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底から出てもそこは底  作者: 三頭脳
中学三年生(逮捕まで)
42/117

兄弟喧嘩

 

 それはいつも些細な事だった。

 今回は

「ルドラの秘宝」

 というスーパーファミコンのゲームソフトで遊んでいた時の話だ。

 

 「このゲーム、面白いからやってみろよ!」

 と親友エバが貸してくれたのだ。

 兄にもやらせたいから、冒険の書を二個空けてくれ!と無理言って頼んで、空けてもらった。

 

 ロールプレイングゲームは、頭を使うので、シンナーを吸ってたら出来ないからだ。

 ところが、このゲーム、本当に面白すぎて、二人共ハマってしまった。

 一時間交代でやっていたのだが、兄はいつも少しオーバーする。

 

  ある時、かなりオーバーしていたので

 「いい加減にしろ!」

 と文句を言うと、

 「待て!もうすぐやめる!」

 

 「早くしてくれ!俺も次は一時間半やるからな!」


 「駄目だ!」


 「何でだよ!」


 「うるせえ!」


 「うるさくねえ!」


 「いい加減、しつけえぞ!」


「バキッ!ドカッ!ゴスッ!」

 ラッシュで殴られたので、

 シンナー吸ってる奴には負けん!

 と生まれて初めてやり返した!


 「バキッ!」

 初めて殴り返されたので、面喰らっている兄の髪の毛を掴み、膝蹴りをかました。

 そこから殴る蹴るの嵐を喰らわせた。

 

 ここまでは優勢だったはずなのに、いつの間にか、馬乗りになられて、ボコボコに殴られていた。

 あれ?

 馬乗りになってる場所が腰の方だったので、

 「うおぉぉぉぉ!」

 と雄叫びを上げて両手の平で思いっきり兄の胸を押すと、兄はふっ飛んで離れた。


 兄は立ち上がり


 「強えじゃねえか……」

 となんだか嬉しそうに言って、部屋を出て行った。

 いやいや、それは俺の台詞だよ!何でシンナー吸ってるのにあんなに強えんだ?

 

 なんか、目に違和感を感じたので、洗面台の鏡をのぞきこんでみた。

 あれ?コンタクトレンズがない……。

 でも、目の中がゴロゴロするので、絶対にまだ目の中にあると思った。


 程なくして、母が帰って来たので、眼科に連れて行ってもらった。

 

 眼科で調べてもらったが、おそらく目の中には何もないとの事。

 じゃあ、この違和感は単なる殴られた怪我によるものか……。


 次の日の朝、起きたら目が痛かったので、また洗面台の鏡をのぞきこんでみた。

 すると眼球の隙間から、ハードコンタクトレンズが、目に付ける方と裏返しで、しかも割れた状態で、顔を出していた。

 母が眼科に文句を言いに行くというので止めた。

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