夜
夜、部屋で寝ているとノックされた。
「蒼子、起きてる?」
「起きてるよ」
私が返事をすると遥が枕を持って入ってきた。
「どうしたん?」
聞くと恥ずかしそうに「一緒に寝よう」と言ってきた。
私は微笑んだ。
まだ10歳なんや。
親元離れてさみしいよな。
私は布団をめくった。
「入り」
遥は嬉しそうにもぞもぞ入ってくる。
「蒼子…、本当にごめんね」
私の手をぎゅっと握る。
「なんなん、大丈夫よ。気にせんで?私、ちょっとわくわくもしとるん」
「わくわく?さすが蒼子。ふふ、僕、竜見つけるからね」
「ありがとな、遥。信じとるで。明日から頑張ってな。でも無理したらあかんよ」
私は遥の手をぎゅっと握り返した。
遥はにこっと花が開いたように可憐に笑った。
「くっついて寝ていい?」
私は少し悩んだ。
17歳と10歳…、犯罪?
いや、やましい気持ちないし大丈夫よな。
「ええよ。おいで」
言うと遥の体が私の腕にしがみついてきた。
「僕…、本当は少しこわい。戦いたくない」
遥が震えている。
私は背中をなでながら黙って聞いた。
「魔王って何?どうして僕が…」
遥が私の体を抱きしめてきた。
体が密着する。
(やば、私下着、つけてないなあ)
薄い寝衣越しに遥の心臓が早鐘をうっているのが聞こえる。
「蒼子、やわらかい…。いいにおい…」
遥が私の髪に顔をうずめる。
私はなんだか恥ずかしくてなって少し体を離そうとした。
ぎゅっと抱きしめられている体にさらに力が入る。
「蒼子、僕ね…」
遥は何か言おうとし、言葉を飲み込んだ。
「僕、頑張るよ!そしたら大事な話があるから聞いてね」
にっこり頬笑む。
「何でも聞くで。明日早いしもうお休み?」
私は遥の頭をなでた。
私たちは抱き合ったまま、眠りについた。
「大好き、蒼子…」
夢うつつに遥の声と額にやわらかいものが触れる気がした。