告白
遥の転移魔法で王城に戻る。
竜討伐成功の知らせは皆を喜ばせた。
「魔王の驚異もなくなり、伝説の竜まで倒すなんて。さすが勇者ハル。」
国王陛下はご満悦だ。
「このままこの世界にいてほしいが…」
「帰ります」
遥が即答する。
「蒼子と一緒に」
私の手をぎゅっと握る。
(一緒に)
私は胸がきゅーっとした。
「残念だが仕方ない。明日帰還術の用意をさせよう。今夜は祝勝会だ、無礼講だ」
国王陛下の言葉に皆がわく。
「夜まで時間があるから町にでもいってみるといい。何か面白いものがあるかもしれないぞ」
ジークの言葉に私たちは町に行くことにした。
馬車で城から揺れること20分。
王都に着いた。
中世ヨーロッパのような石造りの建物が並ぶ、活気のある町だ。
「あ、あれなんなん?」
私は皆が行列を作っている店を見つける。
「屋台かな。並んでみようか」
屋台は揚げパンだった。
外側がカリカリしており、噛むと油がじゅわっとでてきてまぶしてある砂糖と絶妙にからむ。
非常においしい。
「おいしいなあ。これは太るわー」
こわい、こわい、おいしいと食べていると遥に笑われる。
無言で私の口の横を指で拭き、舐める。
「なん!」
私は赤くなる。
「蒼子、砂糖だらけ」
クックと遥が笑う。遥は口を汚すことなく、綺麗に食べている。
(普通、舐めるか?)
私はまだ赤い頬を乱暴にこする。
胸はまだドキドキしている。
(相手は小学生…、小学生。あ、もう13歳やけど)
「あ、次はあそこいこ」
遥に指され、一軒のアクセサリーショップに入る。
なかには娘さんたちでごったがえしており、目移りするキラキラしたアクセサリーがたくさんある。
「これかわいいな」
私はエメラルドグリーンの髪留めを手にした。
流線形でシンプルだが、鏡で合わせると私の黒髪によく映えた。
「値段…7000」
いくらだろう?こちらのお金の単位がわからない。
「気に入ったの?蒼子」
遥が横から顔を出す。
「うん。でも高いか安いかようわからん」
私がそう言うと遥が買ってくれた。
「国王様に来るときもらったんだ。よく似合うよ、かわいい」
遥が髪につけてくれる。私はまた赤くなる。
私はどうしたんだ。
「遥は何かほしいのないん?」
「ないなあ」
店を出る。
「あ、でも行きたいところある。ついてきてくれる?」
遥と一緒に歩くこと20分。
町を見渡す展望台に来た。
ちょうど夕陽が落ちるところだった。
二つの太陽がオレンジとピンクのまざった美しい夕景をつくる。
「聞いてほしい言葉があるんだ」
遥が私を見つめる。
「蒼子が好きだ」
私はびっくりして固まる。
「友愛的な?」
「違う。性的に。あ、言い方やらしいな」
遥が赤くなり照れる。
(せ、性的に?)
私も赤くなる。
「とにかく。前から、地球にいる頃から大好きだったんだけど、今は愛してる。蒼子にさわりたくて仕方ない」
遥が私の髪をひとふさすくってキスする。
「遥…」
私は真剣な遥に胸がドキドキ忙しい。
体の奥がきゅーっとする。
「愛してる、蒼子。僕と付き合って」
遥に抱きしめられる。
(私も遥が好きや…)
気持ちがあふれる。
私はうなずいた。
「私も好きやと思う」
「思う?」
遥に聞き返される。
「いや、好きや。うん」
遥が花のように笑う。
「嬉しい!大事にするよ!」
遥が私の肩をやさしくつかんで額にキスする。
思わず目をぎゅっと閉じる。
「蒼子、かわいい」
次に頬。
鼻。
「なんなん!」
私が照れると遥は笑って唇を合わせてきた。
(………!!)
その口づけはやがて深くなり…。
私は
(反則…)
と思いながら、もう何も考えられなくなった。