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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第5章 結婚
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克服

月曜日

午前中に医師から説明があり、退院となる。

父が車で迎えに来てくれたので、退院手続きをして自宅に帰った。

自宅に帰り、父と話す。

俊「会社なんだけど、辞めようと思う。治る見込みがあれば、休業申請するんだけど、それも難しそうだし・・・」

父「分かった。大城さんにも話しとけよ。」

やはり家に帰ると落ち着くのか、ソファーに座ると自然と寝てしまった。


お昼休みに、理佳から電話が入り、仕事の事を伝える。

理佳も賛成してくれ、理佳との電話が終わった後、職場に電話した。

交換が出て、課長に電話を取り次いでもらい、今までの経過を話した後、退職の意向を話す。今月末での退職を希望し、認められ、来週の月曜日に退職の手続きに行く事となった。

5時が過ぎ、理佳から電話が来たので、退職の話をする。

理佳「今週の土曜日、俊の家に行ってもいい?」

「うん」と返答をする。

本当は、気晴らしに何処か遊びに行きたいところだが、意識を失って間も無い事から控える事にした。


土曜日

理佳が家に来るのは初めてなので、10:00に駅で待ち合わせをした。

ホームから改札に向かって大きな紙袋を持って理佳がやって来た。

「その紙袋なに?」

理佳「お昼ご飯。もし両親が居たらと思って、みんなの分作って来ちゃった。」

と笑みを浮かべ、紙袋の中を見せながら説明する。

今日は、両親が居ない事行っておけば良かったと、理佳の笑顔を見ながら反省した。

二人で話しながら歩いて、家に着いた。


理佳が鞄からDVDを取り出す。

これ観ない?

二人の初デートで観た、あのホラー映画であった。

「これは、きついな」

理佳「一回観た映画だから、大丈夫よ。」

「うーん、じゃあ観てみるか?」

映画館と違い、DVDなら嫌だったら消せるので、映画を観る事に頷いた。

DVDをセットして、映画が始まる。

一度観た事と、スクリーンの大きさの違いのせいか、前の様に腰が抜ける程、怖くなく映画を観ることができた。

そして、ラストシーン、エンドロールが流れ映画が終わる。

理佳「平気だったでしょ」

「うん」

理佳「一番苦手な物が観れるようになって、良かった。これから、苦手な物を全て二人で克服して行こう。

勿論、癌も一緒に戦おう。

そして、苦しい時も一緒に苦しもう

最後は、全てを克服して一緒に笑おう。」

さっきまでのおちゃらけた理佳と違い、涙ながら私の手を握り、真剣な眼差しで語り掛けている。

俊「うん。ごめんな、こんな思いさせて」

理佳が私の目を鋭い眼差しで見る。

理佳「俊、約束して」

俊「何を?」

理佳「病気の事で、謝らないと」

俊「分かった。」

理佳の顔が目の前に迫ってくる。涙を流した目を閉じる。

熱く長いキスが続いた。


既に14:00になっていたので、遅い昼食を食べる。

4人分のお弁当を作ってあったので、さすがに全部は食べれそうもない、お弁当は、おかずだけの容器が3つとおにぎりが15個も入っていた。

お弁当を食べながら理佳が話す。

「本当は、今日家に俊の両親が居たら、この前見たアパートの契約に行こうと思ってたの。」

俊「親の承諾なんか、要らないから、ご飯食べたら契約しに行こう。」

理佳「大丈夫かな?私の家の近くだから、きちんと断わっておきたくて」

俊「じゃあ、親に電話しようか?」

理佳「電話では失礼じゃあ無いかな?」

俊「大丈夫、大丈夫」

携帯を取り出し、親父に電話をする。

アパートの契約する事と、アパートの場所、理佳の気持ちを伝えた。

考える間も無く、親父と母の許可が出た。

理佳と電話を代わり、両親に感謝を伝えた。

電話を切り、理佳の両親の事が気になる。

俊「理佳の両親は、大丈夫なの?」

理佳「今日は、契約するつもりだったので、両親には物件情報を見せて、既に承諾をもらってるよ。」

理佳の積極的な行動に対し

俊「理佳凄い行動力だね。」

理佳「一分一秒無駄にしたく無いの、そう考えると自然と行動に移しちゃう。自分でも、本当にびっくりしてる。」

理佳は、鞄の中から物件情報を取り出す。

不動産屋の場所を検索して、家を出た。


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