第4章 架純と蘭お茶を飲む
蘭が架純の殺害を決心した、次の日の日曜日、架純は蘭のアパートを訪ねる。蘭の心内を知りたかったのと数々非礼を謝りたくて話しがしたかった。架純はアパートのドアをノックした。「こんにちは!お久しぶり。敏彦にここのアパートの事教えてもらったのね。外出られる。コーヒーでも飲みにいかない?あなたと顔を突き合わせて話しがしたくなってね。」架純が蘭の顔を見た。「あら、架純さん。茶店そこにあります。歩いていけますよ。行きましょう。」蘭も架純の顔を見た。蘭は部屋を出てドアの鍵を閉めた。二人は階段を下りて歩道を5分くらい歩くと茶店があった。「ここでいいですか?」蘭が架純の顔を覗き見た。「いいよ。」架純は返事をした。二人は茶店に入った。空いてる席に座った対面で座った。二人はコーヒーわを頼んだ。「今日来たのはさ、あなたの敏彦に対する気持ちが聞きたくて来たの!こんなに追っかけてくる理由があるんだなって?私の知らない敏彦がいるのかなと思って。教えてくれない?」架純は蘭の目を見て淡々と話した。「好きな所ですか?全部です。とにかく優しい、私の事が一番、笑った時のあの唇が素敵、目も可愛い。声も素敵、指先もいい。私の髪を撫でるチカラ加減が最高。なんでも知ってる。エッチが凄く良い。私、他の男知らないから。とろけちゃう。」蘭は、架純の前でお惚気た。「後ね。物腰の優しい喋り方。男の色気。私を抱いた時のチカラ加減なんか。後奥さんと子供を愛してる所。」蘭は架純の目を見て微笑んだ、「蘭、お前泣かせる事言うじゃねえか!いい奴だな?誤解していた。いつかの非礼謝る。」架純は蘭の目の奥を見て頭を下げた。「結構私が知らない所ばかりだな。蘭は敏彦をどうしたい?」架純が蘭の目を見た。「お付き合いしたい。昔のように後は毎日会いたい。エッチをしたい。」蘭は架純の目を見てニコリ笑った。「でもあげないわよ。」架純はニヤリ笑った。「大丈夫、奪いに行くから。」蘭も気持ちは固まっていた。から今さら架純に近寄られても別にの気持ちで架純と接触していた。邪魔者は排除して敏彦は頂くと決心していた。顔を突き合わせて憎しみがヒシヒシと湧いて来た。「取れるものなら取ってみなさい。ガキが」架純は売り言葉に買い言葉で返してしまった。二人の溝は深まった。架純も蘭とは分かち合う事はないと確信した。「いろいろ聞いて参考になったわ?私の知らない敏彦を見ていてくれて!」架純は蘭の目を見て優しく微笑んだ。「 帰ろうか?お代は歳上の私が払うから。ありがとう。」架純は蘭の顔を見て頭を軽く下げた。「私、今月末でこの街出ていくから。その前に決着つけるわ!」蘭は架純の顔に睨んだ。「ご馳走様でした。バイバイ!」蘭は店を出てスタコラ先に歩いて行った。架純はその10メートル後を歩いて車まで戻った。車を走らせ帰路へついた。道中、つかめない女だったと思い出していた。これで最初で最期の対談は終わった。架純は途中でラーメン屋によりラーメンとチャーハンを食べた。その頃敏彦の職場では異物混入事件がおきていた。パートの篠原さんが作ったひき肉の中に髪の毛が混入していた。買っていったお客様が気付いたものだったから大騒動になっていた。店長をはじめ副店長にまでマネージャー、篠原さん、敏彦とミッチリ絞られた。ちゃんとネットつきのキャップは被って作業場に入る時は全身をコロコロで撫でるのに原因が掴めなかった。マネージャーと篠原さんが始末書を書いてお客様に丁重に謝った。開店以来売り上げの好調を保っていただけに何時、あしをすくわれるかわからないから幹部達はピリピリしていた。そんな中、一日の仕事が終わりタイムカードを打刻し、店を出て駐車場へ行くと蘭が待っていた。「敏彦、今日一日ご苦労さまでした。今日、奥様が私のアパートに見えたわよ。お茶した。あの人、あなたの良さ何も知らないわよ。