を軌道を変え、攻撃を避けているがその余波もすごい。五行結界がなければ余波で吹き飛んでいた。


これのどれか一つでも抜けていたら、確実に死んでいた。


それを思うと攻撃を避けながら冷や汗が止まらない。次から次と攻撃が来る。それを俺は攻撃を流しつつ避ける。


「おお!!けっこうやるじゃねかーーー。楽しくなってきたぜ」


そういうと攻撃速度が上がってきた。まずい・・・


「ひさしぶりだぜ。こんだけ戦いが持つのは。たいがい瞬殺だったからな。いいねお前!!」


そう言って、連続で攻撃を繰り出してきた。

縦・横・斜めと剣を振っていく。そのたびにすさまじい残撃が発生する。その余波も五行結界でなんとか耐えているが、物理的にではなく精神的に蓄積がすさまじい。


一分が一時間に感じてならない。そしてなりより、天野!!援軍に早く来い。もうもたねよ。


どれくらいっただろうか。精神疲労と体力的疲労で感覚があまりなかった。


「はぁ、はぁ・・・」


ふいに魔人の攻撃がやんだ。そして別の方向を見ていた。

天野が来たのか?


「人間族は500年前となにもかわってねえんだな。」


何かを言っている。それでも今のうちに呼吸を整えて休んでおこうとした。だが


「強いやつを前に、お前以外全員逃げていくとはね。弱いやつには興味はないがな」


え・・・?今、魔人なんて言った?全員逃げた?はぁ・・?

それを聞いて、味方のいた方に目線を向けた。


「なぁ・・・・」


味方は誰一人と目に見える範囲にいなかった。遠くに砂煙が上がっているのが見える。


「おい冗談だろ・・・」


ガロさんは言った。天野を援護に向かわせると。一緒に撤退させると。



だが現実は誰も援軍には来ない・・・。

呆然としてしまった。


「おいおい。これぐらいで腑抜けてんなよ」


「しまった。」


完全に魔人から気をそらしてしまった。魔人の攻撃が放たれてしまっていた。


それでもなんとか軌道をそらそうとしたが、全部をそらしきれずに吹っ飛んでしまう。


地面をゴロゴロこ転がった。


「まだまだ満足してないんだよ。これぐらいで死んでくれるなよ。」


「くっそ!」


なんとか起き上がる。幸いに骨には異常なさそうだ。だが頭がぐらぐらした。転がっているときに頭を打ったようだ。


立ち上がって魔人の様子を見る。


まだまだ余裕そうだ。それはそうだろう。こちらの攻撃はなにも当たっていない。ダメージがないのだ。

今は俺の様子を伺っているようだ。今のうちに考えろ!


どうやったら生き残れるか!


無い物ねだりをしても意味はない。援軍はない!くそばかのせいで!

どうやったら生き残れる。


逃げるか?無理だ走って逃げたところ後ろから攻撃されておしまいだ。


戦うか?まともにやっても勝ち目はない。


休戦はできないか?魔人が休戦をのんでくれるとは思えない。が念の為やってみるか。


命乞い?命乞いをした瞬間に殺されそうだな。


持久戦に持ち込むか?死ぬのが先延ばしになりそうだがこれしかないだろう


できる作戦をすぐに考えてもう”これ”しかない。


「実は俺、勇者じゃないんだ。そこで休戦しませんか?」


「それで?俺は戦うのやめる気はないぜ。」


あっさり第一段階にして、これしか確実に生き残る方法がなかった。


残るはもう・・・


やけくそだ!


体力的にも精神的にも限界に近かった。剣が魔人の攻撃によりヒビが入っていた。

攻撃を避けつつ、一度だけチャンスを伺って反撃を試みる。

後は持久戦でどこまで持ちこたえられるかしかない。


はきり言って、絶望だ。


そう生きる望みを絶たれたのだ。人間族に!


魔人との戦闘が再会した。もう体力の限界が近い。一度の攻撃に望みをかけて、後は持久戦しかない。そして決意した。魔人が剣を上段に構えたのを見て。始めて俺から攻撃を仕掛けに行った。魔人もそれを見て、俺の剣を自分の剣で受けようと、剣をおろしてきた。その剣に俺は自分の剣の”ヒビ”が入っているところをかさねた。予想道理俺の剣は折れた、そう予想道理。

折れた剣で魔人の首を切らんと剣を走らせる。首に向かって剣が延びる。よし!


