表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/24

第1楽章 4 ~少年のターン~



彼女の名前はエリだった。



病名は覚え切れないほどに長ったらしく、寿命は長くても1年。



学校に通ったことが無いことも教えてくれた。





「ねぇ、キミ、名前も無いの?」



「…200人分集めると貰える。」



「えー、面倒くさい!私が付けちゃ、駄目?」



「…良いけど。どうせ別のが付けられるんだよ?」



「まあまあ、良いじゃん!私だけのキミになるんだから。」



そう言って、本気で考え込む君。



愛おしく、切なくなった。







「ねぇ、キミって何食べるの?」



「…天使は食べ物食べない。」



「食べることは出来るの?」



「…らしいね。僕は要らないけど。」



「へぇ…勿体無いなー…私は食べたくても食べらんないものが沢山あるのに。

…なんちゃって。えへっ」



そうやって、思わず本音が出たところを、なんちゃって、で隠す君。



哀しくて、美しかった。







君への愛を、ただただ増やし、どうしようもない感情を、魂狩りにあてた。



君に会って1ヶ月。



僕は魂を50ほど集めた。



君にガイルと名付けられた。




男の子にヴェルディという名前が付いた。



彼はもうすぐ羽根を貰える。




君はよく咳き込むようになった。



…もし最短で死ぬとしたら、半年だと言われたそうだ。




君と会って1ヶ月。



ヴェルディは変わった。



君は変わった。



僕は…変わらない。




だからこそ、気付かなかった。



もう…幕は上がっていたことに。





それに気付かせてくれたのは、ヴェルディでも君でも駄目だったのだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