番外編 2 ~悪人役はいつも俺~
愛していた。
大天使様の幹部として働いていた貴女。
ある組でトップ3の一人として位置していた貴女。
女王アリの妹君として君臨する女王を支えた貴女。
全部、全部、貴女の記憶で埋まっている俺。
絶対に、俺が先を行くことは無く
絶対に、俺が上なことも無く
絶対に、俺の想いを伝えられず
告げようとすれば、
邪魔が入り
事故が入り
死が待っている俺の運命。
俺は、確かに多くの罪を、人生が変わる度にやってきた。
それは認めるし、償いたいとも思う。
けど。
その罪が、俺の運命を左右するとしたら
最初の一度くらい、想いを伝えられてたはずなんだ。
一度も報われず
悲しみが消えることも無く
もう一度、貴女の後ろを辿る
嗚呼、大天使様。
俺は、ガイルよりも悪いことをしたでしょうか?
悪いことを全て忘れて天使を生きた彼より悪かったでしょうか?
それとも
彼を…
彼のように、俺より彼女に近かった人を
未だに憎むことが罪でしょうか?
貴女が人間に戻って、早10年。
最期まで、気が繋がっていた彼らを羨ましがることすら、罪と言うのならば、
俺はその想いをもう一度無くす為に
罪を犯してみせましょう。
例え、禁忌の罪でも
俺が貴女と交じり合えない運命ならば