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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第10章 結末
39/43

本番前日

12月24日

最後の練習日だったが、とても行ける状況でも、気分でも無い。

ただただ、俊の事が心配である。

練習に行けない事をHOPEのメンバーにLINEを送る。

メンバーから次々とメッセージが送られる。

あれから、俊の眼は開かない。

私は神様にお願いする。

もう一度、もう一度、俊と話したい。

お昼になると、俊の両親、俊の妹が病室に来た。

母「理佳さん眠れたの?」

首を振る

母「ご飯は?」

再度、首を振る

母「理佳さんが倒れちゃうよ?」

「何もやる気もおきず、食欲もわかなくて・・・・」

母「じゃあ私とお昼食べにいきましょう?起きたらお父さんから電話してもらうから」

とても食事を食べる気はおきないのだが、母のやさしさに頷く

父は病室に残り、俊が起きるのを待つことにした。

以前にもきた喫茶店に入り、食事を食べる。

しばらく、話をしてから、母が席を立ちトイレに向う。

私は、トイレに向う母を見送り、気絶したかのように眠ってしまった。

母は、しばらくこのまま時を待つことにした。

その頃病室では、

僕は、薄らと目を開ける。すると父の声がする。

父「おう!起きたか」

俊「・・・・・」言葉が出ない

父「理佳さんは一晩お前の所に寝ずに付き添ってたんだぞ。食事も食べていない様子だったから母さんが食事に連れてったよ」

僕は父の話す言葉に返そうとするが、声にならない」

父は携帯で理佳に連絡をとった。

僕は小さく弱々しい声で言葉を発した。

「おれ、もうダメかも・・・」

父は息子の言葉を聞き、今まで見たこともない怖い表情で強い口調で話し始める。

父「あきらめるな。お前は一人では無いんだぞ。

  お前の理佳さんに対する愛情はそれまでか?

  理佳さんを悲しめないのでは無いのか?

  二度と弱気な事は言うな。理佳さんに失礼だろ!」

父が私に対して真剣に怒ったのは始めてだった。

僕は黙って父の声を聞く

すると、父の表情が怒った顔から笑顔に変わる。

父「泣き言を言うのは俺では無くて、理佳さんだろ」

すると廊下を走る音が近づいてきた。

この足音は理佳の足音である。

「俊!」

俊「ごめんね」

親がいるにも関わらず、

「俊、愛してる」と涙を流す。

父達は一旦帰った。多分、僕達に気を使ったのだろう。

会話という会話が出来ないまま、時が流れる。

すると、HOPEのメンバーが全員そろって病室に入って来た。

一斉に僕の名前を呼ぶ

「俊」

言葉はかろうじて聞けるのだが、声が出ない

僕は力を振り絞り皆に言葉を発する

「披露宴いけそうも無いや。ごめんね」

高崎「今回が最後ではないんだから、早く病気を治しちゃえよ」

「うん」と笑顔を作る。

荒井「そうしたら明日のLIVEを2元中継で結ぶっていうのは、どうかな?この病室とLIVE会場を」

そこへ林先生と中嶋先生がやってきた。

林「2元中継を僕が許可する。」

林先生の言葉にメンバーが固まる。

理佳「院長先生だよ」

皆が驚き、2元中継の許可が正式に通った事に喜ぶ。

「ナースステーションの横に観察室があるから、そこで中継できるように病院のシステム課に言っておくよ。」

しばらくして、HOPEのメンバーは帰っていった。


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