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才能なしと追い出されましたが、辺境で魔導書工房を始めます。──なぜか王国最高位の魔術師が、毎日うちの工房に来るのですが?

作者:森凛
最新エピソード掲載日:2026/03/20
名門魔法師一家に生まれながら、魔力をうまく「飛ばす」ことができない──。攻撃魔法も治癒魔法も使えないイリスは、二十歳の春、家を出るよう告げられた。

「魔法が使えない者に、魔女の名は名乗らせられない」

それでも、イリスには一つだけ人と違うことがあった。 本に触れると、魔力が「吸い込まれるように」馴染んでいく感覚。

辺境の森の外れに小さな工房を構え、イリスは魔導書の製本を始めた。 羊皮紙の選定から魔法インクの調合、糸綴じの角度、表紙の革に刻む文様──すべてを手作業で、一冊ずつ。

気づけば、イリスの工房が作る魔導書は「効果が段違い」と噂になり、王都の魔術師たちが辺境まで足を運ぶようになっていた。

そして──ある朝、工房の扉を叩いたのは黒外套に身を包んだ男。 「……一冊、頼みたい」 不愛想で、目が鋭くて、どう見ても普通の客ではない。

後から知ったのだが、彼はライナルト・クロイツ──王国に七人しかいない「大魔術師」の一人だった。

なぜ、そんな人が私の工房に?

最初は月に一度だった来訪が、週に一度になり、気づけば週三になっていた。 本を選ぶとき、彼はいつも棚の前で長い時間をかける。急かさず待っていると、ぽつりと言う。

「……あなたが作った本は、なぜか読みやすい」

魔女の仕事は本を作ること。恋なんて考えていなかった。 でも、静かな工房に差し込む夕陽の中で、彼の横顔を見るたびに──なぜか、もう一ページ、時間が増えればいいと思ってしまう。

本と魔法と、ちょっとだけ不器用な二人の、スローライフ恋愛ファンタジー。
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