番外編 ~エリの考え~
昔から私には、友達が居なかった。
それの理由は、なんとなく分かる。
私が人よりもちょっとだけ顔が整っていること
私が人よりもちょっとだけ頭の回転が早いこと
そして、私が人よりも遙かに病弱であること
そんなことで、私に近寄るのはお優しーい大人達と、
浮わっついたことしか言わない男の子達くらいしか居なかった。
だから、彼も同じなんだと思っていた。
不要な言葉を並べる存在なんだと思っていた。
彼の名前はガイル。
私がつけた。
どうせあと少しで死ぬ運命の私が、「私」を残したくなかったのに彼に名前をつけたのは…きっと彼が、天使と名乗ったから。
信じたかった。
浮く物体を、幽霊以外の何と言ったら良いだろうと、まずそう思ったから。
でもよく話をすると面白い子で、私を特別扱いしない。
病気のことは確かに聞くけど、ガイルは私の気を引こうと必死に自分の話をしたり、偽善者ぶる言動は無い。
そんな彼に、惹かれる自分が出来て、
早く死にたかった自分が消えていった。
私は、もう彼が好きだった。
でも、タイムリミットはあと半年。
もし、私が天使になったら、魂の取り方教えてね?なんて、冗談混じりで言ってみる。
優しい彼は、哀しく微笑んで、私が思った通りに良いよって言ってくれる。
タイムリミットは、あと少しだから、
今のうちに 神様に頼んでおくわ