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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第11章 永遠
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最終LIVE

LIVE当日、15:50看護師と看護補助者の2名が病室に訪れ、ベッド毎、観察室に移動する。観察室には、でかいモニターがあり、僕の姿を会場に映し出す、カメラがセッティングしてある。

16:00 映像がLIVE会場を映し出す。


病棟には、院長、中島先生、僕の両親と妹がいた。

理佳の両親は、どうやら会場に行っているらしい。


高崎がマイクを持ち、話始める。

「俊。見えるか?結婚式の披露宴は嘘で、本当は今日、お前と一緒にサプライズライブを行う予定だったんだけど。言えずにごめん。

今日の所は病室で俺たちのLIVEを観ててくれ。」

高崎の横から僕達に紹介した子がマイクを握り

「騙して、すいませんでした。」

と謝罪してきた。

僕は、会場と繋がっているマイクに向かって

「そんな謝らないで下さい。きっと無理やり頼まれたんでしょうから」

すると会場の客から声がする。

「俊さん頑張って」

高崎が

「ちゃんと俊の声も姿も確認出来たのでLIVE始めるぞ」


「ちなみに今日のLIVE会場には、HOPEのホームページの会員登録してくれた方達が来てくれていた。」

高崎の言葉を聞き、会場から歓声が上がる。


では1曲目「未来予想図Ⅱ」

未来予想図Ⅱの前奏が始まった。

前に貰った演奏順では、たしか「結婚ソング」だったと思うんだけど?

しかし、曲はそのまま歌へつながり理佳の声が会場を飲み込む。

本当に理佳の歌声は、心に染みわたる。会場にいた客も何人か涙を流しているのが、見えた。

直接聞くと心に直接突き刺さる。この映像を見ていた師長の眼にも涙が浮かぶ。


そして2曲目「翼を下さい」理佳のソロから曲が始まる。

1番を歌い終え、本来ならば、サックスのソロが入るところだった筈だったが僕は吹く事が出来ず、ギターのソロになるのかと思った時、サックスの音が鳴り響く。

セットの間から、大河内さんがサックスを吹きながら登場した。

中学の時も上手かったが、今日の演奏も中学の時の様に上手かった。

高校で吹奏楽を辞めたと聞いていたので、きっと相当練習したのだと感じた。

譜面通り完璧な演奏をするイメージが強かったが、今日の演奏には感情が伝わってくる音である。

そんな大河内さんを見て院長が

「あれ?大河内さん?あれ?泣いている?」

大河内さんの頬を涙が流れている。

この涙はきっと、ずーと愛していた人と仲直り出来た喜びから、流れた涙だろうと感じる。音は優しく、希望を感じさせられる音色であった。まさにこの「翼を下さい」に合ったソロだった。

そんな大河内さんを見て、中島先生が

「大河内さんでも泣く事あるんだね」と冗談を言うと、周りの職員は苦笑いをした。


そして次の曲は、

「上を向いて歩こう」

いつもの演奏とは違った。最初にトランペットのソロが始まる

奏者は加藤だった。

師長

「いえ、彼は学会に行ってるはずですよ」

でも、間違いなく加藤である。音が大きくキーは合っておらず、昔のトランペットを吹いていた加藤そのまんまである。

「ありがとう加藤。こんな歳になっても助けられちゃったよ」と眼が潤む。

高校の時に加藤と演奏した「上を向いて歩こう」を思い出す。彼と友達になれて良かった。溜まっていた涙が流れていく。

そして、理佳のソロで曲が終わった。

すると加藤がマイクを持ち、

「もし職場の人が観てたらごめんなさい。学会さぼっちゃいました。本当にすいません」

師長

「院長見てるけどね」


そして「ハナミズキ」

朱莉と篠里の結婚式の画面が目に浮かぶ、あの時は朱莉は最後、全然弾けなかったけど、今日は、しっかりと弾き終えた。

そして、「 MyHeart Will Go On 」を終えた。

これで、予定した曲が終了し、ステージから姿を消す。


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