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第5章 運命の日来る架純の死

月末が来てしまった。敏彦には開店以来の休みでもあった。二人は午前中、二人には思い出の場所があった。鹿嶋市の港が見える展望台だった。初めてのデートで行った所だった。敏彦の改造車でドライブに出かけた。二人は当時と変わった道を走り抜け展望台へ登った。屋上の一角に当時二人で書いた落書きを探した。相合い傘を書いていた。「あった!あの時のままだ。」架純は手を叩いて喜んだ。港を見ると沢山の大型船があった。あの当時と変わらない架純にとっては瞼の裏の風景だった。「あの頃も敏彦さんスポーツカーに乗っていたわね。S130フェアレディZグレーと紺のツートンカラーのTバールーフのやつ!」架純は思い出しはしゃいだ!「懐かしい、あのフェアレディZ今でももってりゃ高値がついただろう?旧車ブームだから世間は」敏彦は懐かしさがわきあがってきた。なんか空気の匂い一緒のような気がした。途中であの時入ったラーメン屋があったので今回もはいってラーメン餃子を頼んだあの時と一緒だった。二人はラーメンをすすった。あの時と同じ味かは忘れていた。なんかこれから起こる事かわかっているようなふりかえり二人の思い出ドライブだった。帰路につくとアパートの前に軽自動車が1台停まっていた。敏彦の駐車場だったのでどけてもらおうと車を降りて軽自動車に近づくと乗っていたのは蘭だった。「蘭、ごめん。車どけてくれ、俺の駐車場なんだ!俺の車入れるから、すまん。」敏彦は蘭の顔を見た。蘭はすぐに退いた。蘭は車を路上に停めて敏彦の側へと寄って来て。「どこへ行ってたの?会社いったら車かなかったから休みなんだと思ってこっち来た。」蘭は敏彦の顔を見た。「二人でラーメン食べて来た。」敏彦は蘭の顔を見て微笑んだ。そこへ架純が近づいて来て「この間は時間を作っていただいて有り難う。今日は何か?」架純は蘭の顔を見ると怖い形相をしていた。「架純!命をもらいに来た!覚悟しな。」蘭の目は吊り上がり別人のようだった。「架純早く家の中に入れ」敏彦が叫んだので架純はダッシュで家の中に入った。蘭は追いかけてドアを思いっきり、叩いた。「臆病者開けろ!」蘭が怒鳴った。敏彦が暴れる蘭を取り押さえると蘭はバックから包丁を取出し敏彦のお腹を一回指した。「う!痛い!やりやがったな。蘭許さんぞ!」敏彦は蘭の顔を見て包丁を取り上げようとした。が返り討ちにあって手を切られた。敏彦の白いティシャツは血で真っ赤に染まった。架純は、家の中から救急車を呼んた。蘭は知っていた、敏彦のズボンの左ポケットから鍵をとりドアの鍵を開けて中に入った。中にいた架純のお腹と足を指した。倒れた架純の上に馬乗りになり何度も指した。指した所が心臓にたっして即死だった。5分間の諸行だった。架純の黄色のシャツも血で真っ赤に染まっていた。そこへ救急隊が来てくれた。「架純!架純!」と呼び掛ける敏彦を見て、救急隊員が脈をとって「御臨終です。あなたは大丈夫ですか?」隊員か声をかけた。「大丈夫じゃない。腹が痛い。」敏彦は隊員に小声で伝えると気を失った。敏彦は病院に運ばれ緊急手術を受けて一命は取り留めた。傷は深かった腎臓まで包丁が達していた。腎臓1個は半分くらい機能しない。それから一週間はICUに入った。敏彦のお母さんと架純のお母さんが見舞いに来て、「敏彦大変だったね。架純さん亡くなったの知っているわよね。」敏彦の母が息子の目を見ながら涙声で震えながら話した。これからの段取りを説明した。架純が死んだ事は知っていた。から、驚きはしなかった。しばらくは架純の母が子供達の面倒を見る。「明日がお通夜で葬儀場で6時からあなたは無理して出なくてもいいわよ。葬儀は明後日の9時から。こっちは出席してあげなさい。会社には連絡しておいた。」敏彦の母が説明した。「犯人は逮捕されたわよ。敏彦さんとどういう関係だったのあの女!」架純の母が敏彦の目を見た。「結婚してから不倫関係にあった女なんだ。だいぶ前から俺を付け狙っていた。この間、架純が仲直りの話し合いにいったが不調に終わってこの始末だよ。お義母さん申し訳ありませんでした。架純さんを殺したのは自分です。」敏彦は正直に話した。


