第2章 逃げても無駄よ。
◯◯スーパーがいよいよ開店した。蘭は職場がたまたま休みだったのでようすを見に◯◯スーパーに出向いた。カゴをもって精肉コーナーに真っ先に向かった。ガラスの向こうに佐久間を見つけた。蘭はニヤリと微笑んだ。佐久間は、蘭に気づかず作業をしていた。売り場で品出しをしていた井原さんがバックヤードに戻って来て「佐久間さーん。お客様が佐久間さんに用があるって!」井原が佐久間の顔を見た。「あの女性のお客様です。」井原が蘭の顔を指、指した。「なんだって!」佐久間が井原の顔を見た。「ただ!呼んでくれとって。」井原が佐久間の顔を見た。佐久間は蘭の目を見た。「佐久間さん。お久しぶりです。ここのスーパーに来たんですね。なんで◯◯スーパー辞めちゃったんですか?せっかくお近づきになれたのに?残念だ!私はまだ◯◯スーパーに居ます。」蘭は佐久間の顔を見た。「わざわざ、それを言いにきたのか?忙しいんだよ。もういいか?」佐久間は蘭の目を見た。「佐久間さん。そんな、冷たくしなくてもいいじゃない?失礼しちゃうな!今日、家来る。来るならステーキ買って帰るわよ。」蘭が佐久間の目を見た。「有り難う!遠慮しておく。行くね。」佐久間は、蘭の顔も見て微笑んでバックヤードに帰った。佐久間は、この日は忙しかった。それ以上蘭にかまってられなかった。冷たい態度をとった事を反省しつつ、スライサーで豚肉をひたすら切っていた。オープン初日であったから、鶏肉のパック詰めを手伝ったりひき肉をひいたり、味付け肉を作ったり、大忙しの日だったので蘭の事は忘れた。この日は残業になった。終わったのが6時過ぎになった。1時間以上の残業だった。タイムカードを押して従業員出口を出て駐車場へ向かうと青のBRZの前に人が立っていた。奥さんの架純と蘭だった。架純が様子を見に来ると蘭が敏彦の車の前に居たから声をかけたらしい。前回みたいな派手な言い合いはしてなかった。「蘭、あんた何時まで旦那のストーカーする気、こっちにも考えがあるから、警察に相談するから。」架純が蘭の目を睨みつけた。前回の騒ぎの時みたいに注意では終わらないわよ。「奥さん、すいませんが、敏彦さんと上手く行っているんですか?行ってないなら私が預かりますよ。私の方が敏彦さんと上手く出来ると思うし。二人別れてくれませんか?」蘭は架純の目を睨みつけて、架純に火をつけた、「あんたに言われる筋合いはないわよ。冗談は休み休み言ってよね。バカ!コリャ警察行きだわ。」架純も負けていない。目をつり上げ応戦した。蘭23歳、架純27歳の女のバトルだった。過去に敏彦を蘭に寝取られていた。その時は離婚までかんがえていたが第2子が生まれたばかりで躊躇した経験があった為、二人は犬猿の仲だった。「敏彦が私を抱いた時。奥さんより良いって言ってくれたもの!私の勝ちだから身体は私の方が良いのよ。ババア!」蘭も頭に来て、言いたい事を言った。「ババアだと!ふざけるな、ションベン臭いガキがナマ言うなよ。」架純も蘭の顔を睨みつけて汚い言葉を並べた。「いいから二人ともヤメロよ。みんな見てるからまた、居づらくなるから!頼む。」敏彦が中に入った。「蘭、明日、警察に届だしとくから!覚えておけよ。」架純は蘭の顔を指、指した、「架純!お前と子供ぶっ殺す。気をつけて怯えて過ごしな!」蘭は架純に右手の中指を立てて架純の目の前に出した。今晩のバトルは終わったがのちのちの遺恨につながる。三人はお互いの車に乗り込んだ。帰路に着いた。駐車場を出て、次の交差点で1台と2台と左右に別れた。