それであなたの正妻よ、なんてえばっているんだもの信じられない。あなたの奥さんには私の方さふさわしいんだから。別れてよ。頼むから。私の身体の方が良いんでしょ!毎晩抱かせてあげるから?」蘭は、何時もの蘭じゃなかった。「蘭、わかった。夫婦ってそう簡単にはいかないんだ!わかるよな?子供も居るんだし、右から左へとおいそら移動出来ないんだ。」敏彦は蘭の目を見つめた。「私、敏彦のその目が好き!喋り方好き!今晩は私と居てくれない。」蘭は敏彦に迫った。「それは出来ない!前から言ってるだろ!」敏彦は蘭の目を見つめ苦笑いをした。「蘭、あまり、聞き分けのない事を言うなよ。」敏彦は蘭の目を見て言い聞かせた。「わかった。うんじゃ帰る。バイバイ!」蘭は、アッサリ諦めて手を振って帰って行った。敏彦はそれを見届けると車に乗ってエンジンを始動させアクセルを一回踏むとマフラーから大きな音がした。なかなか聞きここちの良い音だった。駐車場を出て帰路についた。「只今、帰りました。架純、蘭に会ったんだって、蘭が言いに来た。今日さ、お店で苦情があってな!ひき肉に髪の毛が入ってるって言うんだよ。女性の長い毛なんだけど作った本人はショートヘアだし、精肉部にロングヘアの女性はいないんだよ。嫌がせか!皆考えこんじゃてな!結局南極放送局だったんだ。謎という事。参ったよ。お客の自作自演の嫌がらせだな!あれは。でも皆で頭を下げて謝ったがな。」敏彦は架純の顔を見た。「そんな暇人いるんだな?不思議と言えば蘭も掴み所ない女だね。何考えているかわからん。でもあなたの良い所スラスラ言っていた。あなたを愛してるはわかったわ!怖いよ。私いつかぶすっと刺されそう。」架純が敏彦の目を見て震えた。「警察は動いてくれてないな?たぶん。毎日、蘭がくるもの。たぶん、注意もなしだよ。あてにならないから自分の身は自分で守れ!」敏彦は架純の目を見た。「蘭は子供には手を出さないか心配だな。あなた。」架純は敏彦の目を見た。「それはないと思う。やるとしたら俺かお前。だ、間違いなく。」敏彦は架純を見た。「今日は晩ご飯、俺が作る、ひき肉出せなかったか作ったもの引き取ってきた玉ねぎ、パン粉、ハンバーグソースも買って来た。玉ねぎのみじん切りだけ手伝ってくれ。たぶん沢山出来るから食べない分は冷凍しておけ!ハンバーグ捏ねるのは子供達が帰って来てからだな手伝わせる。楽しく料理をつくる勉強だ。」敏彦は架純の目を見た。「わかったわ!そうしよう。」架純も敏彦の目を見た。「ただいま。」蓮と凛が帰って来た。二人は玉ねぎをみじん切りにし始めた。「蓮、凛、ランドセル置いたらハンバーグ作るの手伝って!手を良く洗ってね。」架純が大きな声で叫んだ。たまたまのみじん切りとパン粉を混ぜ合わせつなぎを作った。二人は玉ねぎをみじん切りにしていたせいで涙が溢れていた。今度、ダイソーでみじん切り機を買わなきゃね。蓮と凛が2階から降りてきて手を洗った。二人は手を架純に見せた。「よし!それじゃあ!手伝って。パパのように良く捏ねて。そしたら好きな大きさに丸めてボールを作る。そしたらこうだ!」敏彦は、両手でペタペタとボールを左右に投げ空気を抜いた。「左右に15回くらいなげて」敏彦はキャッチミスで肉をテーブルの上に何回か落とした。それが面白かったらしく4人は和気あいあいとハンバーグを作った。蓮と凛が作ったハンバーグは小さかった。30個くらい出来た。今日は8個焼いて後は冷凍した。これが親子で作る最後の料理になった。敏彦は冷凍したハンバーグを食べるたびに涙を流して食べた。自分で作ったハンバーグを食べて皆、美味しいと言いながら食べた。敏彦はこの時の架純の笑顔が忘れられないでいた。この食卓が瞼の裏の忘れられない風景になった。運命の日がすぐそこまで迫っていた。月末まで後5日だった。