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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第6章 サプライズ
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サプライズ・告知

俊が話し始める。

「皆、聞いてくれる。」

高崎「何だのろけ話か?」

俊「皆に言っておくことがあります。俺、癌が見つかって、余命半年くらいと医者に言われている。」

皆が一気に静かになる。


俊「実は、先月の練習帰り、ちょっと頭に異変を感じて、月曜日に病院に行ったら、そのまま入院になった。検査の結果、膵癌、脳転移が見つかった。手術も出来ない状態らしい。理佳にも話して、二人の今後も真剣に話した。そして、俺達は結婚を選択しました。両親にも祝福されて、きちんとしたプロポーズは、今日しようと思っていたので、練習が終わったら籍を入れようと思います。

そして、新居もいつでも住める様にしてあるので、今日から二人で住みます。黙ってて、ごめんなさい。」


皆は何が何だか、状況が飲み込めない様子である。

理佳が涙を流しながら、声を震わせて話し始める。

「皆、黙っててごめんね。まさか俊が・・」

声が出ない。

理佳の姿を見て、この話が本当の事で、俊が癌に侵され、そして死期が近い事を理解した。


朱莉「こんな事って・・・」

篠里の胸に顔を埋める。

高崎は、声も出ない様子である。

俊「ごめんなさい。こんな空気作っちゃって。」

荒井「俺、見守る事しか出来ない。出来る事があったら、何でも言って」

俊「最後のワガママ言っていい?出来る限りhopeに参加していいかな?」

高崎が涙を溜めて

「当たり前だ。」

と大きな声で答える。

俊「それと病人扱いしないでくれると、もっと助かる。」

高崎「分かった。皆もいいよな。」

俊「じゃあ、朱莉さんもいる事だし、文化祭でやった上を向いて歩こうでも演奏しようか。」

高崎「俺がリーダーだ。仕切るな」

ちょっとだけ空気が和む

高崎「じゃあ、上を向いて歩こう演奏するぞ」

皆で上を向いて歩こうを演奏する。

*************

上を向いて歩う

涙がこぼれないように

思い出す 春の日

一人ぽっちの夜


上を向いて歩こう

にじんだ星をかぞえて

思い出す 夏の日

一人ぽっちの夜

幸せは 雲の上に

幸せは 空の上に

上を向いて歩こう

涙がこぼれないように

泣きながら 歩<

一人ぽっちの夜


思い出す 秋の日

一人ぽっちの夜

悲しみは星のかげに

悲しみは月のかげに

上を向いて歩こう

涙がこぼれないように

泣きながら 歩く

一人ぽっちの夜

一人ぽっちの夜

*************


理佳も泣きながら最後まで歌った。

曲が終わり、荒井が慌てて荷物の方に走り出す。

hopeのHPでLIVE映像を流していた事に気づく。

パソコンを取り出し、HP画面を見ると、閲覧者からのコメントが凄まじく入っているのが分かった。

コメントを見る間も無く、ノートパソコンを閉じる。

荒井「ごめん。今日のスタジオでの出来事、LIVEでHPに流してた。」

罰が悪そうに、俊達に向かって謝罪した。


俊「気にしないでいいよ。言って無かった俺も行けないんだから」

と荒井に向かって話す。

理佳「でも、皆ありがとう。本当に今日は嬉しかった。」

朱莉「住む所も決まってるの?」

理佳「うん」

高崎「じゃあ、皆で行こうか?」

俊「婚姻届出してからで、良ければ。」

高崎「場所は?」

理佳が最寄りの駅を伝える。

高崎「今日は練習終わり、2時間後に駅改札口に集合。それまでに、婚姻届出して来る様に。以上」

朱莉が理佳に向かって心配そうに尋ねる

朱莉「本当にいいの?」

理佳「うん」

朱莉「そうか、頑張ってね。既婚者の先輩として何でも聞いてね。それと今日だけど、子供も連れて行っていい?」

理佳「喜んで」

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