ドン!!


次の瞬間、吹っ飛ばされ地面を転がっていた。え?


「やってくれるじゃねぇか。自分から攻撃してくるから何かと思えば。あんなことを企んでいたとはね。」


体が思うように動かなかった。顔だけなんとか魔人に向けると。


魔人の体に真っ黒い煙のような物がまとわりついていた。


「勇者じゃないとは言っていたが、確かに勇者らしいスキルは何も使っていなかったな。勇者じゃないのかもしれないが、だとしたら俺はそんなやつに魔装まで使わされあまつさえ、300年ぶりに自分の血を見ることになるとはね」


よく見ると、魔人の頬に赤い線が走っており、赤い血が流れ落ちていた。


その赤い血を指ですくって口に入れ、自分の血の味を確かめているようだった。


「がはぁ!」


突然魔人が目の前に現れ蹴られていた。そして吹っ飛ぶ。


無様に転がった。


仰向け状態になり、それ以上体を動かすことが出来なかった。


気づくと目の前に、魔人が立っていた。


そして、剣を振りかぶっていた。避けられない。


一人の女子の顔を思い描いて、”ごめん、無事に帰れなくなった”と誤った。


目から涙が流れ落ちる。


異世界で死ぬのか。


親の元に帰りたかった。


やりたいことがまだあったのに。


結婚だってしたかった。


子供の顔も見たかった。


俺の子供の顔を親に見せたかった。


後悔ばかりだ。


一人の女子との約束も果たせなかった。


魔人の剣が徐々に近づいてくる。


死ぬときって時間がゆっくり流れていくんだな・・・


魔人の剣の動きがスローモーションだった。


意識が段々薄れていく。


「・・・・」


魔人が何かを言っているようだが良く聞こえない。





”ごめんよ”



いろいろな思いに誤った。


そして意識は完全になくなった。



____________________





「いてぇーー!」



痛みで目が覚めた。左腕が動かない。骨が折れているかもしれない。

上体を起こして辺りを確認する、周りは真っ暗だった。日時は夜になっているようだ。


「生きている?」


周りを見渡す。魔人の姿は見られなかった。そもそも気を失ってどれくらい経つのかさえ分からない。


なんとか動く右腕で、道具袋から回復薬と傷薬を取り出し。応急処置をする。


もう一度場所を確認する。ここはヘトロス荒野のようだ。周りは魔人と戦って出来たであろう、傷跡が地面に出来ていた。


なんとか立ち上がると、ヘトロス荒野の入り口に向かって歩き出した。奇跡的にも魔物に襲われなかったようだ。


ここにいたら、そのうち襲われてしまうだろう、そう思い歩き出す。


歩きながら、周りに魔物がいないかを確認しながら進む。


正直何も考えられなかった。痛み・裏切り・恐怖いろいろなものが胸の中で渦巻き処理できなかった。


ただ帰らなければと思い。王都に向かって歩いていた。



ヘトロス荒野の入り口に着いたのは夜明けの薄明かりの中だった。


誰もいなかった。陣地がそのまま残っていたが、だが誰もいなかった。水も食料もなかったので、近くの川に行くことにした。


川に行き、水を飲み汚れていた傷口を洗い。治療しなおす。


それが終わると、立ち上がり拠点の都市まで歩き出して行く。


川原からすぐ近くの木にたどり着いたときだ。意識がふっと途切れそうになった。


なんとか踏ん張る。まだここで意識を失うわけには行かない。


まだここは魔物がでるところだ。こんなところで倒れたら。魔物に食い殺されてしまう。


そこからまた都市を目指して歩く。ただ呆然となにも考えず・・・・・



どれくらいたっただろうかやっと都市が見えてきた。


「やっと・・・」


そうして門の前まで歩いて。やっとついたっと思ったときだった。


そのまま意識を失い倒れた。









_________________________________________


メインストーリーまであと少し!!


しばらく暗い話になってしまいますが、申し訳ない。


ただグット来る。心にひびく話にできるよう頑張ります。


この主人公大丈夫?とか心配な読者の方。


主人公は底辺から這い上がっていく話にするつもりです。


乞うご期待!!







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