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隣の美少年  作者: ゆき
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王宮へ

王宮に着いた。


ナイスミドルな王様に挨拶をする。


「わがハイランド王国は今魔王軍に襲撃をうけておる。魔王を倒せるのは伝説の勇者だけ。ハル殿、頼む」


遥は真剣な顔で承諾していた。

普段ニコニコしてる子だから、なんだか別人みたい。素直にかっこいいな、と思った。


王様と別れてからは居室に案内される。


「蒼子の部屋は僕の隣にしてもらったよ。中でつながってるから、何かあれば鍵を開けて来てね」


遥と別れてベッドに倒れこむ。

ふかふかー。

いい匂い。薔薇かな?


涙があふれてくる。

「あ、あれ?」


悲しいとかそういうのではなく、ただ目から涙が止まらない。


「うっ、えぐっ…」

隣に遥がいるから聞かれたくなかった。

私は枕に顔をうずめた。


(お父さん、お母さん…)

友人たちの顔も浮かんでくる。

(もう会えないの?)


心にぽっかり穴があいた気持ちだ。


トントン


部屋の中にある扉がノックされる。


「蒼子…」

遥が側に来た。

泣いている姿を見られた私は恥ずかしくて枕で顔を隠す。


「巻き込んで、ごめん。きっと返すから。蒼子だけでも返すから」

枕越しに抱きしめられる。


「ちゃうん。ちゃうんよ、遥。大丈夫、大丈夫やから」

私は泣きながら必死で笑顔を作るがうまくいかない。


「蒼子」

遥は枕をのけて私を直接抱きしめた。

「竜をさがす。竜なら僕らを返せる魔力があるらしいから。魔王を倒して、竜も見つける!」


遥は自分に言い聞かせるように言った。


「うん、ありがとな。遥」

私は遥の背中をなでながら

(さみしいんは私だけやない。遥のほうが小さいんや、なおさらや。しっかりせな!)

と思った。


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