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たったそれだけ

作者: 小波

 

 うちの子かぜひいちゃってえ。もう5日も家にいてえ。どかんと旅行でも行かないと頑張れないわー。



 下町風情の木造アパートの一階と二階、子どもの声につられて、こんにちわーと声を掛けた。

 

(なんやかんやわいわいと喋っていたら風邪の娘が部屋から出て来た)

大丈夫ですかあ。あ!まるまるちゃーん。どうこれ食べれる?

大好きなチョコ味のスナック菓子だ。


行くよー!えっまじ!?


一階の奥さんは上の私にポーンとそれを投げて渡そうとした。


おちたー!あと1メートルは必要。


もう一回!えー!割れちゃうよー笑いながら


ああ!惜しい。私の手に触れて落ちた。


コツを掴んだのか奥さんはもう一度投げようとする。


よーしじゃあぜったいとるからねー!


ぽふっ!両手に収まるパンパンに膨らんだ袋菓子!


やったー!とったー!下で遊んでいた子供達に見せびらかし


食べてくるねー!




黒糖の風味が何故かする。美味しかった。



明くる朝、下の子の幼稚園の準備で玄関を開けて大声を出していると人の気配。郵便屋さんだ。ああ、、汗だくで恥ずかしい。匂わないかな。私は妙齢である。近頃シャンプーはデオコというその年代向けのものに変えたところだ。


ああ、イケメンだわー。ちょっと元気になる。そして少し色気づく。もう少し早く起きて制汗スプレー使わないとね。ものはあるのよ、無いのは心の余裕と時間。



こんな調子で子供とべったり看病疲れを起こしていた私は他人様から元気をもらい刺激を受けて錆びそうなこころが動き出した。

読んでくださって嬉しく思います!

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