この日の午後から警察の取り調べがベッドサイドで行なわれた。刑事が2名来た。「まず、最初に我々の取り調べにご協力していただきありがとうございます、先生から短い時間ならという事で許可をいただいております。一つだけで最初に謝りたいと思います。ストーカー被害届けで出されておりましたよね。こちらが担当者のミスでないがしろにされていた事が発覚いたしまして、全くというほど調査されていなかった事に関してお詫びいたします。担当した後藤仁警部補は署内でも評判の良くない刑事でして、身内のはじを晒すようでお恥ずかしい話なんです。この度はご本人様重症、奥様、死亡という痛ましい事件になってしまって申し訳ありません。」宮崎刑事課長が申し訳なさそうな顔で佐久間を見た。「そちらの事情はわかりました。砂川蘭は何か言ってますか?」敏彦は宮崎刑事課長の目を見た。「砂川さんは自分のした事に自暴自棄になっておりまして、ダンマリを決め込んでおります。ただ一言だけ、架純さんに謝りたいと!」宮崎刑事課長は敏彦の目を見た。「衝動的にやったように見えますが、実は包丁研ぎをしたりして計画的な一面もあります。研ぎ師から連絡がありまして、自分の研いだ包丁が使われたんじゃないかって!」加藤刑事が敏彦の目を見た。「私達も彼女の心内をもう少し慎重に考えていればこんな事にはならなかったと考えます。彼女の気持ちをもっとくんであげているばと思います。私が妻子がありながら彼女に手を出さなければと後の祭りです。」敏彦は二人の刑事の目を見ながら自分をふりかえり反省した。「それは、動機の一つになりますね。その他に動機になりそうな事はありませんか?」宮崎刑事課長が敏彦の目を見た。「先日、架純が蘭と直接話し合いをした時何かあったかもしれません。蘭は架純を憎んでいましたから。」敏彦は二人の刑事の目を見て言葉を選んだ。「俺も蘭にはなるべく優しく接しようと心がけた。逆効果だったかな?」敏彦は二人の刑事の目を見た。「それも要因の一つになりかねないです。」宮崎刑事課長が敏彦の目を見た。「俺が全部悪いのはわかっている。手をださなければ何も無かったことは事実だから。ね。刑事さん。架純を死なせてしまい、蘭の人生を狂わせてしまった。張本人ですから。言い訳はありません。蘭には自暴自棄にならずに刑に服すようにつたえてください。」敏彦は涙をながして刑事に訴えた。「時間がきましたからこれで終わります。有り難うございました。お身体を大切に療養してください。」宮崎刑事課長は敏彦の目を見た。二人の刑事は椅子を立ってICUを出て行った。


担当の医師が様子を見に来た。「佐久間さん。具合はいかがですか?痛くないですか?午後からお薬増やしますから。」医師は敏彦の目を見た。「先生、明日の妻の通夜と明後日の葬儀に出席したいのですが許可いただけますか?宜しくお願い致します。子供の顔を見たいので!」敏彦は先生の目を見て訴えた。「事情が事情ですから許可します。看護師を一人付き添いにつけます。患部をサラシでグルグル巻きになりますがよろしいですか?帰って来たら普通病棟にベッドを移しますから。」医師は敏彦の目を見た。「有り難うございます。」敏彦は医師の目を見て頭を下げた。医師はどこかに立ち去った。


次の日、4時に看護師が敏彦のベッドサイドに3人来た。敏彦を裸にしすると腹の周りにサラシを巻き始めた。敏彦の母が午前中に礼服を届けてくれていた。入院着から礼服へと着替えをしてくれた。敏彦は腹周りかキツかった。着替えが終了すると若い女性の看護師が「今日、私が付き添います。宜しくお願い致します。何か異常があれば早く知らせて下さい。工藤美香と申します。」工藤は敏彦の目を見て優しく微笑んだ。「工藤美香さん。佐久間です。宜しくお願い致します。」敏彦も工藤の目を見て優しく微笑んだ。「明日の告別式も私が付き添います。」工藤は敏彦の顔を見た。二人はICUを出て一階までエレベーターで降りた敏彦は車椅子だった。駐車場まで工藤が車椅子を押してくれた。駐車場につくと車椅子専用の車に乗せてもらい、駐車場を出て通夜をやる斎場へと向かった。

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