第一話 あれ?なんで俺死んでるの?そんで三姉妹のお世話になるの?
ふぅ、始まります。
俺は、気がついたら死んでいた。
いつもどうりに寝て、起きたら息苦しさとともに声が聞こえてきた。
「男の子ですよ、お母さん、男の子が産まれましたよ。」
耳がそこまで既に発達していたのかは知らないがそう聞こえた。
そこで俺は悟ったんだ。
ああ、俺死んで生まれ変わったんだ。
そして俺は…。
♻︎
「今日からここが紫くんの家だからね。」
そう言ったのは戸田 加奈子さん、ずっと隣の家に住んでいた俺を両親の失踪と共に身寄りのない俺を引き取ると言ってくれた戸田三姉妹の長女だ。
枝牙 紫たる俺はまだ15歳、戸田三姉妹そう意見として引き取ることを決めたらしいので俺としては有難いくらいだ。
独り暮らしがまだできない年齢であるから孤児院に連れて行くかという話の時声を張り上げ守ってくれた加奈子さんには返せないほどの恩を感じている。
「はい、よろしくお願いします。」
ぺこりと腰を折り礼をする。
加奈子さんは今は大学二年生、戸田三姉妹の親達は海外で仕事をしており、15年間で3、4回しか見ていない。
それでも許可をしてくれた戸田夫婦には改めて礼を言わなくてはならないはずだ。
「そんなに改まらなくてもいいわよ、これからは家族なんだから、ね?」
確かに15年の付き合いである戸田三姉妹に今更改まる必要はないのだがそれでも俺という問題児を引き取ってくれるのだ、もう足を向けて眠れない位には礼儀をなさなくては。
「それでもお世話になる身ですし、俺には何もできないので礼儀くらいはちゃんとしないと…」
「気にしなくていいのよ、むしろそんな風に気を使われると落ち着かないわ、だからお願い、紫くん。」
「う…うん。」
かぁ、と顔が赤くなるのが自分でもわかる、加奈子さんは、というか戸田三姉妹は俺の見てきた女性の中でトップレベルの美しさを持つのではにかんだ顔を見るとたとえ15年間見ている顔としても顔が赤くなるのは仕方ないことだ。
「それじゃ、今更だけど家の中を案内するわね。」
今更とは言うが俺が最後にこの家に来たのは3年前だ、三姉妹の三女、由美子と遊んでいた頃の話だ、中学に上がりだんだんと遊ぶことが少なくなっていき今じゃ顔を合わせても「よっ」とか「おう」とかまともに話してない。
「加奈子…さん、由美子は?」
ギロリと加奈子さんが睨んできた気がしたが…気のせいのはずだ。
「これから家族なんだから、ね?」という言葉が頭の中にこだまする。
「加奈子…姉さん…。」
「うん、由美子は今…まぁ、すぐにわかるわ。」
何か今背筋がヒヤッとしたんだが、と考えていると加奈子姉さんは歩き始める。
「まずここがリビングね、料理は私達に任せておけばいいわよ、大体皆が揃ってからご飯になると思うから時間はいつも適当だわ、だからと言って女の子と遊んで夜遅くに帰って来たら許さないわよ?」
何やら不穏な空気になったので軽く目を逸らす。
「そうだ、まずは紫くんの部屋を案内しないとね。」
そう言って階段に向かって行く。
まだまだ続きます。