敏彦と架純は家に着いた。架純のパート先の牛丼を子供達が食べていた。「ただいま。美味しい?」架純が長男の蓮に声をかけた。「美味しいよ。ママいつもありがとう。」蓮は、架純に笑顔を見せた。蓮は小学3年生で長女の凛は小学2年生の年子であった。敏彦と架純は授かり婚だった。架純が19歳、敏彦が25歳の時だった。「あなた、あの女どういうつもりなの?バカにしてるでしょう?悪いと思ってないからね。」架純は敏彦の顔を見た。「明日、警察行って来るから。被害届けだしてくる。あなたは休めないものね。私で大丈夫だよね。」架純が敏彦の顔を見た。「駄目なら相談だけでもしてくれば?後で俺が届出すから。」敏彦は架純の目を見た。 次の日架純は警察署へ駆け込んだ。届は本人しか受付ないという事で相談だけで済ませた。その日の夕方、架純は敏彦の車を見に行った。蘭が車の前に立っていたのを発見した。架純は精肉売り場に行くと敏彦を探した。バックヤードの中に作業する敏彦を見つけた。売り場にいた係員に声をかけ佐久間を呼んでくれとたのんだ、直ぐに佐久間が売り場に出て来た。「蘭が駐車場にいるから正面入口から出て私の車で帰ろう。」架純は提案した。佐久間がバックヤードに戻ると黒澤マネージャーが声をかけて来た。「どうしたんですか?」黒澤は佐久間の顔を見た。「うちの奥さんが例のストーカーがあなたの車の前にいるから、私の車で帰ろうと誘ってくれたんです。車置いてってもいいですか?」敏彦は黒澤の顔を見た。「車いいよ。ただ貴重品は持ってかえってな!佐久間さん、5時過ぎたから上がってください。ご苦労さまでした。」黒澤は佐久間の顔を見て頭を下げた。「お疲れ様でした。お先に失礼します。」佐久間は黒澤のマネージャーの顔を見て頭を下げた。タイムカードを押して、作業着を脱ぎすて、ロッカールームに入ってバックを取って。正面入口を出た。架純の車を見つけ助手席に飛び乗った。「今、買い物したから今晩は料理作るね。肉野菜炒めかな?」架純は敏彦の横顔を見た。その夜、何故か蘭が佐久間の家を知っていて、インターホンを鳴らした。インターホンテレビに蘭が映った。「あいつ!なんで家を知ってるんだ?」敏彦が叫んだ。「それが蘭の正体だよ。あなどれないなあ?」架純がニヤリ笑った。「スマホで全会話録音してくれ。」架純が敏彦の顔を見た。「今日、警察署で証拠になる音声とか映像とか残すように言われた。」架純が敏彦の目を見てニヤリと微笑んだ。架純がドアを開けるとそこに蘭が立って居た。「こんばんは!なんで私に会わないで帰ったのよ。敏彦!ふざけんじゃねえ!ボケ!この女が唆したんだな!必ず殺してやる。」蘭は架純の目を睨んで叫んだ。「あんた何か勘違いしてない?敏彦は私の旦那だよ。唆すもなにも無いの!おわかり!旦那だからいう事聞くの当然なのよ。わかるかな?あんたみたいな危険な女から守るのが私の仕事なんだ!」架純は蘭の目を見つめ怒鳴った。「架純、旦那、旦那ってうっせえんだよ。何様だよ!テメェは!ボケ!」蘭も架純の目を外さなかった。「今度こんなふざけたマネしたら、本気で殺ったる!包丁研いでおくわ!毎週土曜日、村の鍛冶屋の音楽をながして研師が御用聞きに廻ってっから最高に切れるように研いで置く事にするわ!覚悟しておけ!」蘭は、完全にイッチャていた。「蘭、なんで家知ってるんだ。」敏彦が蘭の顔を見て聞いた。「スーパーの棚の履歴書見た。鍵が開いていた。」蘭はニヤリ笑って敏彦の顔を見た。蘭はとりあえず帰った。「明日、昼休み警察署へ行って被害届けだすわ!」敏彦が架純の顔を見た。