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底から出てもそこは底  作者: 三頭脳
中学一年生まで
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一目惚れ

 

 学校に行っていた理由の一つに同じクラスに好きな女子がいたという事があげられる。

 舞という、小柄だがどちらかというと可愛いというよりは美人顔の子だった。


 舞とは小学校が違ったので、初めて会ったのは中学生になってからだが、俺は入学してクラスで舞を見た瞬間に一目惚れした。


 舞としばらくは話す事は出来なかったが、同じ班になったのをきっかけに話すようになり次第に仲良くなっていった。


 舞は顔だけの女ではなかった。

三頭脳(みずのう)、いい事教えてあげるよ!しつこい男は嫌われるんだよ!」

 などはっきり言う性格だったので、男兄弟の家庭に育ったし、まだ女の事をよく分かってない年頃の俺としては、色々な事を教えてもらってかなり勉強になった。

 そんな舞を俺はますます好きになっていった……。


 だがそんな舞には、他のクラスの赤池という男子生徒と両思いという噂があった。

 俺は気になったのでその生徒を見に行ったが、背が高くてサラ毛で、なかなか男前の男子だった。

 この噂が本物だと、舞が通っていた小学校の卒業アルバムを誰かに借りて見た時に確信した。

 サラ毛の赤池と舞は同じクラスで

 『生まれ変わったらなりたいもの』

 という欄に、それぞれ

 『天皇の息子』

 『天皇の娘』

 と書いてあったのだ。

 俺はこれを見てショックを受けた。

 打ち合わせたにしろ、してないにしろ、二人の運命的なものを感じたからである。

 ちなみにこの卒業アルバムは今も俺は持っていて、俺の通っていた小学校のアルバムがないので、誰かと交換したままになっているのであろう……。


 クラスで告白の仕方みたいな会話になり、俺は兄からの受け売りではあるが

 「恋した女は数知れず、愛した女はおまえだけ」

 という台詞を言うと

 「おぉ〜!カッコいい!」

 とその時は盛り上がり俺はいい気分になったが、俺が考えたわけではないので、実際はよく分かっていない。

 そもそも愛と恋の違いすらよく分かっていなかった。

 なので、この文章のとおり、どうやら恋より愛の方が上なのだろう……、くらいにしか思っていなかった……。

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