表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第2章 恋愛の訪れ
6/43

規則

携帯から大きな声の高崎の声が聞こえてきた。

高崎「岩崎、大丈夫か?かなり酔っぱらっていたから心配で電話した」

岩崎「うん、大丈夫。昨日は篠里君の所に泊めてもらったから」

高崎「そうか、良かった。まじで心配したよ」

岩崎「ごめんね。みんなには心配掛けちゃって」

高崎「何言ってるんだよ。そんな事、気にするなよ」

岩崎「ありがとう」

高崎「そうだ。そういえば大城さんが凄く心配していたぞ。電話しておけよ」

高崎と話をしていて、ある事に気づき、横に大城さんがいる事を伝えず

岩崎「うん。分かった」

とだけ伝えた。

高崎「じゃあな」と言って電話が切れた。

高崎の声を聞き、僕はHOPEの規則を思い出していた。

大城「高崎君?声がここまで聞こえてきた」

と微笑みながら話しかけてきた。

僕は、頭からHOPEの規則である(バンド内の恋愛禁止)が重くのしかかる。

岩崎「大城さん」

大城「なに?」

この夢の様な時間が終わるのを恐れ、言葉に詰まる。

彼女が話し始める

「バンド内恋愛禁止だったよね?4年の文化祭が終わるまで待つ?それともサークル辞める?」

せっかく、仲良くなれたメンバーと離れるのは辛いが、彼女との関係は絶対終わらせたくない

彼女はこんな気持ちを察してくれたのか、

「4年の文化祭まで、友達以上恋人未満でいようか?」

それだけでも、今までの人生を考えたら夢の様な話だ

「うん」

本当に仲の良い友達の様に、決して一線を超える事の無い関係が始まった。

文化祭が終わってからも、バンドの練習は定期的に行われた。

帰りは決まって駅の近くの喫茶店に寄るのが習慣となった。

喫茶店では、彼女が色々な事を教えてくれる。

大城さんは、大久保のマンションに住んでいると言う。僕は横浜の能見台駅の近くに家がある。以前は大城さんが住むマンションも同じ駅だったのだが、家族が九州に戻った事もあり、しばらくして横浜のマンションを手放し、大久保のマンションを購入したという。

あまりにもスケールの大きい話なので、僕には分からないが、大城さんって見た目と同じ様にお嬢様なんだなと感じる。中学の時は、そんな話も聞いた事が無く、話す度に大城さんの事を少しづつ分かる。僕にはとても新鮮で、もっともっと彼女の事を知りたいと同時に彼女への想いが一層強くなる。

12月も中旬となり、クリスマスの話になる。

「今度の日曜日のクリスマスに、横浜に行こうか?」

「えっ 横浜の何処?」

クリスマスの横浜は、横浜駅、港みらい、山下公園や中華街等のクリスマスイベントが行われている所がたくさんある。しかし彼女の行きたい場所は違った。

「能見台」

僕が住む町、そして大城さんが中学時代を過ごした町である。

僕は「うん」と返事をする。

すると「その“うん”は困った時のうんだね」と笑顔で話す。

「うん」

「その“うん”は当たりのうんだね」

僕は、彼女を見ると

「中学校から何回、岩崎君のうんを聞いてきたと思う?もう岩崎君のうんは全て分かるよ」

大城さんの、その言葉に本当に僕の事を想ってくれている事が伝わる。

「うん。じゃあクリスマスは能見台にしようか?」

すると大城さんが

「うん」と笑顔で答え「今の“うん”は何でしょう?」と質問をして来る。

僕は小さい声で「嬉しいってうんかな?」

「当たり」と笑顔で答えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