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7.悪敵(サタン)との大学生活(ユニバーシティー・ライフ)3

平成50年(西暦2038年)6月19日金曜日である。

大学へは電車で通学する。電車の中である。

電車から降り、ふと見ると、ミシェルと云う学生がこちらを向いていた。

ミシェルは、イケメンの部類で、女にもてるのだが、しかし、私等に何の用があるのか?と思ってしまう。

ミシェルが挨拶する

「おはよう。名も知らぬ人」。

「おはよう。ミシェル」

ミシェルは、表情を変えて、名前を知らないのは困る、と顔で主張した。

「私は輪廻。三手輪廻。あなたは、ミシェルロンドロンドで合っている?」

「そうだよ。私がミシェル。私は君を気に掛けていたのだが、今まで話す機会がなかった。」

「そう、まあ、よろしく。」

「よろしく。輪廻」

そのまま別れる。

サタンはと言うと、隙がなかった、と1人言を言っている。確かに隙はないだろう。恐らくクリスチャンだろう。クリスチャンは何らかのスペシャリストである。なぜなら、何か特殊な技能を持っているからだ。

悪敵サタンと共に大学の門をくぐる。

今日は、すごく学生が行き交っている。

サタンは1人言で、今日は死霊術ネクロマンシーが良く成功するだろう。と言っていたが、輪廻は気にしない事にする。

コンクリートの道をゆき、教室にいくまでの廊下をいく。途中でロボット教授に挨拶する。

「おはようございます。ロボット教授」

「おはよう。三手。」

サタンは、何やらつまらなそうにしている様だったが、気にしない事にする。

教室に来て、席に着く。いつもの様に、サタンは彼女の隣に座る。

気が付かなかったのだが、座って窓側を向いた事でミシェルと目が合った。

唐突に「実は、私はクリスチャンなんだ。しかし、この頃、御神と話す機会があって・・・」、

と話し始める。

「いきなり何?」

「聞いてくれ。ともかく御神と話している内に、自分の無知無能さに、自分の穢さに気が付かされる」

「ああ、そう。御神とお会いする機会が・・・・」

「私はクリスチャンだが、あなたもクリスチャンらしいな。しかし、御神はお優しい方だ。私の望んだ事、欲望までも叶えて下さる。その欲望と云うのが・・・・・・」

「私はサタンだが、良ければ話し相手に成るぞ。」

「さーたん・・・・。今真剣な話をしているのに・・・・・・。」

サタンを見てミシェルは、ハッと成った。

「いやいいんだ。また、今度にしよう。」

しばらくして、いつもの様に、ロボット教授が、来て授業を始める。

ノートを出す。もちろん、授業通り面白いノートに仕上げる為だ。


授業を終える。

やはり、面白い授業だった。見返してみると、ノートの文字が盛り上がっている様な気がした。

ミシェルが声を掛けてくる

「私はもう帰るが、一緒に付き合わないか?」。

「私で良ければ。」

輪廻とミシェルは、教室を出て廊下をゆき、コンクリートの道を歩いて、大学の門をくぐる。

今日まで大学にゆくのだ。

そう思って電車に乗って考え事をしながら、自宅に帰る。

ミシェルが途中で「あなたは新しい信仰が出てきた時、それを信じるか?」、と問い掛けてきた。

輪廻は「もちろん。」、と答えた。なぜならば、それが正しい事だからだ。


自宅。17時頃、ミシェルは輪廻の家にお邪魔する為に、入った。輪廻はミシェルを持て成した。と言っても、お茶を淹れたぐらいだが。

「美味しいお茶だ。しかし、あなたはなぜ私を受け入れてくれたのか?聖句にある通りか?すると、王は答えて言います。『まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。』”」

「それが正解よ。なぜ、受け入れたのかって、さらに言えば、男じゃないからかしら」

ミシェルは驚いて訊ねる

「男じゃないってどう云う事だ?」。

「男じゃない。つまり、男として見ていないって云う事。」

「そうか。まあ、それはともかく、私はなぜかもてる。大学でも自宅の近所でも教会でも。罪な男だと思っている」

「そう、それなら伊達メガネでも掛けたら?」

「考えておこう。しかし、私は小さき者なのか?聖句にある通り」

「こどもみたい。喋るのに疲れる素振りがないから」

「そうなのか。しかし、この人は誰だ!クリスチャンではなさそうだが・・・・、コスプレと言うのか?」

普段はサタンも翼を仕舞って、尻尾もねずみの尻尾の様に、ハンガーの如く先端を空中に掛けている様に見える。しかし、それでも公衆の面前では、目立つのである。私は慣れたがミシェルも落ち着かない様だ。

「それに、大学生でもないのだろう。とてもじゃないが、そう云う顔には見えない。ギリシャ神話に出てくるアポロンとか、そう云う者の名前がしっくりくるぐらいだ。さーたんと言っていたがサタンではないだろう?輪廻と話しているし、肉体もある。さっきも言った様に、日本人ではないだろう!?」

前々から、焼きもちを焼いていた様なのだが、いきなり、サタンは癇癪を起こして叫んだ

「私がせっかく輪廻に纏わり付いているのに、台無しだ!!それに加えてももう限界だ!!私だけ話の輪外だ!!出ていけ!!!」。

「何をするのか?!」

組み合って、家の外まで押し出してミシェルを追い出した。

「じゃあ又大学で」と口早にミシェルは、またあおうと言う。

仕方がないので、輪廻は、思い出しては焼きもちを焼いているサタンを尻目に、お茶を啜る。

ミシェルと云う非日常から、元通り独りの生活に戻ったのである。

知っている人もいると思うが、悪魔は実は、1人2人ではない。基本的に数に含まれないのである。なぜなら、神とも天使とも違う、霊的存在でもないからである。

ヒントを与えるなら、現象や表象に似ている。

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