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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第8章 LIVE
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蝕み

翌朝、体調が優れない

布団から出ようとするが、力が入らない。

その姿を見た理佳が

「俊、大丈夫?」

「うん」

「ねえ、病院行こう?」

「うん。行って来ようかな?痛み止めくれるかな?理佳は会社行っていいよ。一人で行けるから」

「ダメ、一緒に行く」

多分その回答が来るかなと思っていたので、

「分かった、ごめんね」

会話が終わり、少しの間眠りに入る。

しばらく寝て目を開けると、時計が9時を指していた。


たまたま休みだった、理佳の父が車で送ってくれる事になっていた、

玄関のチャイムが鳴る。理佳の父である。

「大丈夫か?迎えに来たぞ」

急いで玄関に向かい家を出た。

病院に到着し院長の診察を待つ。

30分程待ち名前を呼ばれ診察室に入る。

通常、こんなに早く呼ばれる事は無いのだが、これも伊豆で出会った中島先生のおかげであった。

診察室に入ると林先生が深刻な顔をして話し始めた。

「痛みが強くなってきたので、検査兼ねて入院しますか?」

「入院はどのくらいの期間になりますか?」

「う~ん、1,2週間ぐらいかな」

「実は2か月後に結婚式があって、演奏しないといけなんです。」

「何を演奏するの?」

「サックスを吹くんですが・・・」

「サックス?この状態で吹ける?」

「何とか1曲だけなら」

林先生が困った顔をして考える。

「医者として決していいとは言えないが・・・」

また考え込む

横にいた理佳が話し始める

「先生。本当にすいません。1曲だけですので、お願いします。」

「実は、胸水も貯まり、呼吸が苦しくなっている状態。今の医療では抜かないのが主流なのだが・・・・」

さらに考えた後

「では、今回の検査入院が終わったら、一旦家に帰って、結婚式の前にもう一度入院して、状態をみて胸水を抜きましょう。それでも決して楽にはならないけど、今の状態でサックスを吹くよりはいいでしょう」

俊「ありがとうございます。」

「それと食事は取れていますか?」

「あまり食欲が進まなくて、食べてはいるのですが、たまに嘔吐してしまいます。」

「では栄養のコントロールも、この入院でしましょう」

理佳「ありがとうございます」

「なんだか君たちを見ていると、中島がどうにかしたい気持ちが分からなくも無いな」

と困った顔をして言った。

理佳の父「まったくです」

皆が笑う。

そして入院となった、


入院時検査を一通り終え、病室に入る

理佳の父「じゃあ帰るよ。」

「ありがとうございました。」

理佳「駐車場まで一緒に行くよ。水買いに行くから」

と言い二人は病室を出た。

駐車場の車まで父と一緒に歩く、父が車に乗り理佳に話しかける

「今日、帰り家に来るか?夕ご飯でも一緒に食べよう」

理佳「そうだね、たまには帰り寄っていくね」

と話し、家に帰って行った。


そして病院の売店につくと、水と雑誌を買い病室に向う。

そして病棟に行くエレベーターを待っていると後ろから声がする。

「理佳ちゃん」

振り向くと加藤がそこにいた。

理佳は、今回の入院した事だけ告げると、エレベーターの到着した事を伝えるチャイムが鳴る。

細かい話をする前に慌ててエレベーターに乗り込む。

エレベーターの扉が閉まる直前。

「時間みて病室に遊びに行くよ。言っといて!」

そう言って仕事に戻る。

病室に戻り、加藤に会ったことを伝える。

入院時の検査は、体を動かす事が多く、どうしても疲れが出てしまう。

理佳の話も、上の空で聞いてしまう。

理佳も察したのか

「今日は疲れたでしょうから、早めに帰るね」

と笑顔で言った。

「ごめん、今日はちょっと疲れちゃったから、俺も寝るね」

「わかった、じゃあね」

理佳は、病室を後にした。

疲れが溜まっていたのか、理佳が病室を出てから数分で寝てしまった。


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