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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第10章 結末
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急変

そしてLIVEを2日後に迎えた時、非情にも僕の症状は悪化した。

12月23日朝5時、病院から理佳の元へ電話が入る。

「岩崎さんの奥さんの携帯ですか?」

「はい」

「岩崎さんの容体が悪化しています、血圧の低下が診られます。貧血もひどく輸血の必要があります。病院にお越し願いますか?」

「はい、すぐに伺います」

実家に泊まっていたため、家に帰ってきていた父にお願いして車で病院に向かう。

病院の駐車場に着き、真っ先に病室に向かう。

病室に入ると、酸素マスクをした俊の姿が目に入る。

見るからに苦しそうな表情をしている。理佳が来たことに気づいていない。

「俊!大丈夫!」

その言葉に気づき理佳の方を向く「ごめんね」

理佳「謝らない約束でしょ」

俊「ごめん」

普段だとそこで笑うところだが、今回は笑う事など出来ない状況である。

そこに当直医が話し始める「貧血が進んでいる。Hbが7になっているので、輸血が必要です。」

そして輸血の同意書にサインをして輸血を開始する準備に入る。

しばらく時間が経ち輸血を開始する事を伝えられる。

林先生も到着しており、病室に入ってくるなり、話し始める。

貧血により出血傾向となり、出血性ショックを起こした。

その出血性ショックによる血圧の低下であった。

その他、肝機能、腎機能等の臓器の異常も認められた。

貧血が進行している。酸素濃度も低い事も伝えられる。

一度にいろいろな病気を伝えられ、頭がパニックになる。

強心剤の投与も行われ、集中治療が開始される。

あれから何時間経ったのでしょう?時計の針は午後の3時を指している。

林先生が病室に入って来て、理佳に伝える。

「2,3日が山だと思います。」

大河内さんも病室に入って来た。

目の前が真っ暗になった私を倒れないように支える。

こんな日が来ることは分かってはいたが、頭の整理がつかない。

ただただ涙が流れ落ちる。

私は病院の許可をもらって、病室に泊まらせてもらう事にした。

モニターの音、俊の息遣いが眠りから遠ざける。

結局、一睡も出来ず朝を迎えた。


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